不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > SUUMO住活マニュアル > 注文住宅・土地探し編 > 間取りや設備など、家を設計する時のポイント > 使いやすい間取りにする方法と実例

住活のやること・ダンドリをチェックしよう
SUUMO住活マニュアル
間取りや設備など、家を設計する時のポイント

使いやすい間取りにする方法と実例

平面図など図面で確認しよう

家族にとって、使いやすい間取りを考えるにはどうすればよいのか。今回は間取りの基本について説明していく。間取りをつくる上で、最初に考えるべきゾーニング計画から、動線の考え方。そして、キッチンや子ども部屋、水まわりなど部屋別の具体的な間取り例についても紹介するので、ぜひ間取りづくりの参考にしてほしい。

使い勝手の良い間取りの考え方

家族にとって、基準の間取りを決める

間取りを考えるといっても、注文住宅の場合は、建築士や設計担当者が、施主の「どんな暮らしをしたいか?」をくみ取り、それをかなえる間取りを提案してくれる。建築士や設計担当者に「自分たちはどんな暮らしをしたいのか?」を伝えられればいいのだが、その際「家族がみんな楽しく過ごしたい」といった漠然としたものだと、あの間取りもいい、これもステキとなってなかなか一つの間取りに決めきれなくなる。

そのためには「どんな間取りなら自分たちに合っているのか」を判断できるような「基準の間取り」をもつことが大切だ。この基準を考えることが施主にとっての「間取りを考える」という意味となる。

基準をもつと、例えばたくさんの実例写真の中から「私たちならこのリビングの間取りがいいよね」とか「子ども部屋はこうする方法もあるね」とか、あるいは設計士から提案された間取りを見て「このリビングは私たち向きではないな」といった判断がしやすくなる。

要望に優先順位をつけて整理する

家族みんなの要望をすべて詰め込もうとすると、敷地や予算などの条件を超えて家が大きくなってしまう。そこで最初に各自それぞれが出した間取りについての希望を、家族みんなで話し合いながら、優先順位をつけよう。例えば寝室や子ども部屋は多少狭くていいので、みんなで過ごすリビングを広くしたいとか、リビングに子どもたちが宿題をやれるスペースがほしい、などだ。また、家族全員で要望を整理しながら話し合うことで、自分たちがどんな暮らしにしたいのかが見えやすくなるというメリットもある。

ゾーニング計画を考える

ゾーニングとは?

ゾーニングとは、空間の中にリビングやダイニング、廊下などの部屋を大まかに配置することを指す。間取りを考える上では、ゾーニングを考えることが最初に必要となる。

一般的な住居に必要なゾーンは、下記の5つ。

■5つのゾーニングの種類

1、パブリックゾーン:リビングやダイニングなど
2、プライベートゾーン:寝室や子ども部屋など
3、サニタリーゾーン:浴室、洗面&脱衣室、トイレなど
4、エントランスゾーン:玄関や勝手口など
5、通路ゾーン:廊下や階段など

ゾーニングで最初にやること

5つのゾーンの中で、パブリックゾーンは家族だんらんの場であるため、一番日当たりの良い所に置いてみることをおすすめする。次に、パブリックゾーンにそのほかのゾーンをどう接続するかを考えると、必要な部屋を配置することができる。間取りを考える際は、細かいパーツへの要望ではなく大まかな全体像から先に決めていこう。

■階段が玄関から遠い位置にあるゾーニングの例
階段が玄関から遠い位置にあるゾーニングの例

このように玄関と階段が離れていると、玄関から2階の個室へ行く際に廊下やリビングダイニングを通るので、自然と家族が顔を合わせる機会が増える。一方で、廊下が長くなり、デッドスペースになる可能性がある。

■階段が家の真ん中にあるゾーニングの例
階段が家の真ん中にあるゾーニングの例

玄関と階段が近いと廊下がその分短くてすむので、1階の個々のスペースを広く取りやすくなる。一方で、個々のスペースを階段で分断してしまう可能性もあるので、階段をシースルーにするなど工夫するとよい。

■玄関と階段が近いゾーニングの例
玄関と階段が近いゾーニングの例

玄関と階段が隣り合わせのため、廊下が最小限ですむのでスペース効率が良く、1階の個々のスペースを広く取りやすくなる。一方で玄関から2階にすぐ行けるので、家族が顔を合わせにくくなる可能性がある。

動線を考える

動線の基本の考え方

ゾーニングを考えた後は、「動線」について考えていきたい。ゾーニングを考える際に無意識に動線を考えた人も多いのではないだろうか。動線とは、家の中を人が行き来する経路のこと。ゾーニングをした後、部屋と部屋のスムーズな移動ができる方法を検討しよう。

動線には大きく分けて4種類ある。

■動線の種類

1、家事動線/料理や洗濯、掃除など、家事をする動線
2、衛生動線/トイレや浴室へ行くための動線
3、来客動線/お客様が移動する動線
4、通勤通学動線/各個室とリビングや玄関を結ぶ動線

動線はなるべく短くすることが基本だ。中でも家の中での動きが多くなる家事動線は、短いほうが家事はラクになる。例えば料理なら、買い物から帰ってきたときから、料理中、ゴミを出すまでの動線を考えてみる。そうすると、玄関、キッチンだけでなく、リビングダイニングがどこにあると家の中の移動がスムーズなのかが見えてくるはずだ。

また、動線を考える上で、階段の位置も重要なパーツとなる。例えば2階建て住居の場合、玄関からリビングダイニングを通らずに2階の部屋へ上がるような配置にすれば通勤・通学の動線を短くできる。一方で、必ずリビングダイニングを通らないと2階の部屋へ上がれないゾーニングなら、通勤・通学の動線は少し長くなるが家族と顔を合わせやすい。あとはどちらの暮らし方が自分たちの理想なのかを考えていくと、自然と判断がしやすくなる。

部屋別の快適な間取り例

ある程度ゾーニングができて動線が見えてきたら、部屋別に家族の希望をどう実現できるのかを考えていこう。その際に、たくさんの事例を見ることが参考になるはずだ。ぜひいろいろな間取りを見ながら家族と会話をすることで、意見をまとめていってほしい。

リビング・ダイニング・キッチン(LDK)

リビングダイニングキッチン(LDK)は、料理をしながらリビングにいる家族と会話ができるので人気の間取りだ。しかし何を重視するかによってリビング・ダイニング・キッチンのそれぞれの位置が変わるなど、微妙に間取りが変わってくる。

■家族との会話を重視した例
家族との会話を重視した例

家族がそろって時間を過ごし会話を重視する場合、キッチンを対面式にしてダイニングやリビングが見えるようにすると、料理や後片付けの際でも家族との会話が生まれやすくなる。

■友人を招くことが多く、接客を重視した例
友人を招くことが多く、接客を重視した例

来客が多い場合、生活感をあまり見せたくないという人は多いはず。その場合、玄関からリビングまでの動線上にキッチンやダイニングが見えない間取りにするとよい。リビングとダイニングの間には、来客時にサッと閉められる引き戸を用意しておくと、片付けを後回しにして来客の対応しやすくもなる。

■子どもとのコミュニケーションを重視した例
子どもとのコミュニケーションを重視した例

LDK内にリビング階段を設けると、子どもが通学する際や帰宅した際に必ずLDKを通ることになる。そのため親子で顔を合わせやすく、家事をしていても子どもとコミュニケーションが取りやすくなる。

子ども部屋

子ども部屋を考える場合、将来的に子どもが何人欲しいかは考えておいたほうがよいだろう。もし将来2人以上の子どもが欲しいなら、それに応じて可変性のある間取りにしておくと便利だからだ。

個室が必要になるのは、個人差もあるが、小学校高学年や中学生くらい。それまでは一緒の部屋で遊んだり寝たりするほうが子どものコミュニケーション能力が育ちやすくなるといわれている。

■可変性のある子ども部屋の例
可変性のある子ども部屋の例

子どもが2人の場合。上図ではわかりやすいように机やベッドを分けているが、年齢が近い場合や、同性の場合などは机やベッドを並べるなどすれば、一緒に勉強したり遊んだりできるので、おすすめだ。将来はリフォームで間仕切壁を入れ、2つの独立した部屋にすることも可能。

キッチン、浴室など水まわり

キッチンや浴室、トイレなど水まわりはできるだけまとめると、家事動線が短くなるので毎日の洗濯や掃除がラクになるだけでなく、配管の工事費が抑えられるメリットも。普段どのように家事を行っているかを、考えながら間取りを決めるとよい。

■家事を回遊しながらできる例
家事を回遊しながらできる例

上図はキッチンを中心にぐるぐると行き止まりなく移動できる動線の例。料理や後片付けなど、キッチンでの家事をやりながら、同時に洗濯や浴室・洗面室、ダイニングなどの掃除がしやすくなる。

玄関まわり

玄関に下駄箱やシュークロゼットを備えるのはもちろん、例えばベビーカーやゴルフ用品など、比較的大型のものを収めるスペースも設けておくと、それらの出し入れが簡単になる。またコートなど外出時にしか着ないものを掛けるクロゼットを備えるケースも最近は多くなっている。普段の通勤・通学・外出時や帰宅時を思い出しながら間取図を考えてみてほしい。

■玄関に収納を集めた例
玄関に収納を集めた例

玄関の近くにコートやカバンを置くスペースを用意すると、身仕度がスムーズに。帰宅後もコートなどをリビングに持ち込まずにすむので、リビングが散らからずにすむ。また玄関近くにパウダーコーナーを設けると、帰宅してすぐに手を洗ったり、出かける直前にお化粧をチェックできたりして便利だ。

ほかにもさまざまなアイデアのある間取りがある。自分たちの理想の間取りをつくることができるのは注文住宅の醍醐味だ。上記を参考にしながら、WEBカタログや雑誌などでたくさん実例を見て、自分たちに取り入れたい間取りのアイデアを探してみよう。

●取材協力
佐川 旭さん

佐川旭建築研究所代表。一級建築士、インテリアプランナー。間取り博士とよばれるベテラン建築家で、住宅だけでなく、国内外問わず公共建築や街づくりまで手がける

取材・文/籠島康弘

最終更新日:2020年1月30日