土地の査定方法は? 査定額を左右するポイントを徹底解説

土地の査定方法は? 査定額を左右するポイントを徹底解説

土地を売却するにはまず、不動産会社に価格の査定を依頼します。
つまり、土地を高く売るには査定額が高い必要があるのです。
では査定額を左右するポイントはどこになるのでしょうか。
土地の査定方法や法規制との関係なども含めて解説しましょう。

土地の査定方法

3つの公的評価額で自分の土地を査定する

不動産会社に土地の査定を依頼する前に、自分で査定する方法を紹介しましょう。

自分で土地を査定する場合は、周辺の土地の価格相場を知る必要があります。
周辺相場は不動産情報サイトなどでもある程度は把握できますが、土地の公的な評価額を確認することがより確実です。

土地の公的評価額には「公示地価(または基準地価)」「相続税路線価」「固定資産税評価額」の3つがあります。
それぞれデータを公表する機関や調査時期、調査の目的などが異なるので、それぞれの特徴を理解して活用するようにしましょう。

土地の公的評価額の比較

◆公示地価と基準地価
公表機関:国土交通省(基準地価は都道府県が調査し、国土交通省が発表)
調査時期:毎年1月1日時点(基準地価は7月1日時点)
調査目的:公的な地価データとしてさまざまな指標に活用

◆相続税路線価
公表機関:国税庁
調査時期:毎年1月1日時点
調査目的:相続税などを算定する際の評価額を決めるため

◆固定資産税評価額
公表機関:市区町村
調査時期:1月1日時点(3年ごとに見直し)
調査目的:固定資産税などの算定の基準とするため

公示地価とは

公示地価は国土交通省が毎年1月1日時点の全国約2万6000地点の地価を調査し、公表しているものです。
公的な地価の指標として、さまざまな場面で活用されています。

また公示地価と並ぶ公的な地価データとして基準地価があります。
基準地価は毎年7月1 日時点の全国約2万1000地点の地価を都道府県が調査し(都道府県地価調査と呼びます)、国土交通省が全国のデータをとりまとめて公表しているものです。

国土交通省の「土地総合情報システム」では公示地価や基準地価が掲載されたマップを見ることができます。
自分の土地の近くに調査地点があれば、地価相場の参考になるでしょう。

土地総合情報システム

相続税路線価とは

相続税路線価は国税庁が毎年公表している地価のことです。
路線価とは道路に対応した土地の価格、つまり道路に面した土地の価格水準を表したものを指します。

相続税路線価は文字どおり相続税の基準となる相続税評価額を計算するために国税庁が定めているものです。
価格は公示地価の80%相当を目安に定められており、「路線価図」には1m2当たりの単価(千円単位)が記載されています。

例えば自分の土地が接している道路の路線価が20万円(路線価図では「200」と記載されます)で、土地の広さが100m2であれば、単純計算で20万円×100m2で2000万円がその土地の相続税評価額ということです。
ただし実際には土地の形状や接している道路の数などで実際の評価額は異なります。

この相続税路線価は国税庁の「路線価図」で調べられるほか、一般社団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」でも確認できます。

路線価図

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額は固定資産税や都市計画税の税額を計算するために、市区町村で定める土地や建物の価格のことです。
地価は公示地価の70%相当額を目安に定められ、3年ごとに見直されます。

固定資産税評価額は土地を所有していると市区町村から毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に付いている「課税明細書」に記載されています。
また市区町村では毎年4月1日から一定期間、域内の土地や建物の固定資産税評価額が分かる固定資産縦覧帳簿(固定資産課税台帳)を公開しています。

なお、土地の固定資産税評価額は相続税評価額と同様、道路ごとの路線価を基に決められています。
前述した「全国地価マップ」では、固定資産税路線価も見ることができます。

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(写真/PIXTA)

相続税路線価で土地を査定する方法

公的な評価額の中でも、土地の査定価格を求めるのに最も適しているのは相続税路線価です。

公示地価や基準地価は調査地点数が限られるため、自分の土地の近くに同じような条件の調査地点があるとは限りません。
また固定資産税評価額は自分の土地の評価額がすぐに分かりますが、更新が3年に一度なので最新の地価が反映されていないケースも少なくないのです。

これらに対し、相続税路線価は市街地であればほとんどの道路沿いに評価額が定められているので、自分の土地が接する道路の路線価は調べれば分かります。
また相続税路線価は毎年1月1日時点の公示地価を基準に決められ、7月上旬に発表されます。
6カ月ほどのタイムラグがあるとはいえ、毎年更新されるので“時価”に近い査定が可能といえるでしょう。

相続税路線価を利用して土地を査定するには、まず前述のように自分の土地が接している道路の路線価に土地面積を掛けて相続税評価額を算出します。
例えば路線価図で「300C」と書かれた道路に面した200m2の土地であれば、「30万円×200m2」で相続税評価額は6000万円です。

相続税評価額は公示地価の80%を目安としています。
公示地価はほぼ時価と考えられるので、相続税評価額を80%(0.8)で割り戻せば、その土地の時価が査定できるわけです。
相続税評価額が6000万円であれば、「6000万円÷0.8」で7500万円が査定価格となる計算です。

ちなみに2つ以上の道路に面する角地などでは、高いほうの路線価で計算するのが一般的です。

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(写真/PIXTA)

不動産会社が行う、簡易査定と詳細査定

ここまでは自分で土地の査定価格を計算する方法を見てきましたが、実際に土地を売却する場合には、不動産会社に査定を依頼することになります。
不動産会社が行う査定には簡易査定と詳細査定があり、まず簡易査定を依頼してから詳細査定に進む方法が一般的です。

簡易査定とは、インターネットなどで土地の所在地や面積など概要を伝え、査定価格を算出してもらう方法です。
不動産会社が現地に行かずにデータだけで査定するので、机上査定とも呼ばれます。

これに対し、不動産会社が現地周辺の状況や土地の状態などを確認して査定する方法が詳細査定です。
詳細査定では現地を訪問して隣地との境界や水道・ガスなどの配管状態などもチェックするので、訪問査定と呼ぶこともあります。

不動産会社に査定を依頼するときは、まず最低でも5社程度に簡易査定を依頼し、そこから絞り込んで3社程度に詳細査定を依頼するのが一般的です。
詳細査定による査定価格が提示されたら、価格の妥当性や担当者の信頼性なども踏まえて最終的に売却を依頼する不動産会社を選びます。

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(写真/PIXTA)

土地の査定額を左右するポイント

土地の価格は広さや方角だけで決まるのではありません。
最も重要なポイントは、その土地にどんな建物が建てられるかという点です。

ある土地に建てられる建物は、法律によってさまざまに規制がかけられています。
代表的なものとしては、建物の大きさを規制する建ぺい率や容積率が挙げられます。
また建物の用途を規制する用途地域も重要です。

このほかにも、土地が接している道路(前面道路と呼びます)の幅による規制や、北側の隣地への影響に配慮するための規制などもあります。
同じ広さや方角の土地でも、これらの法律上の規制によって、査定価格が大きく左右されるのです。

したがって土地を査定するにはその土地にかけられている法規制を調べる必要があります。
そうした作業は、不動産に関する法律知識が豊富な不動産会社に委ねるのが近道です。

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(写真/PIXTA)

駅からの距離

土地の価格を左右する重要なポイントの一つに、駅からの距離が挙げられます。
一般的には駅から近いほど価格が高くなり、遠いほど安くなります。

駅から遠い土地は住宅地としての人気が相対的に低く、また店舗などの立地にも適さない場合が多いため、ニーズが低く価格も低めになります。
逆に駅から近い土地は住宅地としてだけでなく、店舗やオフィスなどのニーズも高まるため、価格も高くなるのです。

ただし駅から遠くなるとバスや車を利用する人が増えるため、距離による違いがさほど価格に反映されなくなります。
駅から徒歩25分でも30分でも、価格には大きな差はでなくなるのです。

また郊外のエリアではそもそも近くに駅がないため、駅からの距離が査定価格にほとんど影響しないケースもあります。
駅からの距離による価格への影響は、エリアの特徴によっても異なるのです。

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(写真/PIXTA)

土地の面積

土地の面積は査定価格を左右する重要なポイントです。
そのことは、相続税評価額が路線価に面積を掛けて計算することからも分かります。
同じ路線価なら、面積が広いほど評価額が高くなるのです。

土地の面積が広いと、建てられる建物の種類も増えます。
例えば100m2程度の広さの土地であれば、建てられるのは一戸建てぐらいしかありません。
しかしもっと土地が広くなれば、アパートやオフィスビル、マンションなどが建てられるようになり、土地の価値が高まるのです。

ただし土地の単価(m2単価)については、広ければ高くなるとは限りません。
土地が広くなると単価が高くなるケースもあれば、逆に単価が低くなるケースもあります。

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(写真/PIXTA)

土地の形状

土地の形状も価格を左右します。
一般的には正方形など整った形の土地ほど価格は高くなります。

逆に途中で折れ曲がったような土地や、旗竿状の土地は建物が建てられない部分が生まれやすいため、価格は低めになります。

ただし土地の広さに余裕があれば、多少変形していても建物を建てるのに十分な広さを確保しやすくなり、形状による価格の差は小さくなります。

また土地の形状を活かして個性的な形の建物を建てたり、建物が建てられない部分を駐車スペースにするといった工夫もできるため、変形した土地だからといって住宅地に適さないとは言い切れません。

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(写真/PIXTA)

前面道路の幅

前面道路とは土地が面している道路のことですが、この前面道路の幅によっても土地の価格が左右されます。
というのも、前面道路の幅によってその土地の容積率に制限がかかるからです。

容積率とは建物の大きさを規制する数値で、「100%」「200%」などと表記されます。
具体的には土地面積に対する建物の延べ床面積の割合を示しており、容積率を超える延べ床面積の建物は建てられません。

例えば土地面積150m2で容積率200%の土地に建てられる建物の延べ床面積の上限は、以下の計算式で求められます。

土地面積150m2×容積率200%(2.0)=300m2

この容積率は後述する用途地域によって地区ごとに定められています。
ただし用途地域による制限に加えて、前面道路の幅による制限もかかるのです。

前面道路による容積率の制限は、住居系の用途地域と非住居系の用途地域とで、それぞれ以下のように決められています。
これらは前面道路の幅が12m未満の場合に適用されます。

住居系用途地域:前面道路の幅(m)×40%
非住居系用途地域:前面道路の幅(m)×60%

例えば住居系用途地域で前面道路の幅が4mの土地の場合の容積率の上限は以下の計算式で求められます。

前面道路の幅4m×40%=160%

用途地域で決められた容積率(指定容積率と呼びます)と、前面道路の幅で制限された容積率とでは、どちらか小さいほうが適用されます。
したがって前面道路の幅が4mの土地の場合は、たとえ指定容積率が200%でも、実際に適用される容積率は160%に制限されるのです。
この場合、土地面積が150m2であれば、建てられる建物の延べ床面積の上限は以下のように計算されます。

土地面積150m2×容積率160%(1.6)=240m2

このように前面道路の幅が狭いと容積率が制限されるため、その土地に建てられる建物の大きさが小さくなり、価格が下がることになるのです。

土地の間口と奥行き

土地の間口と奥行きも価格に影響します。
間口は広いほうが建物プランの自由度が高くなり、日当たりが良くなるのが一般的なので、土地の価格が高くなります。
もちろん奥行きも長ければ土地が広くなるので、さらに有利です。

逆に間口が狭いと、奥行きが長くて面積が確保されていても使い勝手が良くないため、土地の価格は低めになります。

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(写真/PIXTA)

前面道路との関係(角地など)

土地と前面道路との関係も、価格を左右します。

一般的には土地の一方だけが道路に面している中間画地よりも、二つの道路が交差する角にある角地のほうが価格は高くなります。

角地は中間画地に比べて日当たりや風通しが良い場合が多いからです。
特に土地の南側と東側が道路に面している南東角地は価格が高くなる傾向にあります。

また商業地の場合は角地であれば出入口が2カ所設けられたり、通行人からの視認性が高まるので、商売が有利になって価格が高まります。

同様に、土地の一方と反対側の二方が道路に面している二方路地も、風通しや日当たり、視認性などの面で有利になり、価格が高くなります。

中間画地、角地、二方路地

なお前面道路が坂道となっている、いわゆるひな壇の土地では、南東角地と中間画地との価格差に影響が出ます。
南側に下っている南向きのひな壇であれば、中間画地でもある程度の日当たりが確保できるため、南東角地との価格差は一般的に小さくなります。
逆に北側に下っている北向きのひな壇では、中間画地が南側の建物の影響をより大きく受けることになり、南東角地との価格差が大きくなる傾向にあります。

道路との高低差

道路との高低差が土地の価格に与える影響も無視できません。

一般的に道路より高い土地のほうが、低い土地よりも価格は高くなります。
道路より低い土地は生活排水を道路側の下水道本管に送らなければならないことが多く、ポンプアップするためのコストがかかるからです。
また道路より低い土地は日当たりや風通しが良くない場合も少なくありません。

一方、道路より高い土地は排水上のデメリットがないので、コストがかからず土地の価格も高めにできます。
ただし道路より高すぎると玄関までの階段や、擁壁が必要になり、コスト高となって価格が下がるケースもあります。

埋設物や土壌汚染

土地の地下に産業廃棄物などの埋設物がある場合は、それらを除去しなければならず、土地の価格が下がる要因になります。
また井戸が埋設されている場合は、専門会社に埋め戻しを依頼しなければならず、やはり価格が下がりやすくなります。

また土地面積が3000m2以上の広い土地や、工場跡地などでは土壌汚染の調査も必要です。
調査の結果、土壌汚染が見つかった場合は除去などの対策を講じなければならず、やはり価格が下がる要因になります。

埋設物も土壌汚染も、調査や対策は専門会社に依頼する必要があります。
心配な場合は査定を依頼する不動産会社と相談し、手配しなければなりません。

嫌悪施設との距離

土地の近くにいわゆる嫌悪施設がある場合は、土地の価格が下がりやすくなります。

嫌悪施設とは、騒音や悪臭、強い電磁波などが発生して生活に支障が出るような施設のことです。
具体的には産業廃棄物処理場や下水処理場、高速道路やガソリンスタンド、工場、墓地、高圧電線などが挙げられます。

こうした嫌悪施設が近くにある場合は、売買契約時に不動産会社が重要事項として説明する必要があるため、土地の価格に影響が出てしまうのです。

ただし、どの施設が嫌悪施設かは明確な規定はありません。
またどの程度近ければ説明する必要があるかも決まりはないので、不動産会社と相談して説明するかどうかを決める必要があります。

土地査定額と法規制

土地査定額と都市計画法の関係

土地の査定額は、法律によりその土地にかけられた規制によって大きく左右されます。
なかでも重要な法律が都市計画法です。

都市計画法とは、都市の健全な発展と秩序のある整備を目的とした法律です。
この法律では、全国の土地を「都市計画区域」「準都市計画区域」「都市計画区域外」の3つに分けており、特に都市計画区域での法規制を厳しくしています。

都市計画区域は計画的な街づくりを行うための区域で、大都市だけでなく比較的人口の少ない自治体も都市計画区域に指定されています。

都市計画区域はさらに「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引区域」の3つに分けられます。
市街化区域はすでに市街地を形成している区域や、今後優先して計画的に市街地を形成すべき区域です。

例えば東京23区はほとんどが市街化区域に指定されています。

これらの区域と土地査定額との関係では、まず都市計画区域外は人口密度が低いエリアであり、土地のニーズが低いため、土地の価格も低くなります。

また都市計画区域内であっても、市街化調整区域は農地や森林などを守ることに重点が置かれており、住宅などを建てることは原則としてできません。

そのため市街化調整区域は土地の価値が低くなり、査定額も低くなるのです。

逆に市街化区域は積極的に市街化が行われるエリアなので住宅やビルなどが建てやすく、土地の価格が高くなります。

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(写真/PIXTA)※写真と本文は関係ありません

土地査定額と用途地域の関係

都市計画区域内の市街化区域には、さらに景観保護や防火対策などの観点から21の地域区分があり、その中の1つに「用途地域」があります。

用途地域は前述したように建てられる建物の用途を制限するための規制で、2019年4月に新設された「田園住居地域」を加えて13地域あります。

用途地域には大きく分けて住居系、商業系、工業系の3つのタイプがあります。
住居系は住宅を中心とした区域、商業系は商業施設が中心の区域、工業系は工場が中心の区域です。

用途地域の3タイプ

◆住居系
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域

◆商業系
近隣商業地域、商業地域

◆工業系
準工業地域、工業地域、工業専用地域

用途地域と土地査定額については、建てられる建物の用途が多いほど価格が高くなるという関係が見られます。
多くの種類の建物が建てられればそれだけ多くの人が欲しいと考えるため、ニーズが高まって価格が高くなるのです。

その意味では商業地域が最も建てられる建物のバリエーションが広いといえるでしょう。
商業地域では商業施設をはじめ、オフィスやホテル、住宅も建てられます。
商業施設が建てられる地域はにぎわいがある半面、閑静な住環境は期待しづらいのですが、土地の価格水準は高くなります。

逆に規制が最も厳しいのは第一種低層住居専用地域です。
第一種低層住居専用地域では容積率が50%~200%に制限され、建物の高さも10mや12mなどに規制されます。

そのため第一種低層住居専用地域では低層の一戸建てが中心となり、大型の店舗やマンションなどは制限されるため、土地の価格としては低めになるのです。
ただし閑静な住宅地として人気の高いエリアもあるので、その場合は地価の水準が高めに保たれるケースもあります。

土地査定額と土地面積

面積が広いほど価格が上がるエリア

土地査定額は土地の広さとも深く関係します。
土地の単価が同じであれば、土地が広いほど価格は高くなります。
しかし同じエリア内で狭い土地と広い土地とが同じ単価というケースはあまりないでしょう。

土地単価に着目すると、土地が広くなるほど単価が高くなるエリアと、逆に広くなると単価が低くなるエリアがあります。

まず土地が広くなるほど土地単価が高くなるエリアとは、マンションやオフィスビルなど大型の建物が建てられる地域です。
例えば第一種中高層住居専用地域はそうした地域の一つです。

第一種中高層住居専用地域は主にマンションなど中高層の住宅の開発を想定した用途地域です。
この地域では2000m2前後より広い土地であればマンションを建てられるので、マンションデベロッパーなどが買い手となり、高い価格で土地を売却しやすくなります。
中高層のマンションは一つの土地で多くの住戸を開発できるので、土地価格が高くてもデベロッパーが利益を確保できるからです。

逆に第一種中高層専用地域にあるにもかかわらず200m2前後しかない小さな土地だと、一戸建てぐらいしか建てられないため土地の価格は低めになります。
一戸建ては一つの土地に1戸の住宅しか建てられず、分割したとしても数が限られるので、土地が高いとデベロッパーが利益を確保しにくくなるためです。

同様に、商業系の用途地域など高層の建物が建てられる地域は、土地が広いほど土地の単価や価格が高くなります。

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(写真/PIXTA)

面積が広いほど価格が下がるエリア

エリアによっては土地の面積が広いほど価格が下がるケースもあります。
典型的な例が第一種低層住居専用地域です。

前述したように第一種低層住居専用地域は建物の規制が厳しく、低層の一戸建てが中心のエリアになります。
そのようなエリアでは広い土地が売りに出されてもマンションの建設には適さず、マンションデベロッパーが購入しないので高い価格では売りにくいのです。

ある程度まとまった広さの土地では建売の一戸建てを何棟かまとめて建てて分譲するケースもありますが、その場合は土地の中に新たに道路をつくるなど、開発コストがかかります。
そのため土地価格が高いとデベロッパーの利益が少なくなってしまうので、土地の単価を抑える必要があるのです。

第一種低層住居専用地域でも、3階建ての低層マンションなら建てることが可能です。
とはいえ、低層マンションは土地の広さのわりに戸数が限られるので、一戸建てを建てるのとさほど条件は変わりません。

また市街化調整区域内の土地も規制が厳しく、建物が原則建てられないため、土地が広いほど単価が下がる傾向が見られます。

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(写真/PIXTA)

土地査定額と前面道路

接道義務とは

土地の査定額はその土地が面している前面道路との関係からも影響を受けます。

都市計画法をはじめとした法規制では、前面道路に関するさまざまな規制を設けています。
なかでも最も基本的な規制は接道義務と呼ばれるものです。

都市計画法で定められた都市計画区域と準都市計画区域では、幅4m以上の道路に間口2m以上接していないと建物を建てられません。
ここでいう道路とは建築基準法で定められた道路のことで、私道も含みます。

古い建物が建っている土地の中には、もともと道路に面した広い土地だったものを道路に面した部分を分割してしまったためなどにより、接道義務を満たしていないものも見かけられます。
その場合は建物を取り壊して建て替えることができず、広告上は「再建築不可」と表示しなければならないため、土地の価格が大幅に低くならざるを得ません。

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(写真/PIXTA)

セットバックとは

建築基準法では上述の接道義務を満たしていない土地に建物は建てられません。
しかし古い土地の中には建築基準法ができる以前から使われていて、前面道路が4mに満たないものも少なくないのです。

そのような土地に新たに建物を建てる場合は、前面道路の中心線から敷地を2m後退させる必要があります。
これをセットバックと呼び、セットバックした部分には建物や塀などを建てることはできません。

つまりセットバックした部分は道路と見なされるので、その分は土地の面積が縮小したことになるのです。

セットバックがまだ済んでいない土地を売却するときは、広告上はセットバック部分も含めた面積で表示したうえで「要セットバック」と明記するのが通常です。
しかし実際にはセットバック後の面積しか使えないため、セットバックする分は土地の価格が低く査定されます。

セットバックが必要な土地、不要な土地

私道はどう査定される?

まとまった広さの土地を一戸建て用地として開発する場合は、接道義務を満たすために新たに道路をつくるケースがあります。
この場合、新たな道路は公道として自治体が所有する場合もありますが、私道として道路に面する土地の所有者が共有とする場合も少なくありません。

ただし、私道を共有していたとしてもあくまで道路なので、建物を建てたり駐車場として利用することは原則できません。
したがって、私道に面した土地を査定する場合は、私道部分は敷地に含まれないものとして評価することになります。

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(写真/PIXTA)

土地査定の流れと手続き

自分で査定してから不動産会社に依頼

土地の査定をする場合には、まず自分で公示地価や相続税路線価などの公的な地価データを調べ、価格を査定してみます。
そうすることで周辺の土地の相場が把握できるので、不動産会社に査定を依頼して査定価格が適切かどうかを判断するときにも役に立つでしょう。

次にインターネットなどを使い、不動産会社に簡易査定を依頼します。
土地の所在地や面積、前面道路の状況などを伝え、机上で査定価格をはじき出してもらうのです。

この簡易査定は5社前後など、できるだけ複数の不動産会社に依頼し、比較します。
不動産会社の中には売却を依頼してもらうため、相場より高めの査定価格を提示するケースもあります。
あらかじめ自分で周辺相場を把握し、複数の不動産会社による査定価格を比較することで、適正な価格かどうかが判断できるでしょう。

次に3社程度の不動産会社に絞り、現地を訪問して詳細査定をしてもらいます。
詳細査定では土地が面する前面道路の幅や隣地との境界、地下埋設物の有無などが詳細に調べられます。
詳細査定は調査する項目が多く、自治体の窓口などで書類を確認しなければならないケースもあるため、査定価格が提示されるまで1週間から10日以上かかる場合もあります。

さらに詳細査定による査定価格を比較し、納得のいく説明をしてくれた不動産会社を選んで媒介契約を締結します。
契約後は査定価格を参考に売り出し価格を決定し、売却活動をスタートさせます。

地査定の流れ

土地査定に必要な書類

土地の査定を不動産会社に依頼するときに、簡易査定の段階では特に書類は必要ありませんが、詳細査定ではいくつかの書類を用意する必要があります。

まず必要なのが登記済権利証または登記識別情報通知書です。
これは土地の所有権を登記したときに法務局から発行されたもので、土地を購入した当時の書類を保管しておきます。
もし書類を紛失してしまったら、司法書士に手続きを依頼しなければならず、手数料が数万円程度かかります。

土地に境界票があれば問題ありませんが、ない場合は隣地との境界を確認するため地積測量図や境界確認書が必要になります。
これらの書類がない場合は土地家屋調査士に依頼し、作成する必要があります。
書類の作成には数カ月を要し、費用が数十万円かかる場合が多いので注意しましょう。

このほか、土地を購入したときの地盤調査報告書や売買契約書、重要事項説明書なども、査定の参考資料として用意しておきます。
これらの書類はなくても査定はできますが、あれば調査すべき項目が明確になり、査定にかかる時間を短縮できるケースもあるでしょう。

また自治体から毎年送られてくる固定資産税納税通知書や、それに代わる固定資産評価証明書も必要です。
これらは売買契約時に買主と固定資産税や都市計画税を精算する際にも、税額を確認する資料として必要になります。

土地査定に必要な書類・資料

◆登記済権利証または登記識別情報通知書
所有権が登記されたことを証明する書類。再発行はされないので大切に保管しておく必要がある

◆地積測量図・境界確認書
隣地との境界を確認するために必要な書類。ない場合は土地家屋調査士に作成を依頼する。費用は数十万円、作成に数カ月かかることが多い

◆地盤調査報告書、売買契約書、重要事項説明書
土地を購入したときに入手した書類。地盤調査を改めて行う場合は10万円前後かかる

◆固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書
固定資産税・都市計画税の税額確認に必要な書類

所有権移転登記の税率と手続き

土地を売却するときには、売主から買主へ所有権を移すための所有権移転登記の手続きが必要です。
この登記手続きの際には登録免許税と司法書士への報酬が発生します。

登録免許税は土地の固定資産税評価額に1.5%の税率をかけて税額を計算します。
例えば固定資産税評価額が1300万円だったとすると、税額は「1300万円×1.5%」で19万5000円です。
なお税率は本来2%ですが、2021年3月31日までは1.5%に軽減されています。

買主が住宅ローンを借りて購入代金を支払う場合は、土地を引き渡すときに金融機関による抵当権の設定と代金の支払い、さらに所有権の移転を同時に行います。
これらの登記手続きは司法書士に委託するので、報酬として10万円前後かかります。

なお、所有権移転登記の登録免許税や司法書士への報酬は買主が負担するケースが一般的ですが、念のため確認しておきましょう。

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(写真/PIXTA)

まとめ

土地を査定するときにはまず自分で公的評価額などを参考に査定価格を計算してみます。
公的評価額とは地価公示や相続税路線価、固定資産税評価額などのことです。
このうち最も参考になるのは、国税庁のHPで見ることができる相続税路線価です。

自分で査定をして価格相場が把握できたら、不動産会社に査定を依頼します。
まず複数の会社にインターネットなどで簡易査定を依頼し、そこから3社程度に絞り込んで詳細査定を依頼しましょう。

土地の査定額を左右するポイントとしては、法律上の規制や駅からの距離、土地の面積や形状、前面道路の幅、土地の間口と奥行き、前面道路との関係、道路との高低差、埋設物や土壌汚染、嫌悪施設との距離が挙げられます。
このうち特に法規制や土地面積、前面道路との関係についてはよく理解しておきましょう。

土地査定には登記内容や隣地との境界を確認する資料が必要です。
また土地を購入したときの契約関係の書類や、毎年納めている固定資産税の税額を確認する資料も必要になるので、準備しておきましょう。

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構成・取材・文/大森広司
公開日 2020年01月30日
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