家賃が払えない。新型コロナ影響による生活不安、知っておきたい援助まとめ

家賃が払えない。新型コロナ影響による生活不安、知っておきたい援助まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大と自粛要請にともない、生活全般に影響が広がっている。勤務先が休業になったり、会社の経営状況が悪化したりするなどで、生活不安を抱える人も増えているようだ。ここでは、生活費のなかでも大きな割合を占める家賃など住居費関連を中心に、新型コロナウイルスの感染拡大状況下での生活を支援してくれる制度を紹介しよう。

新型コロナ影響による生活支援にはどんな制度があるの?困りごと別一覧

新型コロナウイルスの影響による生活不安への支援策としては、家賃の援助や安価な賃貸住宅の提供など、住居関連の制度のほか、生活資金の貸付や公共料金・税金の支払猶予など生活全般の制度がある。それぞれの制度について見ていこう。

【家賃の援助など住居関連の支援策】
困りごと 制度名など
1 賃貸住宅の家賃が払えない 住居確保給付金
2 安価な賃貸住宅に住み替えたい セーフティネット住宅
【生活資金の借り入れ】
困りごと 制度名など
3 休業・失業などで生活資金が足りない 生活福祉資金貸付制度
【公共料金支払い・納税の猶予】
困りごと 制度名など
4 電気・ガス・水道・電話料金が払えない 各企業・自治体による個別対応
5 各種税金が払えない 国や自治体による納税猶予

家賃の援助など住居関連の支援策

1. 住居確保給付金

まず家賃の支払いを援助してくれる制度が「住居確保給付金」だ。失業などで生活が困窮し、家賃の支払いが困難になった人に家賃相当額の給付金を支給するというもの。家賃が支払えなくなり、すでに住む家を失ってしまった人も対象となる。

対象となるのは離職・廃業から2年以内の人とされていたが、コロナ対策で「休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある」人も受けられるようになった。つまり仕事に就いたままでも受給できるようになったのだ。

例えばスポーツジムの休業で勤務日数が減ったインストラクターや、アルバイト先の休業でシフトがなくなった人なども含まれる。これらは一例なので、自分が対象になるかどうかは窓口で確認してほしい。

申し込みは地域の自立相談支援機関が窓口となるが、コロナ対策として当面の間は窓口に出向かなくても、郵送などで申請書の提出が可能だ。申請書は各自治体のHPからダウンロードできる。またこれまではハローワークへの求職申込が必要だったが、それも2020年4月30日から当面の間は不要となった。

手続きが完了したら、申請した月(郵送の場合は消印日、窓口予約の場合は予約申込日が申請日となる)の家賃分から、賃貸人(大家)や管理会社の口座に給付金が直接振り込まれる。

給付金の対象が拡大されたことで、居住者から管理会社への問い合わせも増えているという。もし家賃の支払いが苦しくなっている場合は、大家や管理会社にも早めに連絡して給付金の受給を検討していることを伝えよう。

また、制度については、厚生労働省内の「住居確保給付金相談コールセンター」に問い合わせることができる。

<住居確保給付金相談コールセンター>
0120-23-5572
受付時間:9:00~21:00(土日・祝日含む)
※2020年5月21日(木)から開始

■住居確保給付金の概要

<対象者>
離職・廃業から2年以内または休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある人

<支給要件>
・収入要件:世帯収入合計額が、市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12+家賃額(住宅扶助特別基準額が上限)を超えないこと
〔東京23区の目安(月額)〕

単身世帯 2人世帯 3人世帯
13.8万円 19.4万円 24.1万円

・資産要件:世帯の預貯金の合計額が、以下を超えないこと(ただし100万円を超えない額)
〔東京23区の目安〕

単身世帯 2人世帯 3人世帯
50.4万円 78万円 100万円

<支給期間>
原則3カ月(最長9カ月まで延長可能)

<支給額(上限)>
〔東京23区の目安〕

単身世帯 2人世帯 3人世帯
5万3700円 6万4000円 6万9800円

<申込窓口>
市町村の自立相談支援機関

<申請に必要なもの>
・生活困窮者住居確保給付金支給申請書 (自治体HPを確認)
・生活困窮者住居確保給付金申請時確認書 (同上)
・本人確認書類 (運転免許証、個人番号カード、パスポートなど)
・離職関係書類 (雇用保険被保険者離職票、勤務先からの休業を命じる文書など)
・収入関係書類 (給与明細書、預貯金通帳など)
・金融資産関係書類 (預貯金通帳、ネットバンク明細書など)
・入居住宅に関する状況通知書 (自治体HPよりダウンロード)
・住居の賃貸借契約書の写し (現在の契約が確認できるもの)

<記入例>
生活困窮者住居確保給付金支給申請書 記入参考例(東京都港区)
生活困窮者住居確保給付金申請時確認書 記入参考例(東京都港区)

厚生労働省「住居確保給付金の支給対象の拡大に係る生活困窮者自立支援法施行規則の改正予定について」より転載
出典/厚生労働省「住居確保給付金の支給対象の拡大に係る生活困窮者自立支援法施行規則の改正予定について」より転載(画像作成/SUUMOジャーナル)

2. セーフティネット住宅

このほか、住宅確保が困難な人の入居を拒まない賃貸住宅として、「セーフティネット住宅」がある。

「住宅セーフティネット制度」とは低額所得者(月収15万8000円以下の世帯)や被災者、高齢者、障害者、子育て世帯などの「住宅確保要配慮者」が入居できる賃貸住宅を登録した賃貸人(大家)に対し、改修費や家賃引き下げのための補助を行うというものだ。

この制度に登録した「セーフティネット住宅」なら、生活に困窮した人が低い家賃で借りられるケースがある。新型コロナの影響で収入が減ってしまった場合は、賃貸住宅管理会社などに相談してみよう。セーフティネット住宅のホームページで物件を探すこともできる。

■セーフティネット住宅の概要

<対象者>
・低額所得者(月収15万8000円以下の世帯)
・被災者(国土交通大臣が指定する災害の被災者)
・高齢者
・障害者(障害者基本法に規定する障害者)
・子育て世帯(18歳未満の子どもがいる世帯)
・その他(外国人、生活困窮者など)

<問い合わせ先>
・賃貸住宅管理会社
各地域の居住支援法人居住支援協議会
セーフティネット住宅情報提供システム

生活資金の借り入れ

3. 生活福祉資金貸付制度

生活に困窮した人向けに小口資金を貸し出す制度として生活福祉資金貸付制度があるが、新型コロナウイルスの影響で生活資金に困っている人向けに緊急小口資金などの特例貸付を行っている。

制度は主に休業で収入が減少した人向けの「緊急小口資金」と、主に失業した人向けの「総合支援資金」の2タイプ。どちらも無利子で借りられて保証人は不要だ。申込窓口は市区町村の社会福祉協議会だが、緊急小口資金については労働金庫でも受け付ける。

■緊急小口資金(特例貸付)の概要

<対象者>
新型コロナウイルスの影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯

<貸付上限額>
・学校等の休業、個人事業主等の特例の場合:20万円以内
・その他の場合:10万円以内

<据置期間>
・1年以内

<償還期間>
・2年以内

<貸付利子・保証人>
・無利子・保証人不要

<申込先>
市区町村社会福祉協議会または労働金庫

■総合支援資金の概要

<対象者>
新型コロナウイルスの影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯

<貸付上限額>
・2人以上の世帯:月20万円以内
・単身世帯:月15万円以内
貸付期間:原則3カ月以内

<据置期間>
・1年以内

<償還期間>
・10年以内

<貸付利子・保証人>
・無利子・保証人不要

<申込先>
市区町村社会福祉協議会

公共料金支払い・納税の猶予

4. 電気・ガス・水道・電話等、各企業・自治体による個別対応

また、電気、ガス、水道などの料金については、各事業者や自治体が支払いの猶予や減免などに応じている。利用者から申し出ることが原則だが、上記の生活福祉資金貸付を受けることが条件となる場合もある。なお、大阪市では手続き不要で7~9月検針分の上下水道料金の基本料金を全額免除すると発表した。

●電気・ガス料金
経済産業省は、電気事業者・ガス事業者に対して以下の対応を要請している。

<猶予の内容>
・利用者の申出により、料金の支払期日を1カ月繰り延べ。その後についても利用者の状況に応じて柔軟に対応する。

<対象者>
・新型コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急小口資金または総合支援資金の貸付を受けた人で、一時的に電気料金の支払いが困難になっている人。

<問い合わせ先>
・電力事業会社・ガス事業会社

●電話・携帯電話料金
総務省は、電気通信事業者に対して、固定電話・携帯電話等に係る料金の支払期限延長等の実施について要請している。

<猶予の内容(一例)>
・支払期限が2020年2月末日以降となっている料金について、利用者の申出により、同年5月末日まで延長。今後の状況を踏まえ、期限の延長も検討。

<対象者>
・新型コロナウイルス感染拡大の影響により、料金の支払いが困難になっている人。

<問い合わせ先>
・電話・携帯電話会社

●水道料金(東京都の場合)
各自治体により、水道料金の減額や支払い猶予等に応じている。

<猶予の内容>
・申出日から最長で4カ月、支払いを猶予。
<対象者>
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一時的に上下水道料金の支払いが困難になっている人。
<問い合わせ先>
・各自治体水道局

5. 国や自治体による納税猶予

このほか、納税が困難な場合、下記の要件を満たせば納税が猶予される特例制度が受けられる。対象となるのは所得税や法人税、消費税などほぼすべての国税で、2020年2月1日から2021年1月31日までに納期限が到来する税金だ。猶予期間は1年間で、担保提供は不要。延滞税もかからない。

■納税猶予の概要

<納税猶予が受けられる要件>
以下1、2のいずれも満たす人(個人法人の別、規模は問わない)。
1.新型コロナウイルスの影響により、2020年2月以降の任意の期間(1カ月以上)において、収入が前年同期に比べておおむね20%以上減少していること
2.一時に納税を行うことが困難であること

<申請手続>
・関係法令の施行から2カ月後、または納期限のいずれか遅い日までに申請が必要。
・申請書のほか収入や現預金の状況が分かる資料を提出。難しい場合は口頭でも可。

<問い合わせ先>
国税庁
・各自治体

経済状況の悪化により家賃の支払い等に困っている場合、これらの貸付制度や支払い猶予が家計の一助となるだろう。まずは自分が対象者に当てはまるかを確認し、申込先に相談しよう。

まとめ

新型コロナ影響により、「賃貸住宅の家賃が払えない」場合の支援制度は、住居確保給付金。「家賃の安い賃貸住宅に住み替えたい」場合はセーフティネット住宅を調べてみよう

「休業・失業などで生活資金が足りない」場合は、生活福祉資金貸付制度の申請を

各企業・国や自治体による個別対応による、公共料金支払い・納税の猶予がある場合もある

文/住宅ジャーナリスト 大森広司
住宅問題の取材・執筆に取り組んで30余年。SUUMO新築マンションのNEWS記事などで情報発信中。

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公開日 2020年05月20日
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