賃貸物件から退去!敷金で損をしないための知識や掃除のポイント、連絡から退去までの流れを紹介

賃貸物件から退去!敷金で損をしないための知識や掃除のポイント、連絡から退去までの流れを紹介

賃貸物件から退去するとき、どのようなスケジュール・流れで進めたら良いのでしょうか。この記事では、退去の連絡をするところから、管理会社や大家さんに確認すること、鍵の受け渡し、退去時の掃除、敷金の精算など、退去までにやるべきことを紹介します。また、敷金の金額にかかわる原状復帰と経年劣化の違いについても紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

賃貸退去の流れ

賃貸を退去するときの大まかな流れは以下の通りです。

1. 退去の意思を連絡する
2. 退去届などの必要書類の手続きを行う
3. 引越し日・退去立ち会い日の連絡をする
4. 退去前の掃除と引越し作業を行う
5. 退去立ち会い・鍵の受け渡しを行う
6. 敷金精算

それぞれの項目でやること、知っておいた方が良いこと、タイミング、損しないためのポイントなどをカエルホームズの木津雄二さんにうかがいました。

1. 退去の意思を連絡する

退去の意思は決まった時点で伝えるのがベスト

賃貸を退去したいと思ったら、どのタイミングで連絡すれば良いのでしょうか。引越し日などが決まっていなくても退去の意思が決まった時点で管理会社や大家さんに連絡をするのがベスト。その理由は2つあります。

スマートフォンで通話する女性
退去が決まったら、速やかに管理会社や大家さんに連絡を(画像/PIXTA)

1.賃貸の解約予告期間

基本的に賃貸契約には、解約予告期間というものが定められています。「解約(物件の退去)をする場合〇カ月前に管理会社や大家さんに予告をすること」といった決まりです。例えば、解約予告期間が1カ月と定められていて、12月1日に退去したい場合、遅くとも11月1日には管理会社や大家さんに退去の予告をしなければなりません。1カ月前や2カ月前のことが多いですが、契約書によるので確認しましょう。

「退去の予告」は、電話連絡で良い会社もあれば、解約通知書という書類を送らなければならず、その書類が到着した日が退去の予告日となる会社もあります。こちらも契約によって異なるので、契約書を確認するか、管理会社や大家さんに聞いてみましょう。

例えば、解約予告期間は退去日の1カ月前なのに、2週間前に連絡した場合、契約によってはのこり2週間分の家賃を請求される可能性もあります。退去の連絡は、遅くとも解約予告期間を過ぎないよう注意しなければなりません。

2.退去前にやらなければならない手続きの確認ができる

退去が決まったら、賃貸契約解約の書類を提出したり、退去立ち会いのスケジュールを決めたりなど、やることがたくさんあります。直前になってあせらないように、退去時のフローを管理会社や大家さんに確認しましょう。こちらも早い方がバタつかずに済みます。

退去日の決め方 入居と退去のタイミングを合わせるのが損しないポイント!

退去日は、急な事情がない限り二重に家賃が発生しないように選びましょう。新居への入居日が12月1日だったとして、旧居の退去日が12月10日だと、10日分の家賃を日割りで支払うことがほとんどです。契約によっては、旧居の家賃を12月分まるまる支払わなければならない場合も。

物件探しはスケジュール通りに進めるのが難しいものですが、入居日と退去日の差はあまり広がらないように気をつけましょう。

退去の意思の連絡時に管理会社・大家さんに確認するべきこと

せっかく早めに連絡できても、必要な手続きが抜けていると退去直前にバタバタします。そんな事態を防ぐためにも、退去の連絡をするタイミングで以下のポイントは確認しておきましょう。

・退去月の家賃は全額か日割りか
・引越し日、退去立ち会い日はいつまでに決めれば良いか
・必要な書類や手続きは何があるか
・敷金精算の流れはどうなっているか(精算額がいつごろ決定していつごろ振り込まれるのか)
・返却する鍵の種類と本数

退去までにすべきことがわかったら、不備がないようにいつ行うかスケジュールを決めて、計画的に進めていきましょう。

2. 退去届など必要書類の手続きを行う

賃貸を退去するときは、電話での連絡だけでなく、退去届(賃貸物件の解約通知書)を提出しなければならない場合がほとんどです。電話だけで済むパターンもあるので、退去の連絡をするときに管理会社に確認しておきましょう。

退去届は、入居するときに受け取った書類の中に入っていることが多いです。退去届には、氏名、電話番号などの基本的な情報から、引越し先の住所、転居理由などを記入します。

封筒に入った書類
退去の際には書類の提出も必要になる場合がほとんど(画像/PIXTA)

3. 引越し日・退去立ち会い日の連絡をする

引越しをする日や退去立ち会いをお願いしたい日が決まったら、管理会社や大家さんに連絡しましょう。遠方に引越す場合、引越しが終わってから旧居に戻るのは大変です。引越し当日の荷物がすべて運び出されたあとに退去立ち会いをするスケジュールがオススメです。

希望の日時に退去立ち会いしてもらうためには、希望日の何日前に連絡をしておけば良いのでしょうか。退去立ち会いしてくれる会社の規模や、引越しの繁忙期かどうかなどにも寄るのですが、希望日の2週間ほど前であれば希望が通る可能性が高いです。

遠方に引越すなど、どうしても希望日時をずらせない場合は、代理人に退去立ち会いを依頼する方法があります。また、「遠方に引越してしまうので、退去立ち会いはどうしても引越し当日にしたい。引越し日が決まったらすぐに連絡します」などと事前に伝えておけば、管理会社の方でも配慮してくれるかもしれません。

電話しながらメモをとる女性
退去の立ち会いは引越し当日に合わせるのがオススメ(画像/PIXTA)

退去立ち会い日を決める、引越し費用で損しないポイント!

新居からわざわざ訪れる手間がかからないので、引越し→掃除→退去立ち会いが1日で済むようなスケジュールがオススメです。ですが、午前中の引越しは高い傾向にあるので、繁忙期を避ける、平日に引越す、相見積もりをとって比較するなどできる限り工夫しよう。

4. 退去前の掃除と引越し作業を行う

荷物の梱包や、役所の手続きなどを済ませて引越しをします。失敗しない流れはこちらの記事で確認してください。

引越し手続きのチェックリストについてもっと詳しく
引っ越しの手続きでやっておくべきチェックリスト

ところで、引越し前の掃除は、どこまでしたら良いのでしょうか。退去後にクリーニングされることを考えると、掃除は必要ないのでしょうか。

木津さんによると、「結論から言うと、掃除はする必要があります。ですが、家中がピカピカになるような特別な清掃をする必要はありません。どれだけピカピカにしたとしても、プロが改めてクリーニングに入りますし、その費用は退去者か次の入居者に請求されます。どちらに請求するかは契約によって違いますが、新しく入居する人の負担になることが多いです。

例えば契約書の特約で、クリーニング代が退去者の負担となっていたとします。家中がピカピカになるまで掃除をして退去したとしても、クリーニングがなくなるということはありません。そのため、クリーニング代の節約のための特別な清掃は不要です」

それでは、掃除をせずに退去した方が楽に感じてしまいますが、何か問題があるのでしょうか。

「クリーニングが入るなら掃除なしで退去してしまっても問題がないのかというと、そういうわけではありません。退去時だけではなく入居期間すべてに言えることですが、入居者は物件の維持管理をする義務があります。常識的な範囲の掃除は常にしておかなければならないのです。

例えば、浴室の換気や掃除をちゃんとしていなくてカビが生えている場合は、入居者の過失として費用を請求される場合があります。入居期間中と退去時には、カビや汚れを落とすといった一般的な掃除をしておくようにしましょう」

引越し後の掃除をする人
退去前には常識的な範囲での掃除を(画像/PIXTA)

賃貸物件の原状回復と経年劣化、境界線はどこ?

入居者には原状回復義務がありますが、普通に生活していてついてしまう汚れや傷(経年劣化)と、入居者が負担しなくてはいけないものの境界線はどこにあるのでしょうか?

「普通に生活していてどうしても起きてしまう劣化は、経年劣化とされて入居者の負担になりません。例えば、冷蔵庫を長期間置いておくと、どうしても壁に黒ずみができます。これは冷蔵庫を置く以上避けようのないことなので、入居者の負担にはならないのです。

ですが、清掃を怠ったことで床にシミができたり、子どもが壁に落書きをしたりしたら、入居者負担で修理しなければなりません。
また、定期的な掃除をしていて、普通の生活を送っていても劣化してしまう分は経年劣化。汚れを放置する、落書きをするなど入居者が起因のものは入居者負担で原状回復することになります。基本的には、国土交通省のガイドラインや、都道府県が定めている条例に基づいて精算が行われるので、そちらを一読しておくと安心です」と木津さん。

入居者負担となる修理で、よく発生するもの

それでは、入居者負担となる修理項目で、よく発生するものは何でしょうか。

「換気をしていなくて浴室にカビが生えている、布団を敷きっぱなしにして床にカビが生えている、椅子やテーブルの脚が床に傷をつけてしまっているなどがありますね。退去前に急に掃除をするのではなく、入居中からの予防が大切です。
ちなみに、高額になりがちなものとして、建具(たてぐ)の損傷があります。建具とはドアやクロゼットの扉などのことなのですが、こちらに傷をつけてしまうと建具全体を取り換えることになるため、高額になることが多いです」

経年劣化で壊れたものの修理代は誰が支払う?

経年劣化で壊れたものの修理代はどこから引かれるのでしょうか。

木津さんによると「経年劣化で壊れたものの修理代金は、貸主の負担になります。ただし、入居者の方は、設備が壊れたら管理会社や大家さんに報告する義務があります。換気扇が経年劣化で壊れた場合、換気扇の修理代は入居者の方の負担にはなりません。ですが、そのことを報告せずにいて物件にカビが発生したら、入居者の方の過失扱いとなり、退去時に清掃料金を請求されます」とのこと。入居中から自宅の設備の状態は気にするようにしておきましょう。

退去前の掃除で損しないポイント!

入居者負担となるような汚れや傷を残さないためには、普段から掃除を怠らないことが大切です。
普通に掃除で落とせるような場所のカビや、水まわりの水垢、コンロや換気扇のすす、油などは入居者がきれいにする義務がある部分です。プロがやるような大掛かりな清掃をする必要はありません。

入居者負担になるようなケースと、その中でも特に修理費用が高額になるものをまとめました。

●入居者負担になるケース

・換気不足で浴室にカビが生えた
・布団を敷きっぱなしにして床にカビが生えた
・椅子やテーブルの脚で床に傷をつけてしまっていた
など

●修理費用が高額になるもの

・ドアやクロゼットの扉などの建具の損傷

入居者負担になるような汚れや傷は普段から気をつければ防げるものばかりです。入居者負担になるケースを頭にいれておき、いつものお掃除のルーティンに入れたり、汚れや傷のつきにくい使い方をしたりしましょう。そうすれば、退去前には普段通りのお掃除をすればOKです。

5. 退去立ち会い・鍵の受け渡しを行う

退去の立ち会いでは、管理会社の担当者や大家さんと一緒に部屋の状態を見ます。所要時間は、物件の大きさにもよりますが20~40分程度です。退去立ち会いのときには、部屋の修理が必要な場所を確認し、修理費用を誰が何割負担するかなどを決めていきます。この段階では、負担する金額まではわかりません。もし、入居したときからついていた傷の修理が自分の負担になりそうなときは、もとからついていた傷だとしっかり主張しましょう。

基本的には退去立ち会いのあとに鍵を返却し、もう物件の中には入れなくなります。荷物の運び出しだけではなく、電気・ガス・水道の解約、郵便物の転送届なども退去立ち会い日までに済ませておくのがおすすめです。

返却する鍵の種類と本数は事前に確認を

また、鍵の受け渡しの前に、返却する鍵の種類と本数を確認しておきましょう。普段使っている鍵以外にも、入居時にスペアキーを渡されている場合があります。部屋のドアの鍵1本の場合もあれば、オートロックの鍵と部屋のドアの鍵それぞれ2本で計4本の鍵を返却する場合もあります。もし鍵を紛失していたら、その費用を請求されることがあります。

家具のない部屋
荷物の運び出し、掃除、ライフラインの解約などは退去立ち会い前に済ませる(画像/PIXTA)

退去立ち会い時に起こりやすいトラブル

退去立ち会いでは、修理代の負担割合を決める場であることからも、トラブルが発生しやすくなります。
よく聞くトラブルや心配だと思われる点を紹介します。

入居中に壁の一部を汚してしまい、部屋全体のクロスの張り替えを請求された場合。部屋全体のクロスの張り替え分を支払わなくてはいけないのでしょうか。

「基本的には、クロス(壁紙)の一部が汚れた場合、その一面を張り替えることになっています。クロスは、つぎはぎのように一部分だけ張り替えるということができません。壁の面の部分にクロスの切れ目が入らないよう、汚れや傷がついたらその一面を張り替えるのが普通です。
一面だけしか汚れていないのに一部屋全体を張り替える費用を請求された場合は、管理会社に説明を求めた方が良いかもしれません」と木津さん。腑に落ちないことがあったら、自分で納得できるまで説明をお願いしましょう。

きちんと掃除をしていたものの、長い間住んでいたのでどうしても全体的に傷や汚れが出来てしまった。すべて元通りにするにはかなりお金がかかりそうな気がして心配です。

「人が住んでいる建物は、年数とともに必ず劣化して価値が下がっていきます。なので、入居したときのきれいさまで回復させる義務はありません」と木津さん。

「どのくらいの月数でどのくらい劣化するのが普通と考えられているかというと、入居月数×1.25%のペースで価値が下がるという考え方が一般的です。6年で価値が0になるという計算になります。(10年で0になると考えるパターンもあります)例えば壁のクロスをひっかいて傷つけてしまったけれど、入居期間が6年ある場合、入居者はクロスの費用を負担する必要はありません。ただ、負担しなくてよいのは材料費のみです。当然クロスの張り替えは職人さんが来て作業をするので、職人さんの人件費がかかります。それは入居者の方の負担になります」

退去の立ち会いで損しないポイント!

もとからあった傷や汚れはしっかり説明しましょう。入居前に写真や動画を撮っておくと安心です。次の新居からでも実行してみてください。
また、退去立ち会いは立会人任せにせず、事前に契約書やガイドラインを確認しておきましょう。

6. 敷金精算

契約によりますが、物件の退去時、入居時に払った敷金から物件の原状回復にかかった費用を引いた金額が返還されます。逆に原状回復にかかった費用が敷金よりも高い場合、追加請求が発生することもあります。

敷金の振込先は、退去届に口座を記載し、そこに振り込んでもらうパターンが多いとのこと。

敷金がいくら返ってくるのかは、いつわかるのでしょうか。また、決まった金額はいつ振り込まれるのでしょう。

「退去立ち会いで負担の割合がきまったら、次は修理工事の見積もりが必要になります。工事の見積もりは、管理会社さんが提携している業者さんとやるので、入居者の方はなにもしなくて大丈夫です。
工事の見積もりはだいたい1週間ほどで終わり、管理会社さんは退去立ち会いで決めた負担の割合と工事の見積もりをもとに、入居者さんの負担額を計算します。
入居者の方に、戻ってくる敷金の金額が知らされるのは、おおむね退去立ち会いから2週間後くらいです。そして敷金の振り込みがあるのは、退去から1カ月後くらいになることが多いですね」(木津さん)

通帳と電卓
敷金の振り込みは退去から1カ月後くらいが一般的(画像/PIXTA)

クリーニング費用や原状回復のための費用が請求されると、本当にこの金額で妥当なのか心配になる方も多いでしょう。こちらの記事でも詳しく説明しているので、ぜひご確認ください。

賃貸の退去時にかかる費用の相場についてもっと詳しく
賃貸の退去費用の相場は? 入居者負担で妥当? 高額にならないためには?

また、敷金の返金がされないケースについて、こちらの記事でも解説しています。

敷金の精算で損しないポイント!

あまりに高額な請求が来てしまったり、請求内容や金額に納得がいかないときは、管理会社や大家さんに説明を求めたり、消費生活センターに相談したりといった方法があります。
引越しはなにかとお金がかかるので早く振り込みがほしいところですが、敷金は退去してすぐに戻ってくるものではありません。振り込み金額がわかるタイミングや振り込み時期は管理会社や大家さんに確認しましょう。

まとめ

退去が決まったら、解約予告期間をすぎないうちに退去の連絡をしておく

二重家賃が発生したり、退去立ち会いのために旧居に戻るなどの手間が発生しないように早めに段取りの確認を

退去立ち会いでは、相手任せにせず、ガイドラインや契約書を確認したり、もとからついていた傷や汚れははっきり主張したりすることが大切

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取材・文/川上穂奈美
公開日 2020年11月13日
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