一人暮らしの初期費用は最低どれくらい必要? 家具家電の総額を把握してシミュレーションしてみよう

最終更新日 2024年11月25日

一人暮らしの初期費用は最低どれくらい必要? 家具家電の総額を把握してシミュレーションしてみよう

初めての一人暮らしは、お金がかかるもの。特に最初にかかる費用は、敷金・礼金、家具・家電の購入費用とさまざま。そこで、一人暮らしの部屋の契約から入居までにかかる「初期費用」について、ハウスメイトショップの伊藤基さん、一人暮らしアドバイザーの河野真希さんに教えてもらった。部屋探しの前に知っておこう。

一人暮らしの賃貸契約にかかる初期費用は?

まずは、一人暮らしの賃貸契約にかかる初期費用の内訳から見ていこう。なお、以下の初期費用は首都圏でのケースを想定したものであり、目安は地域などによって異なる。

●家賃・共益費

契約の際、入居月と翌月分の家賃・共益費(借主が共同で使用する設備や施設の運営・維持にかかる費用)を支払うケースが一般的。月の途中で契約する場合、基本的には日割りの金額を支払う。なお、共益費は家賃の5~10%程度であることが多く、一人暮らしの部屋では数千円が相場。ただし、エレベーター、オートロックや防犯カメラがついているなど、共用部分の設備が充実していると高くなる傾向に。

●敷金

契約期間の家賃債務の担保(滞納時)として、先に預けておくお金。契約を終えて部屋を退去するとき、原状回復のためにかかった費用が引かれ、残りは戻ってくる。家賃1カ月分が目安だが、ペット可の物件などではさらにプラス1カ月分が追加されるケースも。

●礼金

物件の持ち主である大家さんに対し、お礼として支払う費用。敷金のように返金されることはない。家賃1カ月分が目安だが、新築物件などではさらにプラス1カ月分が追加されるケースも。

●仲介手数料

物件を持ち主から直接ではなく、不動産会社を介して借りた場合、紹介料として支払うのが一般的。家賃1カ月分が目安。

●火災保険料

万が一、入居中に火災に遭った場合の保険。入居時に加入を義務付けられているケースが多い。費用は2年間で2万円くらいが一般的で、契約更新のたびに支払う必要がある。

●鍵の交換費用

前の入居者と次の入居者が同じ鍵を持つことがないよう、鍵を交換するための費用。鍵の数や防犯性能の高さなどにより、だいたい1万5000円~2万5000円が目安となる。

●保証会社利用料

入居者が家賃を払えなくなった場合などに備えて、以前は親などが連帯保証人になることが一般的だったが、最近では保証会社の利用を条件とする物件も増えている。初回保証料は月額総額(家賃・共益費)の50%、または100%のいずれかが多い。

敷金・礼金など初期費用の種類と目安を解説
敷金・礼金などの初期費用は「家賃の4~5カ月分」とも言われるが、物件によって異なる(写真/PIXTA)

一人暮らしの初期費用にかかる家具・家電の総額は?

初めての一人暮らしでは、家具・家電を全部そろえるケースが多い。必要な家具・家電リストをチェックしたうえで、費用の目安を新品・中古・レンタルの3パターンで見ていこう。

必要な家具・家電リスト

好みや趣味などによってそろえたい家具・家電は異なるが、一般的に“これがあれば問題なく生活できる”という必要最低限の家具・家電が以下である。

  • 照明器具
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • エアコン
  • 炊飯器
  • 電子レンジ
  • 掃除機
  • カーテン
  • 布団やベッド
  • テーブル、デスク
  • ドライヤー
  • 収納家具

さらに余裕があれば、テレビやソファ、ラグ・カーペット、電気ケトルなどもあると快適に過ごせるだろう。

購入費用の目安

家具・家電の費用は、新品で購入する場合と中古品やレンタルを利用する場合では金額に大きな差が生じる。ケース別に購入費用の目安をチェックしよう。

新品購入の場合

家具・家電費用の中で特に金額が大きいものが、冷蔵庫・洗濯機・エアコンだ。ただし、エアコンと照明に関しては部屋に備え付けられているケースも多いもの。事前に確認して、必要なものだけを買い足そう。

家具・家電 費用の目安
照明器具 5,000~8,000円
冷蔵庫 30,000~40,000円
洗濯機 30,000~40,000円
エアコン(6畳用) 50,000~70,000円
炊飯器 ~10,000円
電子レンジ 9,000~15,000円
掃除機 3,000~10,000円
カーテン 2,000~6,000円
布団やベッド 布団:10,000円
ベッド:15,000~30,000円
テーブル、デスク 8,000~15,000円
ドライヤー 4,000~6,000円
収納家具 3,000~10,000円
出典/SUUMO編集部調べ(2024年9月)

中古購入の場合

冷蔵庫や掃除機などの家電は、中古品を選ぶことで新品購入と比較して1/3~1/2程度まで費用を抑えられる。家具に関しては業者によって金額設定が異なるため、複数の会社を見比べよう。

家具・家電 費用の目安
照明器具 3,000~5,000円
10L冷蔵庫 10,000~15,000円
洗濯機 8,000~15,000円
エアコン 20,000~30,000円
炊飯器 3,000~5,000円
電子レンジ 5,000~7,000円
掃除機 4,000~5,000円
カーテン 3,000~4,000円
布団やベッド 5,000~15,000円
テーブル、デスク 5,000~8,000円
ドライヤー 2,500~4,000円
収納家具 4,000~7,000円
出典/SUUMO編集部調べ(2024年9月)

レンタルの目安

レンタルが最も安くなるかと思いきや、物によっては新品以上の価格になってしまうことも。「気軽に試せる」「処分の手間がかからない」などのメリットはあるが、長い目で見ると購入したほうがお得になる場合が多いだろう。

家具・家電 費用の目安(2年間)
照明器具 8,000~10,000円
10L冷蔵庫 30,000~40,000円
洗濯機 20,000~30,000円
エアコン 80,000~100,000円
炊飯器 7,000~90,000円
電子レンジ 8,000~10,000円
掃除機 7,000~10,000円
カーテン 5,000円
布団やベッド 30,000円
テーブル、デスク 15,000~20,000円
ドライヤー 3,000円
収納家具 8,000~10,000円
出典/SUUMO編集部調べ(2024年9月)

一人暮らしの引越し費用はどのくらい?

引越し費用はなるべく安く抑えたいもの。ここからは引越し費用の相場や業者の選び方、節約方法を解説する。

引越し業者の選び方

引越し業者選びで最も重要なのは、「複数社から見積もりをとる」こと。引越し業者によって用意されているコースやキャンペーンなどが異なるため、ときには数万円の差が生じることも。もちろん価格だけでなく、サービスの質も要チェックポイントだ。

会社ごとに問い合わせることもできるが、24時間いつでも利用でき、一括で数社に見積もりを依頼できるインターネット見積もりサービスが便利。うまく活用して、お得かつサービスの高い会社を見極めよう。

引越し見積もりで業者を一括比較しよう! SUUMO相談見積

「物件を契約した不動産会社と提携しているところに頼むと割引してくれるところもあります」と伊藤さん。契約時に確認してみるとよいだろう。

引越し費用の節約方法

一人暮らしの引越し費用の全国平均は、4万6000~5万6000円程度。距離や荷物量などによっても異なるが、時期による違いも大きい。引越し費用を安く抑えたい人は「閑散期」を狙おう。

繁忙期と閑散期の違い

引越し業界では、新生活を迎える人が多い2月~4月を「繁忙期」、それ以外の期間を「通常期」と呼ぶ。費用の目安は繁忙期で4万円~6万円、通常期で3万円~5万円程度。通常期の中でも6月~8月、11月は「閑散期」と呼ばれ、繁忙期の1/3~1/2程度の費用で引越しできるケースも多い。反対に、繁忙期は需要過多になることから費用が高くなるだけでなく、希望日に引越しができない場合も。可能な限り、閑散期を狙うことで引越し費用を安く抑えられる。

自力での引越し

引越し費用をとにかく安く抑えたい場合は、マイカーやレンタカー(軽トラックや軽バンなど)を利用して自力で引越すのも一案。特に、初めての一人暮らしで家具・家電を全部そろえる場合、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は量販店から直接新居に配送してもらえる。そうなると運ぶものは衣類や食器などの小物が中心になり、さほど負担はかからないはずだ。

一人暮らしの初期費用を抑える方法

初期費用を抑えるためには、物件選びもポイントになる。詳しく聞いていこう。

敷金・礼金・一定期間の家賃がゼロになる物件を探す

前の章で解説したように、初期費用は家賃の○カ月分という設定で計算される項目が多いため、基本的には家賃が高い物件ほど初期費用も高くなる傾向に。一般的には、家賃の4~5カ月分かかると言われることもあるが、伊藤さんによるとエリアや物件などによって条件が違うことも多く、二極化しているという。

「都市部や『住みたい街ランキング』の上位に入るようなエリアは、礼金を設定していることも多いですが、一方、借り手が見つかりにくいエリアなどでは、敷金ゼロ・礼金ゼロの『ゼロゼロ物件』もここ数年で増えてきています。こうした物件を選ぶと、初期費用を抑えることができます」

引越し、家具・家電は知人を頼ると0円の可能性も

「家具・家電は、一人暮らしセットのようなパッケージ商品も豊富に出ています」と一人暮らしアドバイザーの河野さん。

<一人暮らし家電のパッケージ例>

  • 冷蔵庫(85L)、洗濯機(4.5kg)、電子レンジの3点セット:5万7800円
  • 冷蔵庫(106L)、洗濯機(6kg)、電子レンジ、炊飯器、ケトルの5点セット:7万7000円
  • 冷蔵庫(162L)、洗濯機(8kg)、オーブンレンジ、IH炊飯器、掃除機、ケトルの6点セット:13万7800円

さらに「家具・家電は買わずにレンタルするという選択肢もあります。何を買えばいいかわからないという人がお試しをするのにもオススメです」。このほか、家具家電のサブスクリプションサービスを利用するのもひとつの手だ。

【初期費用を抑える物件選びのコツ】

□ 敷金ゼロ・礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」を選ぶ
(人気のエリアでは少ないが、初期費用を大きく抑えることができる。ただし、敷金から原状回復費用を引くことができないため、入居時や退去時には部屋のクリーニング代などが別途かかる)

□ 家賃がゼロの期間がある「フリーレント」の物件を選ぶ
(一定期間の家賃が無料になる物件。契約開始日から1カ月分のケースが多い。借りる側としては安く借りられ、貸す側としては早く契約を済ませることでキャンセルを防ぐ目的もある)

このほかにも「初期費用をまとめて安くした『○万円パック』のような物件、家具家電付きの物件など、初期費用を抑えるための方法はいくつかありますが、大きく抑えられ、かつ探しやすいのは上の2つ」と伊藤さん。不動産会社に希望を伝える際は、ゼロゼロ物件、フリーレントの物件がないか聞いてみよう。

一人暮らしの初期費用
初期費用は物件によって大きく変わる(写真/PIXTA)

一人暮らしの初期費用をシミュレーション

最後に、実際に一人暮らしにかかる費用をシミュレーションしていこう。ここでは、家具・家電の入手手段やエリア別に3パターン算出した。

●家具・家電は新品を購入。人気エリアの新築物件で一人暮らしを始める場合

家賃7万円・共益費8000円/敷金2カ月・礼金1カ月/家具・家電は新品を購入

費用項目 金額
家賃(入居時) 70,000円
家賃(翌月分) 70,000円
共益費(入居時) 8,000円
共益費(翌月分) 8,000円
敷金 140,000円
礼金 70,000円
仲介手数料 70,000円
火災保険料 20,000円
鍵の交換費用 0円
保証会社利用料 70,000円
家具・家電 100,000円
引越し 50,000円
合計 676,000円

●家具・家電はレンタル。一般的な物件で一人暮らしを始める場合

家賃6万円・共益費6000円/敷金1カ月・礼金1カ月/家具・家電はレンタル

費用項目 金額
家賃(入居時) 60,000円
家賃(翌月分) 60,000円
共益費(入居時) 6,000円
共益費(翌月分) 6,000円
敷金 60,000円
礼金 60,000円
仲介手数料 60,000円
火災保険料 20,000円
鍵の交換費用 20,000円
保証会社利用料 60,000円
家具・家電 10,000円
引越し 50,000円
合計 472,000円

●家具・家電は知人から譲渡。さらにゼロゼロ物件で一人暮らしを始める場合

家賃5万円・共益費4000円/敷金0カ月・礼金0カ月/フリーレント付き(契約日が当月1日の場合)/家具・家電は知人から譲渡/引越しは業者を利用せず自力で行う

費用項目 金額
家賃(入居時) 0円
家賃(翌月分) 50,000円
共益費(入居時) 0円
共益費(翌月分) 4,000円
敷金 0円
礼金 0円
仲介手数料 50,000円
火災保険料 20,000円
鍵の交換費用 15,000円
保証会社利用料 50,000円
家具・家電 0円
引越し 0円
合計 189,000円

物件によって異なるが、一人暮らしを始めるときは、引越し代や家具・家電の購入費用とは別に、初期費用で家賃の4~5カ月分がかかってもいいように心の準備を。家賃だけで「毎月払える」と判断する前に、初期費用を計算して資金を用意しよう。

まとめ

初期費用は家賃の約4~5カ月分かかる

一括見積もりを利用して、お得かつ質の高い引越し業者を見極めよう

6~8月、11月の閑散期を狙うことで、繁忙期の半額程度で引越しができることも

引越し、家具・家電は知人を頼ると0円の可能性も

一人暮らしの初期費用をシミュレーションして資金を用意しよう

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取材・文/前川ミチコ、SUUMO編集部
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