土地売却の費用、いくら必要?手数料と節税のポイントも解説

土地売却の費用、いくら必要?手数料と節税のポイントも解説

手持ちの土地を売却するときには、各種税金などの費用がかかります。どのような費用がいくらぐらいかかるのか、負担を軽減するためのポイントも解説します。

いくらかかる?土地売却の際にかかる費用

不動産会社に支払う仲介手数料

土地を売却するときには、不動産会社に仲介(媒介)を依頼するケースが一般的です。
その際に、不動産会社への報酬として仲介手数料を支払います。

仲介手数料の額は法律に基づく国土交通省告示より、原則として以下のように上限が決められています。

仲介手数料の上限額(売却価格400万円超の場合の上限額)
売却価格×3%+6万円+消費税

例えば土地を5000万円で売却したときの仲介手数料の上限は以下のようになります。

仲介手数料の上限額の例(売却価格5000万円のケース)
売却価格5000万円×3%+6万円+消費税10%=171万6000円

なお、この金額はあくまで上限額なので超えることはできませんが、不動産会社との取り決めでこの金額より低い額とすることは問題ありません。

また仲介手数料は成功報酬なので、売買契約が成立してはじめて売主に支払い義務が生じます。
契約が成立しなかった場合は手数料を支払う義務はありません。

仲介手数料の支払いは、売買契約時と物件の引き渡し時の2回に分けて、半額ずつ支払うケースが一般的です。

ローンの抵当権抹消費用

売却する土地に住宅ローンなどが残っている場合は、金融機関の抵当権が設定されているケースがあります。
その場合、土地を売却するには抵当権を抹消する必要があり、そのための費用がかかります。

抵当権抹消に必要な費用としては、まず抹消登記の際の登録免許税があります。
税額は土地・建物それぞれ1件につき1000円です。
土地を1件だけ売却する場合の税額は1000円になります。

このほか、登記を依頼する司法書士への報酬もかかります。
金額はケースバイケースですが、2万~3万円程度が一般的でしょう。

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土地の測量費用

土地を売却するときには、後でトラブルになるのを防ぐなら、隣の土地との境界を確定しておく必要があります。
境界は土地にコンクリートなどの「境界標」があれば判別できますが、古い土地などは境界標が見つからず、境界があいまいなケースも少なくありません。

土地の境界が明確でない場合は土地家屋調査士に依頼して、地積測量図と境界確認書を作成してもらう必要があります。
この場合、測量や書類の作成費用として数十万円かかるケースが一般的です。

また測量から作成までの手続きには数カ月を要する場合が多いので注意しましょう。

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売買契約の印紙税

土地の買主と売買契約を結ぶときには、印紙税がかかります。
印紙税とは売買契約書に貼る印紙代のことです。

契約書に所定の額の印紙を貼り、印鑑で消印を押すことで納税が完了します。
契約書は売主用と買主用に同じものを計2通作成するので、売主と買主それぞれが同額の印紙税を支払うことになります。

印紙税の額は契約金額、つまり土地の売却価格によって以下のように決められています。

売買契約にかかる印紙税(抜粋)
契約金額 本来の税額 軽減税額※
500万円超1000万円以下 1万円 5000円
1000万円超5000万円以下 2万円 1万円
5000万円超1億円以下 6万円 3万円
1億円超5億円以下 10万円 6万円
※2020年3月31日までの契約に適用(2022年3月31日まで延長予定)

所有権移転登記にかかる登録免許税

土地の売却では抵当権の抹消登記のほかに、所有権を買主に移転する所有権移転登記の手続きも必要です。
この所有権移転登記の際にも登録免許税がかかります。

所有権移転登記の登録免許税は、土地に固定資産税評価額が付されている場合にはそれに税率をかけて計算します。
税率は本来2%ですが、2021年3月31日まで1.5%に軽減されています。

ちなみに固定資産税評価額とは固定資産税を課税するために市区町村が定める土地・建物の価格のことです。
固定資産税評価額は法律上、適正な時価と規定されていますが(地方税法341条、349条)、いわゆる取引相場の価額=時価とは異なり、土地の場合はその7割程度が目安になります。

所有権移転登記にかかる登録免許税は、一般的には買主が負担します。
ただし契約により売主と買主の折半にしたり、売主が負担するケースもあります。

土壌汚染調査、水道引込工事などその他の費用

土地を売却するときには、上記のほかにも費用がかかるケースがあります。

例えば工場などが建っていた土地を売却するときには、土壌汚染調査をする場合が少なくありません。
売買成立後にもし土壌汚染が判明すると、買主から契約解除や損害賠償が請求されるリスクがあるので、例えば所定の溶剤等を使用したクリーニング店を営んでいた土地など汚染の心配がある場合は調査したほうがよいでしょう。

費用は調査内容にもよりますが、10万円前後から数十万円かかるケースもあります。

また、住宅地として使用していなかった土地を住宅用地として売却する際には、水道引込工事の費用が発生することもあります。
費用は上下水道の本管までの距離や自治体にもよりますが、数十万円かかるケースが多くなっています。

水道引込工事をせずに売却し、工事費用は買主負担とすることもできますが、売主が負担して工事を済ませてから売却することで売却価格を高めに設定することもできるでしょう。

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登記関係書類や土地測量図など、必要書類にかかる費用

土地を売却するときには各種の書類が必要になり、なかには入手するのに費用がかかるものもあります。
まず本人確認資料として必要な印鑑証明書や住民票は発行手数料として数百円が必要です。

土地の登記簿に登記された所有者本人であることを証明するために、登記済権利証または登記識別情報通知書が必要です。
この書類は土地を取得したときに発行されるもので、再発行はできません。
もし紛失してしまったら司法書士に手続きしてもらう必要があり、別途費用がかかります。

固定資産税のほか登録免許税や不動産取得税の税額を計算するための固定資産税評価額を確認するために、固定資産税納税通知書や固定資産評価証明書が必要です。
納税通知書は自治体から毎年送付されてきますが、評価証明書は自治体に発行してもらう必要があり、数百円の手数料がかかります。

このほか、地積測量図・境界確認書や建築確認済証、購入時の契約書なども必要です。
この現況の実測図・境界確認書は取得するのに数十万円かかりますが、その他は土地取得時の書類を保管していれば費用はかかりません。

土地売却に必要な書類・資料にかかる費用

◆本人確認資料など
運転免許証や実印、印鑑証明書、住民票など
費用の目安:印鑑証明書や住民票の発行に数百円

◆登記関連書類
登記済権利証または登記識別情報通知書
費用の目安:土地取得時に発行されるため無料。再発行は不可

◆固定資産税関連書類
固定資産税納税通知書や固定資産評価証明書
費用の目安:納税通知書は所有者に毎年送られてくるので無料。
評価証明書の発行手数料は数百円

◆その他
地積測量図・境界確認書、建築確認済証、地盤調査報告書、購入時の契約書・重要事項説明書など
費用の目安:現況の実測図・境界確認書は数十万円。その他は土地取得時に発行されるため無料

土地を高く売るコツ

複数の不動産会社に査定してもらう

土地を少しでも高く売ろうと思うなら、まず売却価格の査定が重要です。
いくらで売れるかを査定してもらう場合は、複数の不動産会社に依頼して価格を比較しましょう。

不動産会社による価格査定は、まずインターネットなどで物件の概要を伝えて査定してもらう「簡易査定」を行い、次に現地に足を運んで実物を見て査定する「詳細査定」に進むケースが一般的です。
そこで初めに5社前後かそれ以上の不動産会社に簡易査定を依頼し、そのなかから3社程度を選んで詳細査定を依頼するのが効果的といえます。

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不動産会社の査定価格や価格の根拠などを比較する

複数の不動産会社に査定を依頼し、その中から妥当と思われる会社を選ぶときには、まず査定価格そのものを比較します。
査定価格はその土地が市場で「売却できそうな価格」なので、どの不動産会社も似たような価格を提示するとイメージしがちですが、必ずしもそうではありません。

不動産会社によっては売却を依頼してもらうため、売主が喜ぶような相場より高めの価格を提示するケースもあるからです。
相場より高めな価格で売りに出してもなかなか売れず、しばらくしてから大幅に値下げしなければならなくなる場合もあるでしょう。

そのため、不動産会社から提示された査定価格を比較して、他社よりも高い価格を提示してきた会社には、その価格の根拠をしっかり確認する必要があります。
またそれ以外の不動産会社からも、査定価格の根拠を聞き、より納得できる説明をしてくれる会社を選ぶようにしましょう。

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適正な売却価格を設定する

複数の不動産会社から査定価格が提示されたら、売却の仲介を依頼する不動産会社を選び、物件を売り出します。
売り出しの際に重要なのが、いくらで売りに出すか、売却価格を決めることです。

不動産会社が提示する査定価格は「この価格なら売れるだろう」というものなので、その価格で売り出さなければならないわけではありません。
売主としては少しでも高く売りたいと考えるのが通常なので、売り出し価格も査定価格よりやや高めに設定するケースが一般的です。

もちろん、むやみに高い価格で売り出しても買い手がなかなか現れず、しばらくしてから大幅に値下げするのでは逆効果です。
物件の特徴や周辺相場に精通したプロの不動産会社とも相談し、適正な売却価格を設定するようにしましょう。

また、売り出し後もなかなか買い手が見つからない場合は、価格の見直しが必要です。
その際も自分だけで判断せず、不動産会社と相談しながら価格を見直すようにしましょう。

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不動産会社と相談して買主と価格を交渉する

売却活動の結果、購入希望者が見つかったら最終的な売却価格を交渉します。
売り出し価格のまま買主が買ってくれる場合は問題ありませんが、多くの場合は買主から値下げ交渉が入るものです。

売主の希望価格と買主の希望価格の間で、どこで折り合いをつけるかは、そのときの相場の動きや物件の希少性、売主や買主の事情などを総合的に判断して交渉する必要があります。
ここでもやはりプロの不動産会社と相談し、引き渡し時期なども材料にしながら交渉していくことが重要です。

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土地の売却益にかかる税金と節税のポイント

売却益が出た場合の課税

土地を売ったときにその土地を買ったときの価格より高く売れて売却益が出ると、その売却益に所得税や住民税がかかります。
資産を売却して得た売却益のことを譲渡所得と呼び、不動産の場合、給与など他の所得と合算することなく区別して課税される仕組みです。

譲渡所得への課税は、譲渡所得に税率をかけて税額を計算します。
譲渡所得は売却による収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いた額です。

譲渡所得の計算式
譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用(-特別控除額)

収入金額とは土地の売却代金のことです。
売ったときに固定資産税や都市計画税を買主と精算した場合は、買主から受け取った金額も収入金額に含まれます。

取得費とは土地を購入したときの代金や費用です。
購入費用としては印紙税や登録免許税などの税金のほか、仲介手数料も含まれます。

譲渡費用とは土地を売却するためにかかった費用です。
具体的には仲介手数料や売買契約時の印紙税のほか、建物の取り壊し費用などが含まれます。

取得費
・土地の購入代金
・購入時にかかった税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税など)
・仲介手数料

譲渡費用
・仲介手数料
・売買契約時の印紙税
・建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
・売買契約締結後、さらに有利な条件で売るために最初の契約者に支払った違約金
・借地権の土地を売るときに地主の承諾を得るために支払った名義書換料など

土地の譲渡所得への課税は所有期間によって変わる

土地の譲渡所得への課税は、土地を所有していた期間によって変わります。
所有期間が5年以下の場合が短期譲渡所得、5年超の場合が長期譲渡所得となり、短期譲渡所得のほうが税金の負担が重くなるのです。

なお、所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定されるので注意が必要です。
例えばある年の4月1日に購入した土地を、5年後の5月1日に売却したとすると、実際の所有期間は5年を超えていますが、売却した年の1月1日時点ではまだ5年以下なので短期譲渡所得とみなされます。

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所有期間5年以下で売った場合

所有期間5年以下で売却した場合の短期譲渡所得には、所得税30%と住民税9%を合わせて39%の税率で課税されます。
さらに2037年までは東日本大震災からの復興のために所得税の2.1%(30%×2.1%=0.63%)が復興特別所得税として課税されているので、合計で39.63 %の税率です。

【短期譲渡所得の税率】
譲渡所得×39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)

※復興特別所得税は税率2.1%を所得税に乗じた値(以下同)

例えば4000万円で購入した土地を4年後に5000万円で売却した場合、下記の設定条件で計算すると短期譲渡所得への税額は280万円強になります。

【短期譲渡所得の税額計算例】

【設定条件】
購入価格:4000万円
購入時費用:120万円
売却価格:5000万円
売却費用:172万6000円
経過年数(所有年数):4年

【譲渡所得】
収入金額(売却価格5000万円)-取得費(購入価格4000万円+購入費用120万円)-譲渡費用(売却費用172万6000円)=707万4000円

【税額】
707万4000円×39.63%=280万3400円(100円未満切り捨て)

所有期間5年超で売った場合

所有期間5年超で売却した場合の長期譲渡所有には、所得税15%と住民税5%を合わせて20%の税率で課税されます。
復興特別所得税(0.315%)を加えると、合計の税率は20.315%です。

【長期譲渡所得の税率】
譲渡所得×20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)

例えば4000万円で購入した土地を8年後に5000万円で売却した場合、下記の設定条件で計算すると長期譲渡所得への税額は143万円強になります。
短期譲渡所得に比べて税率が半分近くに下がるので、税額も約半分になる計算です。

【長期譲渡所得の税額計算例】

【設定条件】
購入価格:4000万円
購入時費用:120万円
売却価格:5000万円
売却費用:172万6000円
経過年数(所有年数):8年

【譲渡所得】
収入金額(売却価格5000万円)-取得費(購入価格4000万円+購入費用120万円)-譲渡費用(売却費用172万6000円)=707万4000円

【税額】
707万4000円×20.315%=143万7000円(100円未満切り捨て)

なお、マイホームとして住んでいた土地と建物の所有期間が10年を超え、かつ家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約を結んでその土地を売却した場合は、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」により6000万円以下の長期譲渡所得について税率が14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別所得税0.21%)に軽減されます。

土地の売却で利用できる税金の控除

公共事業などのために土地を売った場合の5000万円特別控除

土地を売却した場合の譲渡所得について、特例として一定額までを差し引ける特別控除が受けられる場合があります。

特別控除が受けられると、譲渡所得が控除額を下回る場合は所得ゼロとみなされて課税されません。

譲渡所得が控除額を上回る場合は上回った額だけに課税されます。

不動産の譲渡所得から差し引ける特別控除には以下の種類があります。

(1)公共事業などのために土地建物を売った場合の5000万円特別控除
(2)マイホーム(居住用財産)を売った場合の3000万円特別控除
(3)特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2000万円特別控除
(4)特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1500万円特別控除
(5)平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1000万円特別控除
(6)農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円特別控除

なお、(2)はマイホームを売ったときの特例なので、自宅が建っていた土地を売る場合について、以下の要件を満たす必要があります。

イ その敷地の売買契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
ロ 家屋を取り壊してから売買契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などに利用していないこと。

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平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1000万円特別控除

個人が2009年に取得した土地を2015年以降に売却した場合、または2010年に取得した土地を2016年以降に売却した場合には、その土地の譲渡所得から1000万円を控除できます。

この特例を受けるための要件は以下のとおりです。

(1)2009年1月1日から2010年12月31日までの間に土地等を取得していること。
(2)2009年に取得した土地等は2015年以降に売却すること、また、2010年に取得した土地等は2016年以降に売却すること。
(3)親子や夫婦など特別な間柄にある者から取得した土地等ではないこと。
(4)相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済および所有権移転リース取引により取得した土地等ではないこと。
(5)売却した土地等について、収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰り延べなど他の譲渡所得の特例を受けないこと。

控除を受けるときの注意点

不動産の譲渡所得の特別控除額は、特例ごとの譲渡所得が限度額になります。

また特別控除額は、その年の譲渡所得の全体を通じて合計5000万円が限度です。
複数の特別控除を利用する場合、5000万円に達するまでの特別控除額の控除は、(1)から(6)の特別控除の順に行います。

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土地を売却したときの確定申告と納税手続き

土地を売却したときは、売却した翌年の2月16日から3月15日までに譲渡所得の確定申告が必要です。

なお、土地を売却した日は原則として買主に引き渡した日になりますが、売買契約を結んだ日に売却したものとして確定申告することもできます。
契約日から引き渡し日までの間に年をまたいでいる場合は、どちらの日を選ぶかによって短期譲渡所得か長期譲渡所得かが決まるケースもあるので注意しましょう。

納税は申告と同じ期間中に税務署か金融機関で手続きします。
また申告の際に振替納税の手続きをすれば、4月20日前後に指定口座から自動引き落としとなります。
延納の手続きをすれば納付期限までに税額の2分の1を納付し、残りを5月31日までに納付することもできますが、延納期間中は年1.6%の利子税が加算されます。

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古家付き土地を売却する方法と費用

古家付き土地とは?

土地の物件情報などで「古家付き土地」という物件を目にすることがあると思います。
古家付き土地とは文字どおり古い家が建っている土地のことです。

日本の不動産流通市場では、一戸建ての建物は築20年ほどで市場価値が新築時の1割程度に下がり、築30年を超えるとほぼゼロになると言われています。
そのため、築30年超の一戸建てが建っている物件は実質的に土地分の価値しかないため、古家付き土地として流通しているのが現状です。

したがって古い家が建っている土地を売却する場合に、建物を解体して更地にしてから売却する方法もありますが、建物を残したまま古家付き土地として売却する方法もあるのです。

ではどちらの方法で売却すべきでしょうか。
それを判断するには、両者のメリットとデメリットを理解する必要があります。

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古家付き土地のメリット・デメリット

土地を古家付きの状態で売るメリットとしては、まず建物のイメージがしやすい点が挙げられます。
建物の広さや日当たり、2階からの眺めなどを買主が実感できるので売りやすい面はあるでしょう。

古くても家が建っていると、住宅ローンの審査が通りやすいと言われています。
住宅ローンが借りやすければ買主が買いやすく、売主にとっては売りやすくなります。

毎年1月1日時点で土地を所有している人にかかる固定資産税や都市計画税は、住宅が建っている土地だと最大で6分の1に軽減されます。
家を解体した状態で年をまたいでしまうと、税負担が重くなるので注意が必要です。

木造住宅の法定耐用年数は22年なので、築22年を超えると瑕疵担保責任が免責になるケースが多くなります。
その場合は建物に欠陥があっても責任を問われないため、維持管理する手間がかかりません。

そもそも古家付きで売れば建物を解体する手間もかかりません。
解体には数百万円のコストがかかる場合が多いので、費用を節約できます。

一方、古家付きで土地を売るデメリットとしては、解体にかかる費用分について買主から値引きを交渉される可能性が高いことが挙げられます。

また、売却後に買主が建物を取り壊したときに、地下に埋設物があると売主が瑕疵担保責任を問われるリスクがあります。
売買契約の際には瑕疵担保責任を負う期間について、買主との間で取り決めておくようにしましょう。

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更地にして売却する費用とメリット・デメリット

建物を解体して更地にしてから売却する場合は、解体費用を売主が負担しなければなりません。
費用は土地の条件や建物の構造などにもよりますが、木造の場合で坪単価3万円以上、鉄筋コンクリート造では坪単価5万円以上が相場と言われています。
30坪前後の木造住宅でも、100万円以上かかるケースが多いでしょう。

それだけの費用をかけて建物を解体するかどうかは、更地で売るメリットとデメリットを理解した上で判断する必要があります。

まず更地で土地を売却するメリットとしては、買主が買ってすぐに建物を建てられるので買い手がつきやすいという点が挙げられます。

また更地の物件は希少性が高く、それだけ高く売れるケースも少なくありません。

さらに売却後に建物の欠陥が見つかるリスクがないため、瑕疵担保責任が発生しない点もメリットです。

逆に更地で売却するデメリットとしては、当然のことながら解体費用がかかることが第一です。
解体した結果、地盤に問題があれば埋設物の除去や地盤改良などの費用も発生します。

また建物を解体して更地で1月1日を迎えると固定資産税と都市計画税の住宅用地の特例が受けられず、土地の税額が最大で6倍に跳ね上がります。
解体から売却までに年をまたぎそうな場合は注意が必要です。

このほか、建物が現行の建築基準法の接道義務等に適合していない「既存不適格」の場合は、建物を解体してしまうと、そのままでは最悪の場合、再建築が不可になるケースもあります。
再建築不可ではほとんど市場価値がなくなっていまうので、耐震リフォームなどをして使い続ける必要があるでしょう。

古家付き土地を売却するときの注意点

古家付き土地を売却するときによくある失敗が、古家をリフォームしたことによるものです。

買主が気を利かせて古家をリフォームしたものの、築年数が古いためになかなか売れず更地よりも低い価格に値下げせざるを得ないケースもあり得ます。
また、せっかくリフォームして売却したのに、買主の好みに合わないためすぐに解体して建て替えられてしまう場合もあるでしょう。

古家付き土地の建物をリフォームして住み続けるかどうかは、買主の判断に委ねるのが無難です。
高い費用をかけてリフォームするよりも、古家付き土地としてそのまま売却したほうが買主も早く見つかりやすいでしょう。

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相続した土地を売却する方法と費用

相続して3年10カ月以内に売却すると相続税を取得費に加算できる

土地を売却すると、その売却益(譲渡所得)に対して所得税や住民税が課税されます。
譲渡所得は売却価格からその土地を購入したときの代金や費用(これらを取得費と呼びます)と、売却したときの費用(譲渡費用と呼びます)を差し引いて計算します。

親から相続した土地を売却するときは、親がその土地を購入したときの取得費を引き継ぎます。
さらに相続して3年以内に売却した場合は、相続したときの相続税のうち売却した土地に対応する税額分を取得費に加算できる「取得費加算の特例」が利用できます。

この取得費加算の特例を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

取得費加算の特例を利用できる要件

(1)相続などにより財産を取得していること
(2)その財産を取得した際に相続税が課税されていること
(3)その財産を、相続開始の日の翌日から3年10カ月以内に売却していること

自宅から離れた場所にある土地を売る場合の注意点

相続した土地が自宅から離れた場所にある場合は、売却を依頼する不動産会社選びに注意が必要です。
というのも、なじみがあるなどの理由で自宅近くの不動産会社に売却を依頼すると、その不動産会社は相続した土地周辺の相場や事情に詳しくない場合があるため、価格査定や売却活動が適切に行えない可能性が高くなるからです。

土地の売却を依頼する不動産会社は、やはりその土地周辺の不動産市場をよく知る地元の会社を選ぶのが正解でしょう。
地元に知っている不動産会社がない場合は、インターネットなどでその地域の物件を扱っている会社を複数探し、インターネットや電話などで簡易査定を依頼すればいいのです。

なお、不動産会社に売却を依頼しても売買契約にいたらなかった場合は仲介手数料はかかりませんが、打ち合わせのために遠方からの出張を依頼した場合は実費として交通費を請求されることがあります。

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農地を売却する方法と費用・税金

農地を売却する条件

農業を引退したり、あるいは農地を相続したものの農家になる意思のないケースでは、農地の売却を検討する場合があるでしょう。
しかし日本では農地法によって農地の売却が厳しく制限されており、農地を購入できるのは地域の農業委員会の許可を受けた農家か、または農業従事者に原則限られます。

ただし農地が立地している地域によっては、農地を農地以外の用途に転用して売却できるケースがあります。

農地を使わないまま放置すると耕作放棄地となって雑草の繁茂を助長したり、害虫や害獣の住処となって近隣農地や住宅に大きな迷惑をかけることにもなりかねません。
農業に利用する予定のない農地は、宅地化等が困難でなければ転用して売却したほうがいいかもしれません。

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農地売却のダンドリ

農地を売却するには、農地のまま売却する方法と、用途を転用して売却する方法の2つのやり方があります。
どちらにしても地域の農業委員会の許可が必要です。

農地を転用して売却する場合は、農業委員会に転用許可を申請し、書類チェックや現地確認が行われます。
申請から許可が下りるまでには1カ月~3カ月かかるケースが一般的です。

また農地を転用して売却する場合には、都道府県知事または指定市町村長の許可も必要です。

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農地を農地として売却する場合、転用して売却する場合

農地を農地として売却する場合は、近隣の農家などから買主を探したり、地域の農業関連機関のあっせんにより買主を見つけるのが効率的です。

一方、転用して売却する場合は不動産会社に依頼して買主を探すことになります。
この際、農地売却に実績のある不動産会社に依頼することがポイントです。
農地売却が得意な不動産会社なら、転用許可の申請段階から相談に乗ってくれるでしょう。

なお、農地以外の用途に転用するには、地域による制限もクリアする必要があります。
農地法による地域区分で「農用地区域」内にある農地はほぼ転用はできません。
また「甲種農地」や「第1種農地」内の農地も転用は原則不許可です。

これに対し、鉄道の駅から500m以内にある「第2種農地」や、300m以内にある「第3種農地」は今後の市街地化が見込まれるため、転用が原則許可されます。

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農地を売却する場合の費用

農地を売却する場合にも費用がかかります。
まず農地を農地として売却する場合は、所有権移転登記にともなう登録免許税や、手続きを代行する司法書士への報酬などが必要です。

一方、農地を転用して売却する場合は不動産会社に売却を依頼するので、仲介手数料がかかります。
また売買契約の際の印紙税や、所有権移転登記の際の登録免許税と司法書士への報酬も必要です。

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農地を売却する場合の税金

農地を売却する場合には、一般の土地を売却するのと同様に売却益に対して税金がかかります。
売却益、つまり譲渡所得に対して所得税や住民税がかかるのです。

譲渡所得への税率はその土地を所有していた期間によって変わります。
所有期間5年以下の短期譲渡所得の場合は所得税と住民税の合計で39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)です。
また所有期間5年超の長期譲渡所得の場合は所得税と住民税の合計で20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。

なお、親などから相続した土地の所有期間は親が所有していた期間を引き継げるので、代々農業を営んできた農地であれば長期譲渡所得とみなされるケースがほとんどでしょう。

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土地売却に関するQ&A

土地売却の注意点は?

土地を売却するには、まずその土地の面積を確定しなければなりません。
面積はその土地を購入したときの売買契約書や、登記事項証明書(昔の登記簿謄本のことです)などで確認が可能です。

ただし、代々受け継いでいる土地の中には、隣地との境界が確定しておらず面積もはっきりしないケースが少なからずあります。
その場合は後々のトラブルを防ぐためなら、境界を確定するために地積の実測図や境界確認書を作成する必要があります。

地積の実測図や境界確認書の作成は土地家屋調査士に依頼します。手続きには数カ月かかり、数十万円の費用がかかる場合が一般的なので注意しましょう。

土地に何かが埋まっていた場合は?

土地を調べた結果、埋設物が見つかった場合は、水道管などライフラインを除いて基本的には撤去しなければなりません。

例えば建物を解体したときの廃材などは基礎工事の障害になるため、売却した後で見つかった場合は売主に瑕疵担保責任が求められ、損害賠償や契約解除といったトラブルもあり得ます。
建設廃材などの埋設物の撤去費用はケースバイケースですが、数十万円から100万円以上かかる場合もあります。

地中埋設物で注意しなければならないのは、古い井戸や浄化槽などが埋まっているケースです。
井戸の場合は埋め戻しが必要となり、浄化槽は重機などを使って撤去します。
いずれも専門会社に依頼する必要があり、費用は10万円前後以上かかる場合が一般的です。

土地売却のダンドリは?

土地を売却するには、まず物件情報サイトなどを使って周辺の土地の価格相場を調べます。

次に複数の不動産会社にインターネットなどで簡易査定を依頼し、信頼できそうな会社数社に現地を訪問査定してもらいます。

納得のいく査定をしてくれた不動産会社を選び、媒介契約を結んで売却活動を行います。

買主が見つかったら売買契約を結び、通常は数日後に土地を引き渡します。

最後に、引き渡し(または契約)の翌年に売却益(譲渡所得)の確定申告を行い、必要に応じて納税します。

土地売却の流れ

まとめ

土地を売却するためには、仲介手数料や抵当権抹消費用、測量費用などさまざまな費用がかかります。
いつ、どのような費用がいくらぐらいかかるのかを事前に確認しておきましょう。

土地を少しでも高く売るには、複数の不動産会社に査定をしてもらい、査定価格を比較するのがコツです。
また査定価格を参考に、売り出し価格の決定や買主との価格交渉も不動産会社と相談しながら進めましょう。

土地を売却して得た売却益には、所得税などの税金がかかります。
税額は売却益の額や、土地を所有していた期間などで決まるので確認が必要です。

このほか、古家付き土地や相続した土地、農地などを売却する際には、特別な費用や手続きが必要な場合があるので注意しましょう。
また境界が確定していない土地や、地中に埋設物がある土地などの売却にも注意を要します。

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構成・取材・文/大森広司 監修/税理士法人タクトコンサルティング
公開日 2020年01月30日
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