テラスハウスとは「長屋」のことだった! 物件の特徴、実際のお部屋をチェック

テラスハウスとは「長屋」のことだった! 物件の特徴、実際のお部屋をチェック

物件情報をチェックしていると、ときどき見聞きする、テラスハウスという言葉。人気テレビ番組の影響か、「男女が共同生活をするおしゃれなシェアハウス」といったイメージをもっている人も少なくないようですが、実は違うんです。テラスハウスとはどんな建物なのか、実際にどんな人が住んでいるのかを紹介します。

テラスハウスって何のこと?

テラスハウスとは、イラストのように、一戸建てがくっついて並んだような集合住宅のこと。建物の形態としては、いわゆる「長屋」と同じですが、最近は昔ながらの長屋のイメージとは打って変わってスタイリッシュな物件も増えてきているようです。

一戸建てとの最大の違いは、隣の家と壁を共有していること。それ以外は一戸建てのように独立したつくりになっています。また、アパートやマンションとの大きな違いは、住戸に直接出入りできること。建物全体の出入口(エントランス)や廊下・階段・エレベーターなどをほかの住人と共有しないつくりになっています。

似たような建物の形態として「タウンハウス」がありますが、こちらはテラスハウスのように敷地を分けず、住人で共有するスタイル。いずれにしても一戸建てと集合住宅の間をとったような住宅形態となっているので「一戸建て感覚で生活できる」などと言われることが多いようです。

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一戸建てとアパート・マンションの間をとったような「テラスハウス」(画像/PIXTA)
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一般的な一戸建てとマンション(画像/PIXTA)

テラスハウスの特徴は?

テラスハウスの大きなメリットは、一戸建て感覚で暮らせるのに、同様条件の一戸建てに比べて家賃が安いこと。隣家と壁を共有することで単純に外壁の面積が少なくなるうえ、電気・ガス・水道などのインフラもまとめて整備することができるため、建築コストが抑えられ、賃貸住宅としても家賃を安く設定できるのです。

住戸ごとに駐車スペースや専用庭が用意された物件なら、荷物の積み下ろしの多い家族や、ガーデニングを楽しみたい家族にとっても便利。また、上下階にほかの住戸がないため、子どもが走ったり跳ねたりといった上下階の生活音が気になる人にとっても、より快適に生活できそうです。

一方、デメリットとしては、隣家と壁を共有することにより、隣同士の生活音が気になることも。ただし最近は、隣家と接する面に収納を配置している、遮音性の高い壁を採用しているなど、設計や仕様に工夫のある物件もあります。

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上下階にほかの住戸がないテラスハウスでは、足音や椅子を引く音などで上の階から悩まされたり、下の階に気を使ったりすることも少ない(画像/PIXTA)

実際にテラスハウスに住む方のお宅を拝見!

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(写真撮影/片山貴博)

テラスハウス物件:東京都世田谷区『QUANDO』(企画・設計・監理/ブルースタジオ)
入居者:Dさん(デザイナー/45歳)、Sさん(会社員/33歳)カップル

――テラスハウスに住むことになったきっかけは?
「こだわりの不動産物件を紹介するSNSのページでこの物件を発見しました」とDさん。「黒い外観と格子戸のスタイリッシュなデザインに一目惚れして、さっそく彼女と内覧に。以前から、次に引越すときは一緒に住もうと決めていましたが、ふたりとも『ここがいいよね』と。それがたまたまテラスハウスでした」(Dさん)

――テラスハウスに住むにあたって、気になっていたことは?
「集合住宅のようにエントランスを通らず、道路からすぐ玄関なので、最初はセキュリティ面の不安がありました。でもそれ以上にデザインが気に入って決心したのですが、住んでみると取り越し苦労でしたね。道路に対してここまでオープンだと、常に近隣の目にさらされているから、かえって不審者は入りにくいと思います。

また、隣の方の生活音が聞こえたり、こちらから響いたりする不安も、すぐになくなりました。音って気持ちの問題なんですね。知らない人の音は気になるけれど、お互いに顔を知っていてあいさつをするような間柄になると、多少の音が聞こえても全然イヤじゃないんだなと実感しました」(Sさん)

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木の温もりあふれる格子戸を開けると玄関が(写真撮影/片山貴博)

――テラスハウスに住んで困ったこと&よかったことは?
「1階が玄関、2階がLDKと水まわり、3階が寝室と縦につながる間取りなので、階段移動は多いです。家を出てから忘れ物に気づいて戻ると大変なことになりますが、健康志向なのでそれほど苦になりません。それ以上に、階段で上下がつながることでの開放感、明るさ、コミュニケーションのしやすさが気に入りましたね。

部屋が壁で仕切られているのではなく、「階層」によって分かれていることで、大人同士の暮らしにほどよい距離が保てるんです。ふたりが別々の階にいると、お互いが視界には入らないけれど、なんとなく気配を感じたり、必要があれば声を掛け合える、というのは思った以上に快適でした」(Sさん)

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3つのフロアをつなぐオープンな階段が1階まで光を届け、コミュニケーションにも一役(写真撮影/片山貴博)
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2階のLDKは大きな窓に囲まれた明るい空間(写真撮影/片山貴博)
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2階にある浴室・洗面室・トイレはコンパクトにまとまっている(写真撮影/片山貴博)
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3階にある寝室は勾配天井を現した開放的な空間(写真撮影/片山貴博)
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寝室から出られるルーフバルコニーではガーデニングの楽しみも(写真撮影/片山貴博)

「また、一戸建てに近い暮らしなので、同じ建物の方だけでなく、地域の方とも自然に交流がもてますね。大雪が降ったとき、玄関前をチリトリで雪かきしていたら、近所の方がスコップを貸してくださったり。この辺りは地元の神社のお祭りでにぎわう街でもあるので、地域のイベントにも参加したいと思うようになりました。

もともとは外観デザインに一目惚れしたことで始まったテラスハウス生活でしたが、地域の人と触れ合ったり、季節の変化を感じたり、暮らしそのものを楽しみたいという気持ちが生まれてきたような気がします」(Dさん)

最初からテラスハウスに住みたいと思って探す人もいれば、Dさん・Sさんのように気になる物件がたまたまテラスハウスだったという人も。どんなきっかけ、どんな住居形態でも、大切なのは暮らしを楽しもうとする気持ち。固定観念に縛られず、さまざまな物件に目を向けてみると、意外な発見があるかもしれませんよ!

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取材・文/前川ミチコ
公開日 2018年07月27日
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