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賃貸物件を探していると、家賃以外に「管理費」や「共益費」という項目があります。それぞれどのような違いがあり、いくらくらいが相場なのでしょうか。また、物件の表示では家賃や管理費以外にも敷金・礼金などが出てきますが、物件によってかかる費用はまちまちです。費用を抑えるためにはどのように比較すればよいのでしょう。この記事では、実際の検索結果画面を使ってわかりやすく解説します。
管理費・共益費とは、物件を維持管理するためにかかる費用のことです。同様の意味合いで使われることも多いですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
まずは、管理費の定義から解説します。
管理費は、マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。管理費については、1戸当たりの月額(予定額であるときは、その旨)を表示すること。ただし、住戸により管理費の額が異なる場合において、そのすべての住宅の管理費を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができる。
※引用元:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 不動産公正取引協議会連合会
第5章 表示基準 第1節 物件の内容・取引条件等に係る表示基準 (物件の内容・取引条件等に係る表示基準)第10条〔価格・賃料〕(41)管理費 参照
管理費の具体的な使い道としては、以下のような内容が挙げられます。
では、管理費が高い物件ほど共用部分がキレイで、管理員さんがきめ細かな管理をしてくれるのでしょうか。不動産事業を行うSIREの木津雄二さんに教えてもらいました。
「分譲マンションで支払っている管理費と、賃貸で支払っている管理費は意味合いが違います。分譲マンションの場合は、管理にかかるコストを居住者で割っています。そのため、管理にかかる費用が減ると、支払う管理費も安くなります。
賃貸の場合は、実際に管理に使っている金額と管理費がイコールになっていないことが多いです。賃貸物件のオーナーさんの手元に入ったら、家賃と管理費の区別はないことがほとんどです。『月々の支払いが同じなら、管理費の比率が高い物件が良い!』といった選び方にはあまり意味がありません」
次に、共益費の定義を解説します。
共益費は、借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。共益費については、1戸当たりの月額(予定額であるときは、その旨)を表示すること。ただし、住戸により共益費の額が異なる場合において、そのすべての住宅の共益費を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができる。
※引用元:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 不動産公正取引協議会連合会
第5章 表示基準 第1節 物件の内容・取引条件等に係る表示基準 (物件の内容・取引条件等に係る表示基準)第10条〔価格・賃料〕(42)共益費 参照
このように、管理費と共益費の内容に大きな違いはないようです。実際に、物件情報に「管理費・共益費」とまとめて記載されるケースもよくあります。
共益費の具体的な使い道は、以下の通り。こちらも管理費と大きな違いはないようです。
なお、管理費・共益費の使い道に関する規制などもありません。つまり、賃貸物件の管理費・共益費と、実際に管理にかかっている金額には差異がある可能性があります。もし管理にかかるお金が減少したとしても、管理費・共益費が値下げされるケースは少ないでしょう。
実際の物件探しでは「家賃+管理費」をまとめて月々の支払いと考えて部屋選びをするのがよいでしょう。

管理費の使い道や、消費税がかかるかなど、さらに詳しく知りたい場合はこちら
賃貸の管理費・共益費って何に使われてるの?消費税はかかる?
物件によっては、「管理費0円」や「管理費込み」という表示がされているものがあります。管理費込みとは、文字通り家賃に管理費が含まれているという意味です。管理費の請求がないのでお得に感じるかもしれませんが、こちらは管理費分が家賃に含まれていることがほとんど。
とはいえ、管理費・共益費が低いと得になる場合や損になるタイミングがそれぞれあるようです。木津さんに教えてもらいました。
管理費0円物件や、管理費が家賃に含まれている物件で得をできる方もいます。それは、会社からの家賃補助が家賃にしか適用されず、管理費・共益費は自己負担という方です。
例えば、家賃7万円、管理費・共益費5000円の物件と、家賃7万5000円、管理費・共益費0円の物件があったとします。どちらも毎月の支払額は7万5000円です。
ですが、勤めている会社の家賃補助制度が「家賃の全額を補助する」タイプだった場合。前者の物件では毎月管理費・共益費の5000円を自己負担しなければなりません。後者の物件だと、7万5000円の全額を会社が負担してくれ、自己負担が0円になります。
会社の家賃補助を受けたい方は、物件を決める前に制度の内容を確認しておきましょう。
物件契約の初期費用である仲介手数料・敷金・礼金。そして物件によっては更新時にかかる更新料。これらは、家賃の〇カ月分と決めている物件が多いです。そのため、管理費分が家賃に上乗せされていると、初期費用や更新料が割高になります。

賃貸物件を借りるとき、ついつい家賃にばかり目が行きがちですが、実際は管理費・共益費、敷金礼金、更新料などがかかってきます。
「候補の中から家賃が安い物件を選んだはずが、管理費や更新料を払うと実は他の候補のほうが安かった!」とならないよう、家賃表示の見方と計算方法を解説します。
賃貸物件にかかるお金が把握しにくいのは、月々の支払いに加えて、初期費用や更新料がかかるから。それならば、初期費用や更新料も含めて比較してみましょう。
初期費用は、最初の月の家賃・管理費(共益費)、敷金、礼金などです。物件を契約するときにだけかかります。
更新料は、物件契約の更新のタイミングでかかる料金です。家賃の○カ月分などと決められていることが多く、更新のタイミングは2年に1回であることが多いです。金額や、更新のタイミングは物件の契約書に書かれています。
この、「更新料は、家賃○カ月分という決め方が多い」というのがポイントです。毎月支払うのは「家賃+管理費・共益費」ですが、「家賃(7万円)+管理費・共益費(5000円)」の場合と「家賃(7万5000円)+管理費・共益費(0円)」の場合で、更新料が変わってくるのです。
「これから選ぶ物件には1年しか住まないから、絶対に契約更新は行わない」と決まっている方以外は、更新料も支払う前提で計算することをオススメします。一人暮らしの方であっても、大体半分は契約更新を行って2年以上住み続けるそうです。
計算は、一番よくある「2年に1回更新」を想定し、同じ物件に4年間住み続け、1度更新料を支払うパターンで行います。
式にすると、以下のような式になります。
(4年分の家賃と管理費・共益費 + 敷金 + 礼金 + 更新料)÷48カ月
具体的に、サンプルの物件情報をもとに計算してみましょう。

スーモマンションの場合の計算結果(更新料は家賃の1カ月分とする)
4年分の家賃と管理費・共益費の部分だけ先に計算します。
4年分の家賃と管理費・共益費
12カ月 × 4年 × (家賃7万円 + 管理費・共益費 7000円)= 369万6000円
(4年分の家賃と管理費・共益費 + 敷金 + 礼金 + 更新料)÷48カ月
(4年分の家賃と管理費・共益費 369万6000円 + 敷金 7万円 + 礼金 7万円 + 更新料 7万円)÷ 48カ月 = 8万1375円
スーモマンションの計算結果は「8万1375円」でした。
家探しでは、気になる物件がいくつかでてくることもあります。家賃だけを比較するのではなく、「4年間住んだ場合実際にかかる費用の1カ月換算分」で比較することをオススメします。
それでは、月額7万7000円の支払いの場合で、「家賃」「管理費・共益費」「初期費用(敷金礼金)」のさまざまな条件を変えて、同じ計算をしてみましょう。比較するのは以下の4パターンです。
4年間で支払う金額を1カ月当たりに直すとどのようになるのでしょうか?
4年分の家賃と管理費・共益費
12カ月 × 4年 × (家賃7万円 + 管理費・共益費 7000円)=369万6000円
1カ月分に割り替えした額(4年間住んだ場合で試算)
(4年分の家賃と管理費・共益費369万6000円 + 敷金7万円 + 礼金 7万円 + 更新料7万円)÷ 48カ月 = 8万1375円
4年分の家賃と管理費・共益費
12カ月 × 4年 × (家賃6万円 + 管理費・共益費 1万7000円)= 369万6000円
1カ月分に割り替えした額(4年間住んだ場合で試算)
(4年分の家賃と管理費・共益費369万6000円 + 敷金 6万円 + 礼金 6万円 + 更新料 6万円)÷ 48カ月 = 8万750円
4年分の家賃と管理費・共益費
12カ月 × 4年 × (家賃7万円 + 管理費・共益費 7000円)= 369万6000円
1カ月分に割り替えした額(4年間住んだ場合で試算)
(4年分の家賃と管理費・共益費369万6000円 + 敷金 10万5000円 + 礼金 10万5000万円 + 更新料 7万円)÷ 48カ月 = 8万2833円
※小数点以下は四捨五入
フリーレントとは、最初の数カ月家賃が無料の物件です。無料になる月数は物件によりますが、今回は最初1カ月が無料とします。無料になるのは家賃のみで、管理費・共益費は通常通り最初の月から7000円かかり、敷金礼金は1カ月分とします。実際は契約によるので、契約書の条件を確認してください。
4年分の家賃と管理費・共益費
12カ月 × 4年 × (家賃7万円 + 管理費・共益費 7000円)- フリーレント分7万円= 362万6000円
1カ月分に割り替えした額(4年間住んだ場合で試算)
(4年の家賃と管理費・共益費362万6000円 + 敷金 7万円 + 礼金 7万円 + 更新料 7万円)÷ 48カ月 = 7万9917円
※小数点以下は四捨五入
| 物件1 | 物件2 | 物件3 | 物件4 | |
|---|---|---|---|---|
| 家賃 | 7万円 | 6万円 | 7万円 | 7万円(最初の1カ月無料) |
| 管理費・共益費 | 7000円 | 1万7000円 | 7000円 | 7000円 |
| 家賃+管理費共益費 | 7万7000円 | 7万7000円 | 7万7000円 | 7万7000円 |
| 敷金・礼金 | 1カ月分 | 1カ月分 | 1.5カ月分 | 1カ月分 |
| 4年間住んだ場合の料金を1カ月の支払いに換算 | 8万1375円 | 8万750円 | 8万2833円 | 7万9917円 |
毎月の支払額は7万7000円の、4つの物件。さまざまな条件を変更して、4年間住み続けた場合の支払いを比較してみました。
お得だったのは、フリーレントのある物件4の7万9917円。最も高くなったのは、敷金礼金が1.5カ月分かかる物件3の8万2833円。
毎月支払う金額(家賃+管理費・共益費)は同じ7万7000円でも、最初の無料期間の有無と敷金礼金の金額差で、4年間住み続けた場合1カ月当たり2916円の差額が。
物件選びでは、家賃と管理費・共益費を足した金額を比較するのが一般的です。ですが、家賃と管理費・共益費を足した額が同じであっても初期費用や更新料が違えば、支払う総額は変わってきます。
「家賃+管理費・共益費」の金額が同じであれば、以下の3つの条件を少しでも満たしている物件を選んだ方がお得になりそうです。
※会社の住宅補助が家賃のみに適用される場合は、家賃の比率が高い物件のほうが得な可能性も
物件の料金設定は、管理会社や大家さんと交わす契約書によって変わります。こちらで紹介したのはあくまでシミュレーションですので、実際に物件を探す際は、掲載されている物件情報や契約書をよく確認してください。
管理費・共益費とは、物件の維持管理にかかる費用のこと
管理費と共益費の使い道に大きな違いはなく、同様の意味で用いられることも多い
賃貸物件の場合、支払う管理費・共益費と、実際に管理にかかっている金額はイコールではない
管理費や初期費用や更新料で思わぬ出費とならないために、賃貸物件は4年住んだ場合にかかる金額を1カ月換算して比較してみるのがオススメ