デザイナーズマンションとは? おしゃれで自慢したくなる賃貸物件を探すコツと注意点

手軽に住み替えできるのは賃貸マンションの長所。いつかはおしゃれなデザイナーズマンションにも住んでみたい……。探し方やメリット、注意点などをチェックして、憧れの住まいに暮らしてみませんか。

デザイナーズマンションと一般住宅の違い

一般的なマンションと比べると「個性的」「かっこいい」「おしゃれ」といったイメージがあるデザイナーズマンション。ちなみにSUUMOでは、「建築家が設計したもの」=「デザイナーズマンション」と定義しています。

ただし不動産会社によっては、建築家が設計、デザインを担当したというだけでなく、立地や敷地の魅力を最大限に活かしている物件を「デザイナーズマンション」と名付けているケースもみられます。

その結果、マンションの外観デザインはもちろんのこと、物件の周辺地域の景観も良いイメージになり、それがマンションの人気を後押しして多くの入居希望者が集まるといった良い循環が生まれているようです。

そこで、デザイナーズマンションを多く扱うリネア建築企画に、実際にどのようなデザイナーズ物件を扱っているのかを聞いてみました。例を挙げると、

・中庭やアプローチなど緑の多い共用部がある
・質感のある素材や無垢材が使われている
・梁や柱が出ず、天井高が高めで、窓が大きく開放的な室内空間である
・間取りのバリエーションが豊富にそろっている
・バルコニー、水まわりのサイズにゆとりがある
・物件デザインのオリジナリティーが高い

などの特徴が多いとのこと。「個性的」「かっこいい」「おしゃれ」などのイメージにつながります。

では、このような住まいに暮らすことで得られるメリットは何でしょうか。デザイナーズマンションを多く扱うタカギプランニングオフィスは次のように話します。

「建築家が趣向を凝らし、さまざまな敷地条件に合わせて設計した空間なので、つまりは“一点もの”。その部屋でしか体験できない暮らしを楽しめるので、家に帰るのが楽しみになると思います。また、同じマンションでもさまざまな間取りがあるため、

・ライフスタイルに合わせてマンション内で借り換えする人が多い
・住居だけでなく事務所としても幅広く活用できる物件もある
・間取りが流行に左右されないため、築年数に比べて新しく感じられる傾向がある

といった点もデザイナーズマンションならではないでしょうか」

さらにリネア建築企画も、

「表層的なデザインではなく、暮らしや心地よさの追求で生まれたデザインに共感する入居者が自然に集まってきます。新しい住まい方の発見や住人同士の新たなつながりを通じて、住まいや街がより魅力あるものに感じられると思います」

とのことでした。確かにデザイナーズマンションでは、一般的なマンションでは体験しづらいライフスタイルや時間を手に入れることができそうです。

(写真/PIXTA)

デザイナーズマンションの探し方、注意点

さて、デザイナーズマンションに特別な探し方はあるのでしょうか。

「デザイナーズマンション情報を中心に掲載しているインターネットサイトのチェックは、手軽で早道だと思います。部屋数も限られていますので、サイトで気になる物件を見つけた場合は、早めに問い合わせていただくことをお勧めします」(リネア建築企画)

「デザイナーズマンション住人の口コミ情報、建築家名、マンション名での検索からも有益な情報を得られると思います。賃貸マンション、アパートの引越しの一般的なピークは春ですが、デザイナーズマンションは、時期にかかわらず気に入ったお部屋があれば引越したいという方も多いので、日ごろからチェックしておくとよいでしょう」(タカギプランニングオフィス)

物件サイトをチェックする、というのは一般的な探し方と同じですが、数が少なく、人気が高いため、早めに行動することが大切なようです。

デザイナーズマンションを実際に見てみよう

最後に実際のデザイナーズマンションを3例ご紹介。建築設計者によってコンセプト、内外観のデザインは大きく変わります。あなたはどのマンションに住みたいでしょうか?
※募集の有無は時期によって異なるため、各会社にお問い合わせください

apartments F1/F2(アパートメンツ エフワン/エフツー)(タカギプランニングオフィス)

(画像提供/Masao Nishikawa)

「apartments F1」「apartments F2」は、隣接した2棟がひとつの風景になるように建てられた木造の2階建てアパートです。

2棟は街中の路地のような中庭を共有しており、各住戸までのアプローチには住人を迎え入れるように木々が植えられています。

1階住戸は天井高を確保し、水まわりの上部にロフトを設置。縦のボリュームで開放感のある空間となり、窓も縦に取ることで、上部からの採光を実現しました。

(画像提供/Masao Nishikawa)
(画像提供/Masao Nishikawa)

2階住戸は屋根の勾配を室内にそのまま表し、こちらも勾配の高い位置から採光を得ることができるため、室内ではほぼ一日中明るく過ごすことができます。内装には木目の目立つラーチ合板を使用して木造の魅力を引き立て、外壁には幅のあるサイディングを採用。シンプルで美しい外観となりました。

(画像提供/Masao Nishikawa)

建築年/apartments F1:2009年・apartments F2:2013年
所在地/神奈川県横浜市
建築設計/野口信彦/TPO設計室
交通/JR湘南新宿ラインほか大船駅徒歩10分
総戸数/apartments F1:8戸・apartments F2:8戸
間取り/1K~2LDK(1階のみロフト付き)
専有面積/26.10m2~43.27m2
賃料/7万円台~11万円台

HANEGI TERRACE(リネア建築企画)

HANEGI TERRACEは、間口の広い敷地に隣接し、南北に風が通り抜けます。南側は間口一杯のテラスと大きなサッシ、北側の共用廊下は凸凹の壁面と大きな庇で構成された立体的な縁側のよう。

各玄関横にゴルフバッグなども収納できる専用ロッカーを設置。3-4階のメゾネットは上下階にバルコニー、ハンモックを吊るフックなどが設置されています。4階まで上がると周囲に高い建物がないため抜け感のある景色が広がります。都内屈指の梅の名所「羽根木公園」まで徒歩すぐの環境も魅力。

建築年/2017年
所在地/東京都世田谷区
建築設計/川辺直哉建築設計事務所
交通/京王井の頭線東松原駅徒歩5分
総戸数/21戸(事務所4戸含む)
間取り/ワンルーム~3LDK
専有面積/32.26m2~115.40m2
賃料/12万3000円~37万3000円

三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller(荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所)

Photo by Masataka Nakano, courtesy of Arakawa + Gins Tokyo Office

内外装に14色の鮮やかな色が施され、各部屋の色の組み合わせがまったく異なることから「極彩色の死なない家」(瀬戸内寂聴氏)として、三鷹市のランドマーク的存在に。
物件名に「In Memory of Helen Keller」と付けられているのは、この住宅がヘレン・ケラーに捧げられているためです。

この家をつくった荒川修作とマドリン・ギンズは「視覚と聴覚に障害がありながら、障害者教育・福祉の発展に尽力した“奇跡の人”ヘレン・ケラーはまさに『天命反転』を実現した存在である」と考えました。

現在、一部は賃貸住宅に、一部は教育・文化プログラムを発信やショートステイ用の住戸に充てられています。不定期に見学会も開催されています。

Photo by Masataka Nakano, courtesy of Arakawa + Gins Tokyo Office
Photo by Ken Kato, courtesy of Arakawa + Gins Tokyo Office
Photo by Ken Kato, courtesy of Arakawa + Gins Tokyo Office

建築年/2005年
所在地/東京都三鷹市
建築設計/荒川修作+マドリン・ギンズ、安井建築設計事務所
交通/JR中央線武蔵境駅よりバス「大沢」下車徒歩1分
総戸数/9戸
間取り/2LDK~3LDK
専有面積/52.38m2~60.65m2
賃料/16万円~18万円

Reversible Destiny Lofts Mitaka-In Memory of Helen Keller, created in 2005 by Arakawa and Madeline Gins,Ⓒ2005 Estate of Madeline Gins.

個性的なデザインはもちろんのこと、マンションが立っている地域での存在感や、ほかの住人との交流など、一般的な賃貸物件とは異なる魅力をもつデザイナーズマンション。次の住まいの候補に加えてみてはいかがでしょうか。

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取材・文/保倉勝巳
公開日 2018年10月12日
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