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退職直後で次の就職先が決まっていない場合や、病気や育児、介護などで休職中の場合でも、引っ越しを余儀なくされるケースもある。しかし、無職や休職中の状況で賃貸物件を借りられるのかどうか、不安に感じる人は多いだろう。
実際、賃貸契約前の入居審査で不利になることもあるが、そのような場合でも契約することは可能だ。そこで本記事では、賃貸契約における入居審査の内容や、無職や休職中でも賃貸契約をスムーズに進める具体策について、不動産賃貸管理や仲介に携わる明光トレーディングの見解をもとに詳しく解説していく。
入居審査では、家賃の支払い能力があるか、トラブルを起こす心配がないかといった点を確認する。入居審査はオーナーまたはその物件を管理する不動産管理会社が行い、審査基準はオーナーや管理会社によって異なる。
一般的に入居審査は契約時に提出した書類をベースに判断され、借主の収入や勤務状況、信用情報が原因で審査に落ちてしまうことも。また、収入自体には問題がなくても、収入に対して家賃が高い場合には支払いが難しいと判断されることもあるので注意が必要だ。連帯保証人の支払い能力が十分でないと判断された場合、審査が通らないこともある。

賃貸契約を結ぶ際には、入居希望者が家賃を滞りなく支払えるか、安全に暮らせる人物かを判断するための「入居審査」が必ず行われる。
賃貸の入居審査は、オーナーや管理会社が「入居希望者が安心して暮らせるか、家賃をきちんと支払えるか」を判断するもの。多くの場合、申込書に記入した情報や提出書類をもとに審査される。
具体的には、勤務先や年収、勤続年数といった収入状況、過去の家賃やローンの支払い実績、さらには連帯保証人や保証会社の利用状況などが確認対象となる。特に、家賃の支払い能力はオーナーにとって最も重視されるポイントであり、収入が安定していることは前提条件だ。
その他にも、近隣トラブルを避けるため、人柄や生活態度がチェックされる場合もある。
賃貸の入居審査についてもっと詳しく→
賃貸保証会社の審査とは?審査の流れや落ちる理由について解説
入居審査では、申込者の身元や収入を確認するため、いくつかの書類が必要だ。一般的には、契約者の住民票や、印鑑登録証明書、収入証明書(源泉徴収票や給与明細)などが求められることが多い。
無職や休職中の場合は、現時点で収入がなくても、支払い能力があると判断されれば審査に通過することもある。そのため、失業保険受給証明書、預貯金通帳の写し、内定通知書など、支払い能力を示す資料を用意しておこう。
また連帯保証人がいる場合は、保証人の収入証明書や印鑑登録証明書も必要となる。書類不備があると審査が遅れたり、通過できなかったりする原因になりかねない。事前に必要書類を確認し、確実にそろえておくことが早期入居への近道だ。
入居審査は、前述のとおり、収入や支払い能力はもちろん、人柄や保証機関の有無といった点も考慮される。具体的にどのような点に注目すればいいのか、ここでは主な確認項目について詳しく見ていこう。
家賃が滞りなく支払われるかどうかは、家賃と入居者の年収とのバランスで判断される。一般的に、家賃は月収の3分の1以下であることが目安となり、例えば月収18万円であれば、家賃6万円程度が妥当だろう。収入が安定していない場合は、しばらくの間、家賃が支払える程度の貯蓄があれば、安定した支払い能力を示す材料となる。
なお、転職や就職が決まり、額面年収で審査に通った場合でも、その後の生活に支障が出ることがある。家賃だけでなく、光熱費や食費、通信費などの生活費を差し引いた上で無理なく支払えるかを考えることが大切だ。余裕を持った生活を送るためにも、家賃を決める際は手取り収入を基準にするとよいだろう。
また、過去の借入金やローン返済状況も確認される場合がある。滞納歴があると審査が不利になる可能性があるため、注意が必要だ。カードローンやクレジットの未払いがあれば、事前に完済しておくなど対策しておこう。
入居審査では、収入や支払い能力だけでなく、人柄や属性も重要な判断材料となる。具体的には、常識的な生活ルールに沿って暮らせる人物かどうかがポイントだ。
例えば、入居希望者が不動産会社で物件を探す際の態度や言葉遣い、相手に与える印象も見過ごせない。礼儀正しく、誠実な対応ができる人物であることは、オーナーや管理会社に信頼される材料になるだろう。逆に、予約や問い合わせへの対応が不誠実であったり、言葉遣いが乱暴であったりすると、審査に不利に働く可能性が高い。
さらに、職業や家族構成、居住歴などの属性も参考にされる。安定した生活基盤や過去の居住実績があることは、トラブルを起こしにくい人物として評価されやすい。
最近では、連帯保証人の代わりに「保証機関」の利用を条件とする物件が多い。保証機関とは、入居者が家賃を滞納した際に立て替え払いを行う仕組みであり、保証対象には家賃だけでなく、原状回復費用や違約金なども含まれる。万が一の際にも安心であるため、オーナー側にも入居者側にもメリットが大きい。
利用する保証機関は、オーナーや不動産会社によって指定されることが一般的で、物件を借りるためには保証機関の審査に通過する必要がある。審査では、本人の収入や勤務先、信用情報、過去の滞納歴などが確認され、クレジットカードやローンの延滞履歴があると不利になるケースも多い。
また、賃貸契約時には保証料を支払わなければならない。保証料は、敷金や礼金と同様に初期費用として請求されるのが一般的で、初年度の保証料は家賃の0.5~1カ月分程度が目安だ。さらに翌年以降には更新料が発生し、その金額は1~2万円程度である。
ただし、敷金とは異なり、保証料は退去時に返還されないため、入居者の金銭的負担がかかる点も理解しておこう。
保証会社についてもっと詳しく→
賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?連帯保証人がいる場合は?賃貸保証料の値下げは可能?
無職や休職中で物件を借りることは、確かに不利な一面はあるものの、必ずしも賃貸契約が難しいわけではない。ここでは、審査を有利に進められる方法があることを知っておこう。
分譲賃貸などでは、各住戸で不動産管理会社が異なるケースもある。不動産管理会社によって入居審査の基準が異なるため、同じ物件でも住戸によっては審査結果に違いが生じることも。
無職や休職中の場合は、物件サイトから物件を選ぶよりは、無職や休職中の人も入居者対象にしている不動産管理会社の物件から選んだほうが効率的に条件の合った物件を見つけることができる。まずは不動産会社の店舗などの窓口で直接事情を説明したうえで、対応可能な物件を紹介してもらおう。
無職や休職中の場合、今は収入がなくても預貯金を提示することで入居審査における家賃の支払い能力を示すことも可能。預金額が高いほど審査は通りやすくなる。一般的に、家賃の2年分程度の預貯金額があると審査を通過しやすくなる。

無職や休職中であっても、家賃をまとめて前払いすることを条件に賃貸契約を結んでくれる不動産会社もある。預貯金に余裕がある場合は、不動産会社に相談してみよう。
連帯保証人が立てられないというケースの場合、家賃保証会社を利用することで物件が借りやすくなることも。だが、無職や休職中は使える保証会社の選択肢が限られるのが実状だ。
家賃保証会社とは、賃貸物件の借主が家賃を支払えなくなった場合に、不動産会社やオーナーへの支払いを保証してくれる会社のこと。家賃保証会社の利用が条件になっている場合も多く、現在は個人契約のほとんどは家賃保証会社の利用が条件になっている。
家賃保証会社を利用する場合には利用料がかかり、初期費用の支払金額が上乗せされるので注意しよう。また、家賃保証会社を通す場合にも、過去に家賃滞納などの実績がないかどうか審査される。
家賃保証会社を利用せず、連帯保証人を立てる場合は、収入が安定していて、家賃に見合った支払い能力がある連帯保証人を立てることで、入居審査が通りやすくなることもある。しかし、それでも本人名義で入居審査が通らない場合は、親や兄弟など家族の名義で賃貸契約をするのも一つの手段だ。
無職や休職中に物件を借りる場合は、生活費や将来の支出を見越して、無理のない家賃設定の物件を選ぶことが望ましい。さらに家賃が安い物件は、収入が一時的にない場合でも支払い能力に対するハードルを下げられるため、審査通過にも有利に働きやすいだろう。
例えば、ワンルームや築年数が経過した物件、駅から離れた場所は、比較的家賃が安いものが多い。また、初期費用もできるだけ抑えたいなら、敷金・礼金ゼロの賃貸や、契約開始から一定期間家賃が無料となるフリーレント物件を選ぶのがオススメだ。
家賃の低さや初期費用の軽減策を組み合わせて検討することで、経済的負担を減らせるだけでなく、心理的な安心感も得られるだろう。
不動産業界には繁忙期と閑散期があり、閑散期は比較的スムーズに契約しやすい時期に当たる。
特に5~7月は引っ越し希望者が少なく、閑散期は貸主にとっても空室を早く埋めたい時期であるため、家賃交渉や初期費用の相談に応じてもらえる可能性が高い。繁忙期に比べて競争率も低く、審査に不安がある無職や休職中の方でも入居できるチャンスが広がりやすいのもメリットだ。
ただし、物件数は繁忙期に比べて減る傾向にあり、希望通りの物件を探すのに難航する場合もある。駅からの距離や築年数などに優先順位をつけ、多少の妥協を意識すれば選択肢を広げやすい。
前章で述べたように、無職や休職中であっても工夫次第で賃貸契約は可能だ。しかし契約をよりスムーズに進めるためには、オーナーや不動産会社からの信頼を得ることが重要である。
ここからは、クレジットカードなど決算時の注意点や、一時的な収入確保の方法など具体的な対策を紹介しよう。
入居審査では月々の家賃を滞りなく支払えるかどうかを重視される。少しでも可能性を広げるためには日常での支払いを滞らせないことが重要だ。毎月のクレジットカードや携帯料金などの支払いの延滞が続くと、審査が通らなくなることも。特に、最近ではスマートフォンの機種代や美容医療などの分割払いや、アプリでのチャージを後払いにするなど決済方法が多様化しているので、引き落としが滞らないようにしよう。

セーフティネット住宅とは、「住宅セーフティネット制度」に基づき登録され、高齢者、障害者、子育て世帯など住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅のこと。入居者の負担を軽減するための支援が用意されており、住宅補助もあるため条件が整えば安価で借りることができる。連帯保証人を立てられない場合でも、国に登録している適正な業者から家賃債務保証サービスを受けることが可能だ。
現状は対象物件が少ないが、条件に当てはまる物件があるかどうかチェックしてみよう。
住宅決定後には引越し代も含めると、まとまった金額の初期費用が必要になる。自治体によっては、総合支援資金や住宅確保給付金などの制度が利用できることもあるので、それを初期費用として充てられる場合も。
社会福祉協議会とハローワークなどによる支援を受けながら、社会福祉協議会から生活支援費や住宅入居費、一時生活再建費などの貸付けを受けられる貸付制度のこと。
休業等に伴う収入の減少により、住居を失うおそれが生じている場合に原則3カ月、最大9カ月の家賃相当額が支給される制度となっている。
その他にも、自治体によっては独自の助成金があることもあるので、貸付条件や給付条件を満たしているものがあるかどうか、各自治体のHPなどで確認しよう。

無職や休職中の場合、家賃支払い能力の観点で入居審査が厳しくなってしまうことが多いが、一時的にアルバイトをするだけでも定期的な収入があると判断されて入居審査が通りやすくなることも。次の仕事を探しているものの転職先が見つからないというようなケースであれば、物件の選択肢は広がる。
このように、無職や休職中の場合は入居審査のハードルが高くなるケースが多いが、預貯金審査や家賃保証会社を利用するなど賃貸契約ができる方法はある。どのようなアプローチであれば入居審査が通るかを検討し、不動産会社に相談するのが一番の近道だ。
また、無職や休職中に引越しが必要になることは誰にでも可能性がある。月々のクレジットカードの支払いやローンの支払いなどが滞らないように心がけよう。
賃貸の入居審査とは、入居希望者が家賃を滞りなく支払えるか、日常生活でトラブルを起こさず秩序を守れる人物がどうかを判断する審査のこと
無職でも、家賃をまとめて前払いする契約方法や、家賃の2年分程度の預金を提示すると審査に通りやすい
万が一のトラブルに備え、家賃の保証機関を利用しておくと安心
家賃の安い物件、初期費用が抑えられる物件、不動産の閑散期(5~7月)を狙うと、契約につながりやすい