敷金の返金はいつ・どのくらいが相場? 返金されないケースやトラブルを回避するコツ

敷金の返金はいつ・どのくらいが相場? 返金されないケースやトラブルを回避するコツ

賃貸住宅を退去するとき、ふと頭をよぎるのが、契約するときに預けた敷金はちゃんと戻ってくるの? いつ・どのくらい戻ってくるの?・・・ということ。誰もが気になる「敷金」の返金のあれこれについて、賃貸物件の管理運営を手がけるハウスメイトパートナーズの伊部尚子さんに聞きました。

そもそも敷金って具体的に何? 金額はいくらくらいが目安?

賃貸物件を借りるとき、よく見聞きするのが「敷金」という言葉。そもそも何のためのお金かというと、部屋を退去するときの原状回復(生活でできてしまった傷などを直す)費用に充てるために入居前にあらかじめ「預けておく」準備金のようなお金です。基本的には、退去時に未納家賃が無ければ原状回復にかかった費用が差し引かれ、残ったお金が戻ってきます。

セットで説明されることが多い「礼金」は、大家さんにお礼の意味で支払うもので、これは退去しても戻ってこないというのが最大の違いです。

金額は物件によりまちまち。「以前は敷金・礼金とも家賃の2カ月分という物件が数多くあり、中には3カ月分という物件もありました。ところが最近は敷金が減る傾向にあり、金額は家賃の1カ月分が当たり前になっており、ゼロという物件も増えています」とハウスメイトパートナーズの伊部さん。

そもそも預け金である敷金は「退去の際に原状回復やクリーニングの費用をそこから差し引くためのものでした。また、ちゃんと敷金を支払えるだけの資力がある人だという信用の担保のような意味合いもありました」

そして今では、家賃保証会社を利用するケースが増え、さらに国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」ができ、部屋の原状回復の費用をどこまで入居者が負担するのかが明確になったこともあり、敷金も礼金もゼロという物件が増えてきているそう。

「大家さんがお金を預かっておく必要がなくなってきたからです。また、できるだけ初期費用を抑えたいという入居者が多いことも、敷金のいらない物件が増えてきている理由のひとつです」

敷金の返金はいつ・どのくらい戻ってくるの?

敷金が戻ってくる時期は「契約書の敷金の欄に明記してありますが、だいたい退去してから1カ月以内が目安」と伊部さん。つまり、次の引越し先の初期費用に充てることは現実的に難しいといえます。

戻ってくる金額は、原状回復費用を差し引かれた残りの金額。つまり、原状回復の費用がどれだけかかるかによって、金額は大きく変わります。例えば壁紙の張り替えは1m2あたり約1000~1500円(ひと続きの面ごとに全面張り替え)、畳の表替えは1枚あたり約5000円、襖の張り替えは1枚2000~3000円くらいが目安ですが、地域や物件によって異なります。

イラスト
和室は畳の表替え、襖の張り替えなど原状回復の費用がかかりがちなポイント(イラスト/もり谷ゆみ)

敷金が返ってこないというトラブルは、「まず契約書に『償却』という記載がないかどうかをチェックしてみてください」と伊部さん。

例えば契約書に「敷金2カ月(解約時償却1カ月)」と書かれていたら、1カ月分は通常の敷金として預けられますが、残り1カ月分は返金しない前提で契約をしたことになります。

「賃貸借契約には時間がかかり、確認すべき書類も多いので、説明されてもよく理解していなかったり、退去までに忘れてしまったりするケースが多いので気をつけましょう」

敷金トラブルを防ぐための注意ポイントは?

敷金トラブルを防ぐためには、まず契約内容をよく確認することが鉄則。「契約書にガイドラインのルールが書いてあるかどうか、自分に不利になりそうな特約がついていないかをチェックしましょう」

特に注意したいポイントを以下にまとめるので参考にしてください。

●畳・襖

和室のある物件が多かったころの名残で、特約事項として「畳の表替え、襖の張り替え、クリーニングの費用は入居者負担」と契約書に書いてあるケースがあります。費用は前述の目安で計算すると、例えば和室が6畳2間の物件では、畳5000円×12枚で6万円、さらに襖の枚数も加算されますので、敷金では足りないケースも出てきます。契約時は、これが特約事項として入居者負担になっているかどうか、畳・襖が何枚あるか確認しましょう。

●ペット

ペットに起因する損傷はすべて入居者負担となっているケースが一般的。飼っているペットの習性にもよりますが、木製の建具をかじる、引っ掻く癖があるペットの場合、弁償金額は大きくなりがちです。特にペットを飼ったことがない人、引越し先で新しいペットを飼う人は、習性がわからないので注意が必要です。

●タバコ

タバコはニオイだけでなく、ヤニによる汚れの問題も。特に明記されていない場合、掃除をして落ちる程度の汚れなら、入居者の過失と見なされないこともありますが、見てわかる程度の汚れで落ちない場合は過失と判断されることもあります。ヤニの汚れはポスターや壁掛け時計を外したら壁の色が違うなどでわかりますし、ニオイは喫煙しない人がはっきり感じる状態であれば、換気しても時間が経っても消えにくく、過失と判断される場合があります。

●住宅設備

例えばキッチンの天板やシンク内に空き缶を放置したり、洗面台にヘアピンを放置したりしたことで、サビの跡が残ってしまうケースも。また、ユニットバスの継ぎ目のゴムパッキンにカビが生えたまま放置し、色が残ってしまうことも。住宅設備は、簡単に張り替えられる壁紙と違い、修繕費用が高額になりがちなので、日ごろの掃除が大切です。

敷金トラブルが起こってしまったら?

返してもらう敷金の金額や、入居者の負担となることに納得できないなど、敷金の返還をめぐるトラブルは「まずは不動産会社に連絡を。金額の根拠や入居者の負担となる理由などの説明を受け、それでも納得できないという場合は、箇所の写真を撮り、消費生活センターなどに相談しましょう」

敷金をできるだけ多く取り戻すには、まず契約時に、退去費用に関してどのようなルールになっているのかを確認することが大切。さらに入居して生活がスタートしたら、部屋をきれいに保つことも重要となります。「汚れは溜めれば溜めるほど落としにくくなるもの。退去時にがんばって大掃除をするより、日ごろからこまめに掃除をすることが大切です」と伊部さん。掃除を習慣とし、住宅設備を丁寧に扱い、借りる人も貸す側も気持ちよく過ごしましょう。

まとめ

敷金は預けるお金。退去時に、そこから原状回復の費用を引かれ、残りが戻ってくる

敷金が戻ってくるのは、退去してからだいたい1カ月以内が一般的

敷金を多く取り戻すためにも、部屋はきれいに掃除をし、住宅設備は丁寧に扱うこと

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取材・文/前川ミチコ イラスト/もり谷ゆみ
公開日 2020年03月31日
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