税金は?相場は?プロが教えるマンション売却の基礎知識

税金は?相場は?プロが教えるマンション売却の基礎知識

新しい家に住み替えるために、今住んでいるマンションを売却したい。そんなとき、まず何から始めればいいのだろう。売却準備から引き渡しまでのダンドリや、損をしないために知っておきたいノウハウを、マンション売却に詳しい住宅コンサルタントの平賀功一さんに聞いた。

何から始めたらいい?不動産仲介会社はどう選ぶ?

売却方法は3種類。自分に合う方法を検討

マンション売却に向けて、具体的に行動を起こす前に、まず明確にしておきたいのは売却の理由とタイミング。
「なぜ売却を考えているのか、その理由を明確にしましょう。買い替えを前提とした売却なら、今の自宅の不満点を整理することが、満足度の高い購入物件選びにつながります。また、2018年の今は都心のマンション価格は高止まりで売却には有利で、低金利で住宅ローンの借り入れも好条件な時期。しかし、買い替えの場合は購入する物件も高くなっているので、自分にとって、今が売却のタイミングとして本当にベストなのかも要チェックです」(平賀さん、以下同)

マンションを売ると決めたら、次に考えるのは売却方法。マンションの売却には大きく分けて次の3つの方法がある。
(1)中古市場で売り出す
(2)買取保証制度を付けて中古市場で売り出す
(3)不動産仲介会社やリノベーション会社等に直接買い取ってもらう

(1)は不動産仲介会社に依頼して買主を見つけ、売却する方法。(2)は不動産仲介会社に売却を依頼した後、一定期間内に売れなかった場合、あらかじめ約束した金額で不動産仲介会社に物件を買い取ってもらう方法。(3)は不動産仲介会社や、中古物件を買い取ってリノベーションし再販する会社に売却する方法だ。

マンション売却の流れを知っておこう

この記事ではマンション売却で利用の多い、(1)中古市場で売り出す方法(不動産仲介会社に依頼)を紹介する。マンションを売ろうと決めてから引き渡しまでの流れは下の図のとおり。

マンション売却の流れ(不動産仲介会社に依頼する場合)
マンション売却の流れ(不動産仲介会社に依頼する場合)

この流れのなかで不動産仲介会社は、いくらで売れそうかという査定や、物件の広告活動、オープンハウス開催による集客活動、購入希望者の案内、価格交渉への対応、売買契約など諸手続きのサポートを行う。

売りが先か買いが先か。それぞれのメリット・デメリット

買い替えの場合、新居の購入よりも売却を優先して進める「売り先行」にするか、購入する物件を探してから現在の家を売る「買い先行」にするかで売却や購入の流れが違う。それぞれにメリット、デメリットがあるので知っておこう。

売り先行 買い先行
メリット ・購入前に売却金額が分かることで、資金計画が明確になる ・購入したい物件が見つかったら、申し込みのタイミングを逃す心配がない
デメリット ・居住しながら売却活動をしなければならない
・売却後、タイミングによっては仮住まいをする必要がある
・売却できない場合、資金計画によっては購入物件をキャンセルすることになる

不動産仲介会社選びは地域密着度やサービスに注目

不動産仲介を行う会社は数多くある。どんな視点で依頼先を選べば売却がスムーズに進むのだろう。
「中古マンションの売買では、売主・買主と営業担当者がマンツーマンで売却を進めます。そのため、営業担当者の力量が重要。何人の購入検討者を抱えているか、どれだけ地域密着の営業活動をし、担当エリアに精通しているかが結果にダイレクトに反映されます。地域担当制で営業展開している会社かどうかを確認するといいでしょう」

また、査定を依頼する際には、全国展開している大手の不動産仲介会社、マンションの売買を専門に行う不動産仲介会社、地元の不動産仲介会社の3タイプに相見積もりを頼むのもコツ。
「大手は取り引き実績やデータが豊富。地元の会社には地元でしか知り得ないレアな情報があります。マンションの仲介に特化した会社はマンション管理の知識が豊富な営業担当者が多いなど、それぞれに特徴があります。異なる特色の会社から相見積もりをとることで、売却物件の魅力や弱点が浮き彫りになり、より効果的な売却方法や売り出し価格の設定が見えてきます」

そのほか、最近は、引き渡し後に住宅設備の不具合などが見つかった場合に、一定期間、不動産仲介会社が保証するサービスもある。売却物件のクリーニングサービスや、家具の一時預かり、不要品売却のサポートなど、増えているさまざまなサービスを比較して依頼先を検討するのもいい。

媒介契約のタイプは、専任媒介契約を選ぶのが一般的

物件の売却を不動産仲介会社に依頼するときには、媒介契約を結ばなくてはならない。媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3タイプがあり、それぞれに下の表のような特徴がある。

媒介契約の種類と特徴

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社との契約 ×(契約は1社のみ) ×(契約は1社のみ)
レインズ(不動産流通機構)への登録 任意 契約から7日以内に登録 契約から5日以内に登録
自分で買い手を見つけた場合 不動産仲介会社の仲介無しで売却できる 不動産仲介会社の仲介無しで売却できる 不動産仲介会社の仲介が必要
販売状況の報告義務 無し 2週間に1回以上 1週間に1回以上
契約の有効期間 制限無し 3カ月以内 3カ月以内

「多いのは専任媒介契約での売却。このタイプは、1社だけに売却活動を依頼するので一般媒介契約に比べて積極的な販売活動が期待できます。売主が自分で買い手を見つけた場合は仲介無しで売却できるのも特徴です。媒介契約は最長3カ月なので、まずは専任媒介契約を結んで様子を見て、信頼して全てを任せられると感じたら専属専任媒介契約へ切り替えたり、あまり積極的に活動してくれないなら他社に変更するのもいいでしょう」

マンション売却で入るお金と出ていくお金は?

売り出し価格はどう決めたらいいのか

「中古物件の売買では、価格交渉で値引きになるという取引慣行が定着しています。ですので、私の個人的意見ですが、『査定価格』+『想定される値引き分』を売り出し価格にするのが成約率の高さにつながると考えています」

では、「査定価格」はどう決まるのだろう。
中古物件の場合、不動産仲介会社による査定価格は、駅からの距離や広さ、築年数などのほか、同条件の物件が取り引きされた際の相場などから試算する方法(取引事例比較法)をもとに、各項目を一定のルールに従って加点、減点して物件を数値化する方法(スコアリング方式)が併用されて計算される。

売り出し価格は、査定後、依頼する不動産仲介会社と相談して決めるといいだろう。

マンション売却にかかる諸費用

マンション売却でかかる費用や税金、手数料について知っておこう。なお、居住用マンションと投資用マンションでは課税される税金が違うが、ここでは居住用マンションの売却にかかる諸費用について挙げる。

【主な諸費用】(不動産仲介会社に仲介を依頼する場合)
・仲介手数料
不動産仲介会社に支払う報酬。物件価格が400万円超の場合は「物件価格×3%+6万円+消費税」が上限。

・譲渡所得税
売却して得た金額から仲介手数料や印紙代などの必要経費をマイナスして利益が出た場合、他の所得とは別に所得税と住民税が課税される(保有期間5年以下か5年超かで税率が違う)。確定申告が必要。

・印紙税
売買契約書に印紙を貼って納める国税。

・抵当権抹消にかかる費用
住宅ローンが残っていた場合、抵当権を抹消するためにかかる登録免許税等の費用。

・一括繰り上げ返済手数料
住宅ローンの残債を一括で完済する場合にかかる手数料。金額は金融機関や残債金額などによって違う。

高く売れた場合、売却損が出た場合に使える控除や特例

不動産売却には税額が軽減されるさまざまな特例や控除がある。居住用の不動産を売った場合の特例にはどんなものがあるか、下の図でチェックしよう。

マンション売却にかかわる控除や特例
マンション売却に関わる控除や特例

・3000万円の特別控除
住んでいた家を売却して利益が出ても、そこから3000万円を控除できる特例。売却益が3000万円を超えた分に長期・短期譲渡所得税がかかるが、売却益が3000万円までなら譲渡所得税は実質ゼロになる。

・居住用財産の買替え特例
買い替えの場合、売った家の譲渡価格より買い替えた家の取得価格のほうが高い場合、買い替え時には譲渡益への課税がされない。3000万円の特別控除との併用はできない。

・譲渡損失の繰越控除
家を売却し、10年以上の住宅ローンで新居を購入して損失が出た場合、その年の給与所得などと合算して損益通算することで所得税、住民税が軽くなる制度。例えば、売却損が1000万円で給与所得が400万円なら、初年度は400万円、2年目は400万円、3年目は200万円を差し引いた所得に課税される。

買い替えの場合に知っておきたいポイントは?

住宅ローンの残債が完済できるかが重要

今住んでいるマンションに住宅ローンの返済がまだ残っている場合、残債をすべて返して抵当権を抹消しないと売却ができない。残債を上回る金額で売却できればいいが、そうでない場合は、自己資金や親からの資金援助で完済するなどの対策が必要。
「金融機関によっては、残債分と新居の資金をまとめて借りる買い替えローンがありますが、融資条件が厳しく審査が通らない場合も多いです。買い替えを前提とした売却なら、まず、住宅ローンの残債はいくらあるか、売却することで完済できそうかを確認しましょう」

高く売りたい。早く売りたい。さまざまな希望をかなえるには?

「少しでも高く売るなら、部屋の第一印象を良くする努力と工夫が大切。住みながらの売却活動は生活感が満載であまり印象は良くありません。退去した状態や最低限でもクリーニングは必要。家具や小物で住戸内を演出するホームステージングをするのもひとつの方法です」

少しでも早く売りたい場合、値下げをするのはよくあるケース。しかし、そのほかにも方法はある。
「不動産仲介会社に直接買い取ってもらうのが最もスピーディーな売却方法。仲介手数料がかからず、中古物件を買い取ってリノベーションをして販売する会社に売る場合はリフォーム費用も不要というメリットがあります」

売る・買うのタイミングを合わせて仮住まいやトランクルームなどの費用を抑えたいというケースもあるだろう。その場合、新居は即入居可の物件を選び、現在の住まいは不動産仲介会社に買い取ってもらい、売却にかかる期間や入居までの期間を短くする。中古物件を検討するなら売却を依頼した不動産仲介会社に購入物件の仲介も依頼して、スケジュールの調整をしてもらうなどの方法も考えられる。不動産仲介会社に相談してみよう。

買い替えの場合、いくらでいつまでに売れるかが、新居購入のスケジュールに影響する。まずはいくらで売れそうかを把握して買い替え全体をイメージすること。そのためにもまずは不動産仲介会社の査定を受けてみよう。

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取材・文/田方みき
公開日 2018年08月29日
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