一人暮らしを始めるときの初期費用 資金は最低どれくらい必要?

公開日 2020年10月05日
一人暮らしを始めるときの初期費用 資金は最低どれくらい必要?

初めての一人暮らしは、お金がかかるもの。特に最初にかかる費用は、敷金・礼金、新生活準備の費用とさまざま。そこで、一人暮らしの部屋の契約から入居までにかかる「初期費用」について、ハウスメイトショップの伊藤基さん、一人暮らしアドバイザーの河野真希さんに教えてもらった。部屋探しの前に知っておこう。

初期費用にはどんなものがある? 主には敷金・礼金など賃貸契約にかかる費用のこと

【初期費用の目安】※主に首都圏の場合。目安は地域などにより異なる

●家賃・共益費

契約の際、入居月と翌月分の家賃・共益費を支払うケースが一般的。月の途中で契約する場合、基本的には日割りの金額を支払う。なお、共益費は一人暮らしの部屋では数千円のことが多いが、エレベーター、オートロックや防犯カメラがついているなど、共用部分の設備が充実していると高くなる傾向に。

●敷金

契約期間の家賃債務の担保(滞納時)として、先に預けておくお金。契約を終えて部屋を退去するとき、原状回復のためにかかった費用が引かれ、残りは戻ってくる。家賃1カ月分が目安だが、ペット可の物件などではさらにプラス1カ月分が追加されるケースも。

●礼金

物件の持ち主である大家さんに対するお礼として支払う費用。敷金のように返金されることはない。家賃1カ月分が目安だが、新築物件などではさらにプラス1カ月分が追加されるケースも。

●仲介手数料

物件を持ち主から直接ではなく、不動産会社を介して借りた場合、紹介料として支払うのが一般的。家賃1カ月分が目安。

●火災保険料

万が一、入居中に火災に遭った場合の保険。入居時に加入することになっているケースが多い。費用は2年間で2万円くらいが一般的。契約更新の際、またかかる。

●鍵の交換費用

前の入居者と次の入居者が同じ鍵を持つことがないよう、鍵を交換する際の費用。鍵の数や防犯性能の高さなどにより、だいたい1万5000円~2万5000円が目安。

●保証会社利用料

入居者が家賃を払えなくなった場合などのため、以前は親などが連帯保証人になることが一般的だったが、最近では保証会社を利用することを条件とする物件も増えている。初回保証料は月額総額(家賃・共益費)の50%、または100%のいずれかが多い。

また、一人暮らしスタート時にかかる「初期費用」は、賃貸契約にかかわる費用だけではない。家具・家電など新生活に必要なものをそろえたり、引越し会社に依頼したりといった金額も必要になってくる。思った以上にかかったという声も多いので、初期費用を抑える方法を次の章で詳しく解説しよう。

敷金・礼金など初期費用の種類と目安を解説
敷金・礼金などの初期費用は「家賃の4~5カ月分」とも言われるが、物件によって異なる(写真/PIXTA)

初期費用は家賃4~5カ月分かかるって本当? 抑える方法は?

敷金・礼金・一定期間の家賃がゼロになる物件を探す

前の章で解説したように、初期費用は家賃の○カ月分という設定で計算される項目が多いため、基本的には家賃が高い物件ほど初期費用も高くなる傾向に。一般的には、家賃の4~5カ月分かかると言われることもあるが、「エリアや物件などによって条件が違うことも多く、二極化してきています」と伊藤さん。

「都市部や『住みたい街ランキング』の上位に入るようなエリアは、礼金を設定していることも多いですが、一方、借り手が見つかりにくいエリアなどでは、敷金ゼロ・礼金ゼロの『ゼロゼロ物件』もここ数年で増えてきています。こうした物件を選ぶと、初期費用を抑えることができます」

【初期費用を抑える物件選びのコツ】

□ 敷金ゼロ・礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」を選ぶ
(人気のエリアでは少ないが、初期費用を大きく抑えることができる。ただし、敷金から原状回復費用を引くことができないため、入居時や退去時には部屋のクリーニング代などが別途かかる)

□ 家賃がゼロの期間がある「フリーレント」の物件を選ぶ
(一定期間の家賃が無料になる物件。契約開始日から1カ月分のケースが多い。借りる側としては安く借りられ、貸す側としては早く契約を済ませることでキャンセルを防ぐ目的もある)

このほかにも「初期費用をまとめて安くした『○万円パック』のような物件、家具家電付きの物件など、初期費用を抑えるための方法はいくつかありますが、大きく抑えられ、かつ探しやすいのは上の2つ」と伊藤さん。不動産会社に希望を伝える際は、ゼロゼロ物件、フリーレントの物件がないか聞いてみよう。

一人暮らしの初期費用
初期費用は物件によって大きく変わる(写真/PIXTA)

引越し&新生活スタートの諸費用もお忘れなく!

引越し、家具・家電は知人を頼ると0円の可能性も

物件の契約にかかる出費のほか、引越しや、新生活に必要な家具・家電をそろえるのにも費用がかかる。

引越しは「時期によって料金が大きく違います。繁忙期の2~3月などは、通常の倍ほどの料金になることも」と伊藤さん。また「物件を契約した不動産会社と提携しているところに頼むと割引がきくところもあります」。荷物の少ない一人暮らしなら、家族や友人に手伝ってもらえば費用を抑えられそうだ。

また、家具・家電は「一人暮らしセットのようなパッケージ商品も豊富に出ています」と一人暮らしアドバイザーの河野さん。例えばイケアでは、ベッドやチェストなどの家具・収納を8点合わせた「初めての一人暮らしセット」を2万8293円で販売している。

さらに「家具・家電は買わずにレンタルするという選択肢もあります」。例えば家具家電のサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」では「主張のないシンプルなベッド」(シングル)が1カ月990円で借りられ、初期費用を抑えることができる。「何を買えばいいかわからないという人がお試しをするのにもオススメです」

一人暮らしのベッド
左:イケア「初めての一人暮らしセット」のベッドフレーム「GRIMSBU グリムスブ」(写真提供/イケア)
右:CLAS(クラス)「主張のないシンプルなベッド」(写真提供/CLAS(クラス))

ほかにも、家具・家電はオークションサイトや知人を通じて譲ってもらうと、0円~で手に入れられることもあるので探してみよう。

一人暮らしの初期費用をシミュレーション 敷金・礼金の有無によって大きく違う

一人暮らしにかかる費用はいくらと一概に言えないが、家賃3段階ごとにシミュレーションしたので参考にしよう。

●人気エリアの新築物件で一人暮らしを始める場合

家賃7万円・共益費8000円/敷金2カ月・礼金1カ月/家具・家電は新品を購入

費用項目 金額
家賃(入居時) 70,000円
家賃(翌月分) 70,000円
共益費(入居時) 8,000円
共益費(翌月分) 8,000円
敷金 140,000円
礼金 70,000円
仲介手数料 70,000円
火災保険料 20,000円
鍵の交換費用 0円
保証会社利用料 70,000円
家具・家電 100,000円
引越し 50,000円
合計 676,000円

●一般的な物件で一人暮らしを始める場合

家賃6万円・共益費6000円/敷金1カ月・礼金1カ月/家具・家電はレンタル

費用項目 金額
家賃(入居時) 60,000円
家賃(翌月分) 60,000円
共益費(入居時) 6,000円
共益費(翌月分) 6,000円
敷金 60,000円
礼金 60,000円
仲介手数料 60,000円
火災保険料 20,000円
鍵の交換費用 20,000円
保証会社利用料 60,000円
家具・家電 10,000円
引越し 50,000円
合計 472,000円

●なるべく初期費用を抑える場合

家賃5万円・共益費4000円/敷金0カ月・礼金0カ月/フリーレント付き(契約日が当月1日の場合)/家具・家電は知人から譲渡/引越しは業者を利用せず自力で行う

費用項目 金額
家賃(入居時) 0円
家賃(翌月分) 50,000円
共益費(入居時) 0円
共益費(翌月分) 4,000円
敷金 0円
礼金 0円
仲介手数料 50,000円
火災保険料 20,000円
鍵の交換費用 15,000円
保証会社利用料 50,000円
家具・家電 0円
引越し 0円
合計 189,000円

物件によって異なるが、一人暮らしを始めるときは、引越し代や家具・家電の購入費用とは別に、初期費用で家賃の4~5カ月分がかかってもいいように心の準備を。家賃だけで「毎月払える」と判断する前に、初期費用を計算して資金を用意しよう。

まとめ

初期費用は大体家賃の4~5か月分かかる

引越し、家具・家電は知人を頼ると0円の可能性も

一人暮らしの初期費用をシミュレーションして資金を用意しよう

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取材・文/前川ミチコ
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