納得いかない! 遺言書を無効にしたい

相続する際、遺言書がある場合は遺言書が優先される。しかし、遺言書に書かれている内容に相続人がどうしても納得できない場合、なす術はないのか? 遺言書はどこまで有効か、また無効にする方法がないのかを見てみよう。

相続人全員の合意で相続額を変更できる

遺言書は遺産の扱いに対して故人の遺志を反映するもの。本来は相続のもめごとを防ぐためのガイド役になる。ところが、その内容が著しく偏っていたりすると、相続人の不平不満のもとになりがちだ。その場合、相続人が遺言書を無視して、遺産の配分を変えることはできるのだろうか。

例えば「全財産を孫の●●に与える」というような内容の場合、他の相続人たちは遺留分(民法で定められている最低限相続できる財産)は受け取ることができる。それでも納得いかなければ、相続人全員の合意があれば遺産分割協議を開くことができ、話し合って相続額を決めることができる。

また遺言書が偽造されていたり、第三者に強要されて書かれたなど「無効」だと認定された場合も、同様に遺産分割協議を開いて、相続額を決めることになる。

遺産を巡る「争続」は年々増え続けている

遺産分割協議では相続人が全員合意できるような内容を目指すのだが、相続人が互いに譲らず分配が決まらない場合、裁判を起こすこともできる。実際、遺産を巡る裁判数は年々増えている。

遺言書を自分で書く際に注意すべきこと

■遺産分割の裁判件数

しかし、裁判には弁護士料がかかる。もちろん安くはない。それでも自腹を切って裁判を起こしたいか?そもそも遺産額が少なくても、自分の財産が増えこそすれ減る話ではないのだから、冷静に判断したほうがいい。

遺産分割協議の再協議も可能

遺産分割協議の内容は遺産分割協議書としてまとめ、法務局や税務署などに提出する。それによって、相続登記や相続税の支払いなど相続手続きが進むことになる。その後になって「やっぱり納得いかない」となった場合でも、同様に相続人全員の合意を得て再度協議を行うこともできる。その際は一度作成した遺産分割協議書をすべて集めて破棄したほうがよい。一枚でも残っていると、後々トラブルのもとになるからだ。

また、協議後に新たな遺産が見つかるケースも多い。その対策として、遺産分割協議書に「今後遺産が出てきた場合は配偶者●●が相続する」など、受け取る相続人を決めて記しておくと、そのたびに遺産分割協議を開かなくてすむなど後々の面倒やトラブルを防ぐことができる。

有効な遺言が最大の守りに

いずれにせよ遺産を残す側としてはなるべく偏らずに、相続人に公平感のある遺言書を残すようにしたほうがよい。またせっかく書いた遺言書が「無効」にならないようにするためにも、自筆遺言ではなく公正証書遺言をオススメしたい。公正証書遺言なら書類上の不備や偽造、第三者からの強制などを防ぐことができるからだ。

取材・文/籠島康弘(ぴえいる工場) 取材先/弁護士 横山宗祐さん(横山山王法律事務所)
公開日 2018年06月29日
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