長く住んでいると、家が手狭に感じたり、家族のライフスタイルに合わなくなったりするもの。しかし不満はあっても、買い替えは大変そう……と二の足を踏んでいる人もいるのでは? 先輩の声を参考に、はじめの一歩を踏み出してみよう。
なぜ買い替えたの? 住み心地はどう? 先輩たちの本音
20年で傷みが目立つように 新築の最新設備に大満足
●築古マンション→新築マンション/Kさん 50代カップル
家を購入してから20年ほどたって、ところどころ傷みが目立つように。リフォームも検討しましたが、新築マンションを見学したところ、最新設備の進化ぶりにひと目で気に入り、買い替えを決意しました。住んでみると、新築の家は冬でも暖かいし、窓まわりが結露しないので掃除もラク。キッチン収納も機能的で片付けやすく、大満足です。
息子の独立を機に買い替え 便利な都心暮らしを満喫中
●郊外マンション→都心マンション/Iさん 60代カップル
子育てをしていたときは環境を重視して、郊外に家を買いました。でも、成長した息子たちが独立した後は、家が広すぎると感じるように。夫婦2人の生活になったので、思い切って妻の実家に近い都心で暮らそうと買い替えを決めました。今では、仕事からの帰宅途中に妻と待ち合わせて食事をするなど、都心暮らしを楽しんでいます。
駅から遠くて送迎が大変! 駅近に住み替えたら便利に
●駅遠マンション→駅近マンション/Mさん 40代ファミリー
前居は幼稚園や習い事の教室が遠く、駅前に月決め駐車場を借りて送り迎えをしていました。駅近のマンションに住み替えたら、送り迎えが楽になっただけでなく、子どもの帰宅を知らせるメールが携帯に届くという、マンション独自のサービス機能もあって助かっています。たった10年でマンションが便利になっていることを実感しました。
子どもの希望で一戸建てに のびのびと子育てを実践中
●広々マンション→注文住宅/Tさん 40代ファミリー
前は広めのマンションでしたが、それでも学習机を2つ並べるとキチキチに。庭付き一戸建ての友人宅でBBQを体験したら、子どもが「一戸建てに住みたい」と言い出しました。ちょうど通学区域に土地が見つかり、住宅展示場で気に入った輸入住宅を建てました。走り回ったり、ピアノを弾いたり、犬を飼い始めたりと、のびのびと子育てができています。
2人目誕生で部屋数を優先 それぞれに子ども部屋を
●コンパクトマンション→広々マンション/Tさん 40代ファミリー
初めてのマイホームは、利便性や予算を重視し、都心のマンションを購入しました。でも購入して1年後に2人目が生まれました。いずれ成長したら、2人にそれぞれ子ども部屋が必要になると考え、広い家への買い替えを決意。長男の小学校入学までに引越そうと時期を決めて探し、希望通りに子ども部屋が2室ある広さの家に引越しました。
知っておきたい買い替えQ&A
実際に買い替える場合には、疑問や不安も多いはず。気になるダンドリや不動産会社選びのことなどをQ&A形式でまとめました。
Q.買い替えって何から始めればいいの?
A.売却の査定依頼からまず始めよう
買い替えの主な流れは下の図のとおり。売却と購入を並行して進める必要があり、「売却決定」と「購入物件の申し込み」のタイミングをなるべく合わせることがポイントに。そうすれば、希望額で売れずに購入を断念したり、無理なローンを組んだりすることが避けられる。まずは不動産会社に、売却する物件の査定を依頼し、段取りを相談しながら、新居の予算を把握しよう。
Q.失敗しないための秘訣ってあるの?
A.信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶこと
不動産会社に売却を依頼すると、広告活動などを通じて買主を探し、買主と交渉を進める。資金計画や段取りなどの助言もしてくれるので、売却活動の重要なパートナーになる。不動産会社にはそれぞれ特徴があるので、複数の不動産会社に査定依頼し、直接面談してどういった売り方をするのか、自分たちの事情をきちんと聞いてくれるかなどをしっかり見極めよう。
●全国ネットワークの不動産会社
全国的に店舗を持ち、独自のネットワークで広域の幅広い情報を収集している。グループ内に分譲会社やリフォーム会社、管理会社などがあるケースが多い。
●地元で広域展開の不動産会社
特定の沿線やエリアに集中的に店舗があり、そのエリアに関する幅広い情報を持っている。仲介が専門の場合もあれば、グループ会社(分譲やリフォーム等)の場合も。
●地元密着の不動産会社
駅前などに店舗があり、その周辺地域で仲介を行う。地元に密着して営業しているのが特徴で、独自の物件ルートや詳細な地域情報を持っているケースも多い。
Q.査定依頼で注意すべきポイントは?
A.査定額の高さだけで不動産会社を選ばない
カギは、今の家が住宅ローンの残高以上で売却できるか。ローン残高を下回る場合は、売却代金に貯蓄などを加えてローンを完済する必要がある。売却や購入には税金や事務手数料などの諸費用も必要になるので、貯蓄が少ないと買い替えが難しいという場合も。査定額や資金計画については、不動産会社にじっくりと相談しよう。
Q.ローンがまだあるけど買い替えられる?
A.今の家がローン残高以上で売れるかがカギ
カギは、今の家が住宅ローンの残高以上で売却できるか。ローン残高を下回る場合は、売却代金に貯蓄などを加えてローンを完済する必要がある。売却や購入には税金や事務手数料などの諸費用も必要になるので、貯蓄が少ないと買い替えが難しいという場合も。査定額や資金計画については、不動産会社にじっくりと相談しよう。
買い替えも視野にまずは気軽に相談から始めよう
家を買い替えることは、ハードルが高いことかもしれない。でも、今の住まいや暮らしに不満があるのなら、我慢して暮らすのではなく、買い替えを考えてはいかがだろうか。そうすれば、買い替えた先輩たちのように、新居で家族が今より快適な暮らしを送ることができるはず。まずは「気軽にプロに相談する」という第一歩を踏み出してみよう。
2016年9月7日 SUUMOマガジン広島版より転載
構成・取材・文/山本久美子 イラスト/木村吉見