不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > SUUMO住活マニュアル > 注文住宅・土地探し編 > 家・土地の購入にかかる費用と資金計画のたて方 > 費用別・建てられる注文住宅のプラン

住活のやること・ダンドリをチェックしよう
SUUMO住活マニュアル
家・土地の購入にかかる費用と資金計画のたて方

費用別・建てられる注文住宅のプラン

費用別・建てられる注文住宅のプラン

自分でゼロから決められるのが注文住宅の醍醐味(だいごみ)。いくらでどのような家が建てられるのかがわかれば、自分たちの予算で満足できる家を建てられるのかがイメージできるはず。そこで、価格を抑えたい、ひとつだけこだわりを実現したい、すべての希望をかなえたい、の3つの軸でどんな家が建つのか、建てる際の注意点などを解説。

家の広さと建築費の平均

約130m2の広さで3000万円台半ば

注文住宅を建てている人は、どれくらいの広さの家に、いくらくらいの費用をかけているのだろう。住宅金融支援機構のデータによると、土地代を除く建築費の平均は約3452万円。地域によって異なるが、約130m2(約40坪)くらいの広さの家を建てる場合、建築費には3000万円台半ばくらいかかるのが相場だ。

また、価格が決まっている建売住宅と違い、家にかけられる予算によって建築費を調整できるのが注文住宅のメリットのひとつ。1000万円台から建てられる家や、2000万円台、3000万円台、それ以上など、さまざまな価格帯で建てることができる。

■エリアごとの平均床面積と価格

エリア 床面積 建築費(土地代含まず)
全国 約125.8m2 約3452.4万円
首都圏 約125.2m2 約3768.8万円
近畿圏 約125.3m2 約3553万円
東海圏 約127.8m2 約3518.6万円
その他の地域 約125.6m2 約3274.5万円

※2019年度に建てられた注文住宅の平均床面積と平均建築費
2019年度フラット35 注文住宅融資利用者の主要指標

価格を抑えたい場合の住宅プラン

シンプルなデザインでコストコントロール

価格を抑えて注文住宅を建てたいという要望の場合、いくらを想定予算とするかによって建てられる家が変わる。例えば1000万円台を想定すると、すべての工務店やハウスメーカーが対応できないということは覚えておこう。

建築費は家の形に左右されることが多いので、凹凸の少ない長方形や正方形のシンプルな家になることが多くなると考えられる。一方、コの字型やL字型、中庭を建物で囲んだロの字型といった特徴ある間取りの家だったり、出窓がたくさんある、外壁を凹ませてベランダを多く設けたりなど凹凸の多いデザインでは、例えば同じ100㎡の床面積でも建築コストが増大。複雑なデザインは施工の手間もかかるので職人にかかる人件費も増えがちだ。価格を抑えて建てたいという家には向かないだろう。

さらに、コストがかかるのは建物の材料費。耐水性や防汚性が高い外壁材や屋根材は高額なものが多い。使えば使う分、建築費を押し上げてしまう。

つまり、できるだけシンプルなデザインの家。これがコストコントロールのポイントになる。

一例として、外観は長方形や正方形で、1階と2階の床面積が同じ総2階建て、屋根は本を伏せたような形の山形の切妻屋根や、傾斜が1面の片流れ屋根の家がコストが低いとされるので、覚えておこう。
また、内観デザインも外観同様シンプルにすることでコストを削減できる。コストのかさむ凝った間取りや同じく材料費がかかる無垢材(むくざい)、漆喰(しっくい)などの自然素材はワンポイントに押さえるなどの工夫も相談したい。

基本的な依頼先探しとしては、ローコストをうたう建築会社などになる。一方、高額と考えられがちなハウスメーカーも捨てたものではない。資本力やこれまでの豊富な経験を活かして、あらかじめ基本設計プランを用意して設計にかかる手間や日数を削減したり、設備や部材などを大量仕入れすることでコストを抑えている会社もある。高い性能は保ったままで手ごろな価格の住まいも探しやすくなっているので、しっかり情報収集をしてみよう。

■1000万円台で建てられる住宅の特徴

  • デザイン:シンプルな形状のものに
  • 素材:自然素材をたくさん使えない
  • 自由度:凝った間取りはしない
  • 設備:建築会社やハウスメーカーの標準仕様にする

何かひとつは絶対こだわりたい場合の住宅プラン

基本仕様をベースに優先順位をしっかりつける

それほど多くの予算はないが、せっかくの注文住宅だからこれだけは絶対に譲りたくない。そんな人も多いだろう。例えば2000万~3000万円台を想定する。

ハウスメーカーはじめ、建築会社の中には、ある程度プランの決まった基本仕様の家を設定している。こうした会社を候補に入れると、ゼロから考えるよりも打ち合わせ時間が削減できたり、その会社の知見を活かした家づくりがしやすく、かかる費用もわかりやすい。費用感がわかれば、こだわりの種類や数がどれだけかなえられるのかがわかるはず。

そこで大切になるのは「優先順位」の設定だ。基本仕様を見たうえで、足りないポイントやもっとこだわりたいポイントに優先順位をつけていこう。例えば、内装にはコストをかけずに自然素材のいい家具を入れるとか、家具の買い替えはせずに今使っているものをそのまま使い、家具購入費を圧縮した分で、ドアや窓など一部分にこだわりの素材のものを使うなど。工夫次第でこだわりをかなえることが可能だ。

特に注文住宅は、家づくりへの希望を次から次へと盛り込んでしまうもの。価格の決まっている建売住宅やマンションと違い、予算オーバーになりがちなので注意が必要だ。絶対に譲れない条件、希望を明確にすることでコストをコントロールすることが大切になる。

■2000万~3000万円台で建てられる住宅の特徴

  • デザイン:塗り壁、金属系などの外壁材で個性演出
  • 素材:いくつかこだわり素材を使う
  • 自由度:バルコニーなど+αスペースなども考えて
  • 設備:最新式の設備や水まわりもチェック

全ての希望をかなえたい場合の住宅プラン

4000万円台~が想定予算

希望をすべてかなえた家。それは誰もが当然考えるものだが、全員が実現できるわけではない。ネックは予算だ。希望内容によるが、全国で建てられている注文住宅の平均的な建築費用は約3359万円。この3000万円台という価格の場合、好きなデザインや間取り、憧れの設備などを『いくつか』実現できるといわれている。しかし『全ての希望』をかなえられるかというとそうではない。

目安になる価格としては、2階建て(延床面積120㎡前後)であれば、「4000万円台」が該当しやすくなる。こだわりの強い人が希望を全部詰め込むとこのくらいの金額になることが多いという。

自然素材をふんだんに使ったり、凹凸を多用した個性的なデザインにもしやすくなるばかりか、注文住宅の魅力でもある、狭小地や不整形地の建物でも敷地の形を有効活用した家も建ちやすい。さらに、門やアプローチなど外構にも費用がかけられ、外観デザインの満足度も高められるという。

依頼先も大手ハウスメーカーから中小建築会社、設計事務所など多彩な依頼先が選びやすくなる。
もちろんあれもこれもと詰め込みすぎて予算をオーバーしてしまったり、不必要な設備を入れてしまったりしないよう、しっかりと希望を整理して、暮らしに根差したプランニングを考えるのが必要だ。

■4000万円台~建てられる住宅の特徴

  • デザイン:土地に合わせたデザインの外観や間取りも
  • 素材:LDKなど家族共有のフロアに自然素材をふんだんに使えることも
  • 自由度:間取りの自由度もある程度高まる
  • 設備:場所によっては良質な床材+最新設備がつけられることも

●取材協力
佐川旭さん

佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける

取材・文/山口俊介

最終更新日:2021年5月31日