自宅売却で損しないためのポイント。早く・高く売るコツ

自宅売却で損しないためのポイント。早く・高く売るコツ

自宅を売って住み替えたいけれど、損をしないためにはどうすればよいか分からないという人もいるでしょう。
ここでは自宅を売るときに損をしないためのポイントや、少しでも早く・高く売るコツを解説します。

自宅を早く・高く売るための4つのポイント

まず自宅を早く・高く売るためのポイントを見ていきましょう。
ポイントは4つあります。

【ポイント1】査定価格は高ければいいわけではない

自宅を売却するときには、不動産会社に自宅の売却価格を査定してもらいます。
そこで不動産会社から提示された査定価格を基に売却価格を決めるわけですが、査定価格がそのまま売却価格になるわけではありません。

不動産会社によってはとりあえず売却依頼を取り付けるため、周辺の相場価格より高めの査定価格を提示してくるケースもあります。
そのような場合、査定価格を鵜呑みにしてそのまま売却活動に入ると、なかなか買い手が見つからずにあとで大幅に値下げせざるを得なくなることも考えられるのです。

そのため、不動産会社から査定価格が提示されたら、まずはその査定価格が妥当かどうかを見極める必要があります。
自宅を売却する立場からするとすこしでも高く売却したいと考えるのは当然ですが、査定価格は高ければいいわけではないのです。

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(写真/PIXTA)

【ポイント2】経験と知識のある不動産会社に依頼する

不動産会社に自宅の価格査定を依頼するときには、その不動産会社の得意分野も見極める必要があります。
というのも、不動産会社といっても賃貸専門の会社や、新築一戸建てを主に扱う会社など、得意分野はさまざまだからです。

また得意とするエリアも不動産会社によって異なります。
その不動産会社の店舗のあるエリアの周辺にほぼ限定して営業している会社もあれば、複数の店舗ネットワークで比較的広い地域をカバーしている会社もあるでしょう。

不動産会社の担当者と対面したときには、どの程度の経験や知識があるかもチェックしてください。
同じ不動産会社でも担当者によって力量に差があり、経験や知識のある担当者に当たれば高く売れる可能性が高まる場合もあります。
不安を感じたときは、その不動産会社に依頼するのを再検討したほうがいいかもしれません。

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【ポイント3】適正な売り出し価格で売りに出す

実際に売りに出すときの売り出し価格が適正かどうかの見極めも重要になります。
売り出し価格をいくらにするかは、売却活動を左右する要素の一つだからです。

通常は売り手側が「少しでも高く売りたい」と考えるので、不動産会社が「この価格なら確実に売れるだろう」と考える査定価格よりも価格を上乗せして売りに出すのが一般的です。
問題はどの程度の価格を上乗せするかという点になります。

売り出し価格はそのときどきの住宅相場の動きや、売主が希望する売却までの期間などによって判断します。

例えば住宅相場が上昇傾向にあるときは、買い手側に「多少高めでも早めに買いたい」という心理が働きやすくなるので、査定価格に上乗せする価格を高めに設定するケースが多くなります。
これに対し、売り手側がなんらかの事情で「なるべく早く売りたい」と考えている場合は、査定価格への上乗せ価格は低めにして確実に売ることを優先するでしょう。

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【ポイント4】しっかり掃除をする。物を減らす。

査定価格や売り出し価格に直接影響するものではありませんが、購入検討者が家を見学する内覧時には家の中を片付けたり、掃除をしておくことも重要です。
家の中が散らかっていたり、掃除がされておらず汚れた状態になっていると、それだけで購入意欲が減退してしまいかねません。

また不要なものはなるべく捨てて家の中の物を減らしておけば、それだけ家が広く見えて売りやすくなるメリットもあります。
場合によっては専門のクリーニング会社に依頼して水まわりなどをピカピカにしておくのも効果的でしょう。

ただしリフォームまですることは、あまり効果が期待できない場合が多いようです。
壁紙やキッチンなどを新しくすれば見栄えがよくなり、早く売りやすくなることは確かですが、リフォームにかけた費用以上の金額を価格に上乗せできるとは限りません。

どの程度まで家に手を入れて見栄えをよくするかは、不動産会社と相談しながら決めるとよいでしょう。

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自宅売却でよくある疑問

自宅の売却活動を始める前に、ありがちな疑問を解消しておきましょう。

住宅ローンが残っていても自宅は売却できる?

自宅を売却したいけど、住宅ローンの返済がまだ残っているという人は多いでしょう。
結論から言うと、住宅ローンが残っていても自宅を売却することは可能です。

ただし、自宅を買主に引き渡す時点では住宅ローンを完済しなければなりません。
住宅ローンが残った状態、つまり銀行の抵当権が設定された状態のままだと、買主が新たに住宅ローンを組むことができないからです。

ではどうやって住宅ローンを完済するかというと、自宅の売却価格、つまり買主が支払う購入代金で完済すればよいのです。
買主が新たに住宅ローンを借りる場合は、「買主による住宅ローン借り入れ」と「買主による購入代金の支払い」、さらに「売主による抵当権の抹消」を同時に行う必要があります。
これが「同時決済」と呼ばれるもので、中古住宅を売買する際には最も重要な手続きです。

自宅が買ったときより大きく値下がりしているケースなどでは、売却価格よりも住宅ローンの残り(残債)の方が大きい場合もあり得ます。
この状態を「担保割れ」と呼び、買主からの購入代金だけでは住宅ローンを完済できないので、手持ちの貯蓄などから補填する必要が生じます。

もちろん。手持ち資金に余裕があり、貯蓄などで住宅ローンを完済できるのであれば、売却する前に繰り上げ完済をしておけば問題はありません。

住宅ローンが残っている場合の自宅売却の方法

まだ住んでいる自宅でも売却できる?

自分や家族が住んでいる自宅でも、売却は可能です。
自宅を売却するときには買主と売買契約を結び、その1週間程度あとに引き渡しを行うケースが一般的なので、引き渡しの前日までに自宅から退去すればよいのです。
引き渡し日は買主との交渉により、売買契約の1カ月後など、もっとあとにすることもできます。

住んだまま自宅を売却するときには、売り出してから買い手を見つけるまでの間に購入検討者に室内を内覧してもらわなければならず、家の片付けなどが面倒に感じるかもしれません。
かといって売買契約の前に自宅を退去するとなると、住み替え先の家を買ったり借りたりするための購入資金や家賃などをやり繰りしなければならなくなります。

特に自宅を買い替える場合は売却して得たお金で住宅ローンを完済し、残りを買い替え先の購入資金に充当するケースが多いので、なるべく引き渡しの直前まで住んでいたほうが余計な費用負担が少なくて済みます。

そのようなわけで、自宅を売却する場合は、むしろ住みながら売却するケースが一般的といえるのです。

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旧居の売却と新居の購入、どちらが先?

自宅を買い替えるときには、旧居の売却と新居の購入という2つの手続きを踏む必要があります。
旧居の売却を先に行うことを「売り先行」、新居の購入を先に行うことを「買い先行」と呼び、それぞれにメリット・デメリットがあります。

売り先行のメリットは、旧居の売却価格が確定し、手元にいくらの資金が残るかが分かるので、新居の購入予算も決めやすいという点です。
また旧居が売れてから新居を探せばよいので、売り急いで値下げするといった事態を避けられます。

ただし売り先行の場合は旧居を売却してから新居を購入するまでの間、仮住まいの家賃負担が発生する場合が多くなります。
なるべく家賃負担を抑えるため、じっくりと新居を探す余裕がなくなるかもしれません。

一方、買い先行のメリットはじっくりと新居を探してから売却すればいいという点です。
売却の時点ですでに新居に入居していれば、仮住まいによる家賃負担も発生しません。

とはいえ新居を購入する時点ではまだ売却価格が未定なので手元にいくら残るか分からず、購入予算を決めにくい点がデメリットです。
また新居の引き渡しまでに売却しなければならない場合などは、売り急いで値下げせざるを得なくなるリスクも生じます。

このような売り先行と買い先行のメリットとデメリットを見極めたうえで、買い替えのスケジュールを組むようにしましょう。

「売り先行」と「買い先行」のメリット・デメリット

◆売り先行
メリット

・売却価格が決まるので新居の購入予算を確定できる
・売り急いで値下げなどをする必要がない
デメリット
・新居を買うまでの間、家賃負担が発生する
・新居をじっくり探す余裕がなくなる場合も

◆買い先行
メリット

・新居をじっくり探してから売却できる
・売却後に仮住まいの家賃負担が発生しない
デメリット
・売却価格が未定なので新居の購入予算を決めにくい
・売り急いで値下げせざるを得なくなるリスクがある

「仲介」と「買取」、どっちがおトク?

自宅を売却する場合、不動産会社に「仲介(媒介)」を依頼して買い手を探してもらう方法が一般的ですが、これとは別に「買取」という方法もあります。

買取とは、不動産会社に自宅を買い取ってもらう方法です。
不動産会社は顧客の自宅を買い取ったあとに、その住宅をリフォームするなどして売主として販売します。
このような販売方法を「買取再販」と呼びます。

仲介で自宅を売却するメリットは、周辺相場に応じた価格で売ることができることです。
希望する価格で買ってくれる人が現れるまで、じっくり時間をかけて売却することもできます。

ただし仲介のデメリットとしては、希望期間中に売却できないリスクがあることが挙げられます。
費用面では不動産会社に仲介手数料として「売却価格×3%+6万円+消費税」の負担が発生します。
また購入検討者に自宅を内覧してもらうなど、売却活動には手間もかかります。

一方、買取の最大のメリットは希望する時期に確実に自宅を売却できることです。
不動産会社に直接売るので、仲介手数料もかかりません。
また自宅の内覧が不要なので、片付けや掃除をしなくても大丈夫です。

とはいえ買取の場合は相場価格より低めの価格で売らなければならい点が最大のデメリットです。
不動産会社としては買い取った住宅に利益を上乗せして販売する必要があるので、査定価格の7割前後で売却するケースが多くなります。
仲介であれば相場よりも高めの価格で買ってくれる人が見つかるかもしれませんが、買取の場合は相手が不動産会社なのでそのようなチャンスも期待できません。

このように仲介と買取にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、特徴を理解したうえでどちらかを選ぶようにしましょう。

◆「仲介」のメリット・デメリット

メリット
・相場価格で売ることができる
・じっくり時間をかけて売却できる

デメリット
・希望期間中に売却できないリスクがある
・自宅の内覧などの手間がかかる
・仲介手数料がかかる

◆「買取」のメリット・デメリット

メリット
・希望する時期に確実に売却できる
・内覧が不要なので自宅を片付けなくてよい
・仲介手数料がかからない

デメリット
・相場価格より低めの価格で売却することになる
・高めの価格で売るチャンスがなくなる

不動産会社との媒介契約は「一般」と「専任」どちらがいい?

不動産会社に売却を依頼するときには媒介契約を結びますが、契約のタイプは「一般媒介契約」と「専任(または専属専任。以下同)媒介契約」に分けられます。

一般媒介契約は複数の不動産会社と同時に契約できるタイプなので、広い範囲から買い手を探せる点がメリットです。
複数の不動産会社が競い合うことで、買い手が早く見つかることも期待できます。

ただし不動産会社にとってはほかの会社が先に買い手を見つけると仲介手数料が稼げないので、逆にさほど熱心に買い手を探さなくなるリスクもあります。
不動産会社間の物件情報ネットワークである指定流通機構(レインズ)への物件情報の登録が義務付けられていない点も、買い手を早く見つけられるか不安が残る点です。

これに対し、専任媒介契約のメリットは1社だけに売却を依頼するので、熱心に買い手を探してくれると期待できることです。
一定の営業日内にレインズへの物件情報の登録も義務付けられているので、さらに買い手を見つけやすくなるでしょう。

逆に専任媒介契約は1社にしか売却を依頼できないので、その会社の能力に左右されがちです。
また契約期間は3カ月以内と決められており、期間中は他の不動産会社に変更することはできません。

こうした契約タイプによる違いを理解したうえで、不動産会社に自宅の売却を依頼するようにしましょう。

◆「一般媒介契約」のメリット・デメリット

メリット
・広い範囲から買い手を探すことができる
・不動産会社の競い合いで買い手が早く見つかることも

デメリット
・不動産会社が熱心に取り組まない場合がある
・レインズに登録されないと買い手が見つかりにくいことも

◆「専任(または専属専任)媒介契約」のメリット・デメリット

メリット
・仲介手数料を確実に稼げるので不動産会社が熱心に取り組みやすい
・確実にレインズに登録されるので買い手が見つかりやすくなる

デメリット
・契約した不動産会社の能力に左右される
・契約期間中は依頼する不動産会社を変えられない

自宅の売却に現金は必要?

自宅の売却に現金は必要?

自宅を売却するときには売却代金を収入として得ることができますが、支払う支出もあるので現金が必要です。

お金の流れを確認しておくと、まず不動産会社への価格査定の依頼や媒介契約の際には基本的にお金はかかりません。

買主が見つかって売買契約を結ぶときには、買主から手付金として住宅代金の5%~10%が支払われます。

さらに引き渡しのときに買主から残りの住宅代金(残代金)が支払われ、売主であるあなたは住宅ローンの完済のほか、仲介手数料などの諸費用として現金を支払います。
買主からの残代金で住宅ローン完済や諸費用がまかなえれば現金は必要ありませんが、不足する分は現金(預金なども含む)で支払う必要があります。

引き渡しが完了したら、翌年には譲渡所得税の申告手続きをします。申告の結果、税金がかからないケースもありますが、納税が必要な場合はやはり現金で支払います。

自宅を売却するときのお金の流れ

自宅売却の流れ

ここからは自宅売却の流れを見ていきましょう。
最初に全体の流れを確認しておくと、以下の図のようになります。

自宅を売却の流れ

ここからは、それぞれの段階でやることを流れに沿って見ていきましょう。

【情報収集】自分で自宅の価格相場を調べてみる

自宅を売却する際には、まず自分で自宅の価格相場を調べてみることをお勧めします。
自分で相場を把握することで、その後の不動産会社の説明をよく理解できたり、より深い質問ができたりするでしょう。

自宅の価格相場を調べるには、インターネットの物件情報サイトなどを使い、自宅と条件が似た物件がいくらで売りに出されたり、実際に売却されているかをチェックします。
物件情報サイトは民間が運営するものがありますが、国土交通省が運営する公的な「土地総合情報システム」 では実際に取引された価格情報を知ることができます。

土地総合情報システム

【価格査定】不動産会社に自宅の査定を依頼する

相場がある程度把握できたら、自宅がいくらで売れそうか不動産会社に査定を依頼しましょう。
まずインターネットなどで手軽に調べられる簡易査定を依頼します。

簡易査定では自宅の住所や床面積、建物の築年数などいくつかの情報を不動産会社に伝えれば、通常は1~2営業日で査定価格が提示されます。
ただし簡易査定は机上のデータだけで査定するため、実際に売れる価格との差が大きくなるケースもあります。
また不動産会社による査定価格にも差が出ることが多いので、できれば5社前後以上の複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

次に簡易査定を依頼した不動産会社の中から、価格の妥当性や担当者の対応などを比較して、3社程度に訪問査定を依頼します。
訪問査定では不動産会社の担当者が実際に自宅を訪問し、建物の傷み具合や日照条件、周辺環境などを確認したうえで査定価格を提示します。
訪問査定は自宅の詳細な情報を確認したうえで価格を算出するので、査定価格が提示されるまで1週間~10日間前後かかるのが通常です。

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(写真/PIXTA)

【媒介契約】不動産会社と媒介契約を結ぶ

複数の不動産会社に自宅の訪問査定を依頼し、査定価格が提示されたら、その中から媒介契約を結ぶ不動産会社を選びます。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3タイプがあり、それぞれ売却活動の際のルールが異なります。

一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に売却を依頼できるタイプで、売主が自分で買主を見つけて取引することも可能です。
不動産会社間の物件情報ネットワークである指定流通機構(レインズ)への登録は任意となっており、売主への業務報告も任意です。
契約期間は法律では制限されていませんが、国土交通省が推奨する標準契約約款では3カ月以内とされています。

これに対し専任媒介契約は1社の不動産会社としか契約を結べないタイプです。
ただし売主が自分で買主を見つけて取引することは可能です。
レインズへの登録は契約の翌日から7営業日以内にしなければならず、売主への業務報告も2週間に1回以上義務付けられます。
また契約期間は法律で3カ月以内と決められています。

専属専任媒介契約は不動産会社1社としか契約できず、自分で買主を見つけて取引することもできません。
レインズへの物件情報の登録は5営業日以内に、売主への業務報告は1週間に1回以上義務付けられます。
契約期間は3カ月以内と法律で決められています。

このように媒介契約はタイプによってルールが異なりますが、不動産会社にとっては売主から確実に仲介手数料を払ってもらいやすい専任媒介契約や専属専任媒介契約を勧められるケースが多いと思われます。
しかし前にも述べたようにそれぞれの媒介契約にはメリットとデメリットがあるので、その特徴を考慮したうえで契約タイプを選ぶようにしてください。

媒介契約のタイプによるルールの違い
一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数社との契約 × ×
売主自らが発見した相手との取引 ×
指定流通機構への登録 任意 7営業日以内(※1) 5営業日以内(※1)
売主への業務報告 任意 2週間に1回以上 1週間に1回以上
契約期間 制限なし(※2) 3カ月以内
(※1)媒介契約締結日の翌日から
(※2)標準契約約款では3カ月以内

【売却活動1】適切な売り出し価格を決める

不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動をスタートさせます。
そこでまずすべきなのは、売り出し価格を決めることです。

売り出し価格は不動産会社が提示した査定価格と同じとは限りません。
売主としては少しでも高く売りたいと考えるのが当然なので、査定価格にある程度上乗せした価格で売りに出すケースが一般的です。

とはいえ、あまり高い売り出し価格に設定するとなかなか買い手が見つからず、あとになって大幅に値下げせざるを得なくなることも考えられます。
どの程度の売り出し価格にするかは周辺相場の動向や売主が許容できる売却活動の期間などにもよるので、不動産会社と相談して慎重に決めるようにしましょう。

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(写真/PIXTA)

【売却活動2】購入検討者の内覧への準備をする

自宅の売り出し価格を決めたら、不動産会社がチラシを打ったりインターネットに物件情報を載せたりするなど売却活動を行います。
この段階で売主がすべきなのは自宅の内覧への準備です。

不動産会社が購入検討者を見つけたら、物件の内覧に連れてくることになります。
そのときに備えて、家の中を片付けて掃除をしておきましょう。
家の中が散らかっていると室内が狭く見えてしまいますし、汚れがひどいと購入意欲が減退してしまいかねません。

リビングやダイニングにインテリア小物などを飾り、モデルルームのように見栄えをよくすることも有効です。
場合によってはホームステージングと呼ばれる専門会社に室内の飾り付けを依頼することを検討してもよいでしょう。

ただし、自宅をリフォームするのはあまり得策ではないケースが大半です。
リフォームにかけた費用を売却価格に上乗せできるとは限らないからです。
室内にどこまで手を入れるかについても、不動産会社と相談して決めましょう。

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【売却活動3】必要に応じて自宅の売り出し価格を見直す

自宅を売り出してもなかなか購入検討者が見つからなかったり、内覧に来ても購入を申し込む人が現れなかったりする場合もあります。
その原因は売り出し価格が高いことにあると思われるので、売り出し価格の見直しを検討しましょう。

売り出し価格の見直し、つまり値下げについては大きく分けて2つの方法があります。
一つは小刻みに少しずつ値下げする方法、もう一つは大幅に値下げする方法です。

小刻みに値下げする場合は、例えば100万円ずつ下げて購入検討者が現れるのを待ちます。この方法はいわゆる「値下げしすぎ」を防ぐことができる効果が考えられます。
ただし、インターネットなどを頻繁にチェックしている人から見ると「少し待てばもっと値下げするだろう」と思われてしまうリスクがあることも事実です。

一方、大幅に値下げする方法は、例えば思い切って500万円くらい下げるケースが考えられます。
この方法は物件の価格帯を変えることで、新たな購入検討者が現れる可能性が広がります。
ただし「値下げしすぎ」のリスクがあり、本来はもう少し高く売れるかもしれなかったチャンスを逃してしまう場合もあるのです。

価格を見直す場合は、見直す時期や値下げの幅について、信頼できる不動産会社の担当者と慎重に相談してから実行に踏み切りましょう。

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(写真/PIXTA)

【売買契約1】買い手が現れたら価格と条件を交渉する

売却活動の結果、首尾よく購入希望者が現れたら、不動産会社を通じて購入申込書が送られてきます。
売り出し価格どおりに買ってくれるのであれば問題はありませんが、価格交渉が入ることは多く、引き渡し時期についても要相談となるケースが少なくありません。

そのような場合は不動産会社の担当者と相談して取引条件を交渉します。
交渉の内容としては、例えば「売り出し価格と購入希望価格の中間の価格で取引する」とか、「値下げに応じる代わりに引き渡し時期を売主の都合に合わせて待ってもらう」などといった方法が考えられるでしょう。

めでたく交渉が成立したら、売買契約の準備に移ります。

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(写真/PIXTA)

【売買契約2】売買契約に必要なもの一覧

売買契約に向けた準備として、必要な書類や資料を用意します。
必要な書類・資料としては、まず運転免許証などの本人確認資料や実印、印鑑証明書が挙げられます。
自宅が親子や夫婦の共有になっている場合は、共有者全員分の実印・印鑑証明書が必要です。

住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記や、自宅を売却して所有権を買主に移転する登記手続きには、登記済権利証または登記識別情報通知書が必要になります。
自宅を購入したときにもらっているはずなので、探しておきましょう。

このほか、固定資産税関係の書類や土地・建物に関する書類、購入したときの契約書・重要事項説明書などのほか、マンションの場合は管理規約や使用細則なども用意し、買主に引き渡せるようにしておきます。

自宅売却の売買契約に必要な書類・資料

◆本人確認資料
運転免許証やパスポートなど

◆実印
共有の場合は共有者全員分

◆印鑑証明書
発行から3カ月以内のもの。共有の場合は共有者全員分

◆登記済権利証または登記識別情報通知書
自宅の内容確認や登記の際に必要

◆固定資産税納税通知書や固定資産評価証明書
固定資産税・都市計画税の税額確認に必要

◆その他
地積測量図・境界確認書、建築確認済証、地盤調査報告書、購入時の契約書・重要事項説明書、マンションの場合は管理規約・使用細則など

売買契約の際にかかる費用もあります。
まず契約書には売却代金に応じた印紙を貼り、印鑑で消印を押すことで印紙税を納税します。
自宅の住宅ローンが残っている場合は、ローンを一括で繰り上げ返済して抵当権を抹消するために金融機関や司法書士に手数料や登録免許税分の費用を支払います。

不動産会社への仲介手数料は、売買契約時と引き渡し時に半額ずつ支払うケースが一般的です。
金額の上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」です。
例えば売却価格が4000万円とすると、4000万円×3%+6万円+消費税10%で138万6000円が上限になります。
この金額を半額ずつ支払う場合は、売買契約時に69万3000円となる計算です。

自宅売却の売買契約時にかかる費用

◆印紙税
売買契約のときに契約書に印紙を貼って納税
費用の目安:売却代金により1万~6万円程度

◆登録免許税
ローンの抵当権を抹消するときに支払う税金
費用の目安:1件1000円。司法書士費用は1万円程度

◆繰り上げ返済手数料
残っているローンを一括返済するときに金融機関に支払う手数料
費用の目安:1万~3万円前後

◆仲介手数料
仲介してくれた不動産会社に支払う手数料。売買契約時と引き渡し時に半額ずつ支払うのが一般的
費用の目安:売却価格×3%+6万円+消費税が上限

【引き渡し】自宅を引き渡す

売買契約が済んだら、あとは買主に自宅を引き渡すばかりです。
買主が住宅ローンを借りる場合は、借りる銀行に関係者が集まって手続きするケースが一般的です。
銀行は平日の日中しか営業していませんので、引き渡し日には会社を休む必要がある人も多いでしょう。

引き渡し日にはまず、買主が銀行に住宅ローンを実行してもらい、購入代金を売主に支払います。
ここで売主側に住宅ローンが残っていた場合は、そのローンを繰り上げ完済します。

代金の決済が済んだら自宅の鍵や必要書類を買主に引き渡します。
同時に司法書士が必要な書類を整えて登記所へ赴き、売主側の抵当権の抹消と、買主への所有権の移転登記を行います。

最後に不動産会社に仲介手数料(通常は残りの半額)を支払い、手続きが完了です。

なお、引き渡し日は買主がいつ住宅ローンの実行を受けられるかに左右されます。
不動産会社を介して日程を調整し、売主側も抵当権を抹消できるように金融機関に申し入れておくなど、準備を進めましょう。

引き渡し日の流れ

【税金申告】確定申告をして税金を払う

自宅を売却したら、翌年に確定申告の手続きをします。
売却によって得た売却益(譲渡所得)に対し、所得税がかかるためです。

譲渡所得に対する所得税(譲渡所得税)は、給与所得などにかかる所得税とは切り離して計算されます。
税額は譲渡所得に税率をかけて算出され、税率は自宅を所有していた期間によって異なります。

所有期間5年以下の短期譲渡所得は住民税などと合わせて39.63%、5年超の長期譲渡所得が20.315%です。

自宅を売却したときの譲渡所得税には、3000万円まで税金がかからない「3000万円特別控除」や、自宅を買い替える場合に課税を繰り延べられる「買換え特例」といった特例があります。
また自宅を売却して損が出た場合、他の所得と相殺して最長4年分の税額を軽減できる「譲渡損失の繰越控除」を利用できます。

これらの課税や特例はいずれも確定申告が必要なので、忘れずに手続きしましょう。

自宅を売却したときの課税と使える特例

◆譲渡所得課税
不動産を売却して得られた譲渡所得に対して所得税と住民税が課税される。合計の税率は所有期間5年以下の短期譲渡所得が39.63%、5年超の長期譲渡所得が20.315%

◆3000万円特別控除
自宅を売却したときに、譲渡所得から3000万円を控除できる。利用できるのは3年に1度のみ。住宅ローン控除との併用は不可

◆買換え特例
自宅を売却して買い替えた場合に、譲渡所得のうち買い替え先の住宅の代金相当額までは課税を繰り延べる。住宅ローン控除との併用は不可

◆譲渡損失の繰越控除
自宅を売却して譲渡損失が出た場合に、売った年から最長4年間の所得から損失額を繰り越して控除できる。控除が終わった年以降は住宅ローン控除を適用可能

まとめ

自宅の売却で損をしないためのポイントや早く・高く売るコツをまとめると、以下のようになります。

●自宅を早く・高く売るためのポイントを知る
  ・不動産会社の査定価格が高すぎないか、低すぎないかを見極める
  ・得意分野や担当者の力量で不動産会社を選ぶ
  ・相場や売却期間を考慮し、適切な売り出し価格で売りに出す
  ・購入検討者の内覧時にはしっかりと掃除・片付けをする
●自宅売却でよくある疑問を解消しておく
  ・自宅の住宅ローンが残っていても売却は可能
  ・住んだままでも自宅を売却できる
  ・「仲介」と「買取」にはメリットとデメリットがある
  ・旧居の売り先行か、新居の買い先行かを検討する
  ・不動産会社との媒介契約のタイプを決める
  ・自宅の売却にも現金は必要
●自宅売却の流れを確認
  ・売り出しの前に自宅の査定を依頼し、媒介する不動産会社を選ぶ
  ・売り出し価格を決めて売却活動を行い、必要に応じて価格を見直す
  ・買主と条件を交渉して売買契約を交わし、自宅を引き渡す
  ・引き渡しの翌年に確定申告をして税金を払う

自宅を売却するときにはよくある疑問を解消し、ポイントや流れを確認して、損をしないように手続きを進めましょう。

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構成・取材・文/大森広司
公開日 2020年01月14日
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