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注文住宅における契約の流れや注意点

注文住宅の契約解除や違約金について

注文住宅の契約解除や違約金について

依頼先の建築会社とは長い付き合いになる注文住宅。ハウスメーカーや工務店と家づくりを進めていく中で、担当者の対応に不信感を抱いたり、会社の状態に不安を感じたりして、途中で契約を解除せざるを得ない場合に直面することもある。契約解除となると、解除料が発生してくるのでなるべくかかる費用を最小限に抑えたいもの。ここでは、やむを得ず契約の解除をしなければならなくなった場合の返金や違約金の目安、クーリング・オフの適用条件などを説明していく。

仮契約時点での契約解除の場合の返金・違約金の目安

建築会社を1社に決定したら、本契約(建築工事請負契約)を結ぶ前に仮契約を結んでから具体的な住宅のプランニングを進めていく。仮契約の際には、依頼先に申込金を支払うケースが多い。申込金の目安は10万円程度。仮契約を解除した場合、申込金が返却されないことが多いので注意が必要だ。

仮契約はしたものの、思っていたようなプラン案にまとまらない、など何らかのトラブルで契約したくなくなることもある。そうなった際に、申込金が返金されるのか否か、返金される場合はいつまでの解除で適用されるのか、仮契約を結ぶ際に確認を。申込金があまりに高額に設定されていないかどうかもチェックしたい。

■解除料の目安

  • 10万円程度(会社によって異なる)

本契約時点での解除の場合の返金・違約金の目安

本契約締結後の解除

家づくりの工事を進める前に依頼先との間で本契約(建築工事請負契約)を締結し、着手金を支払う。建築工事請負契約締結後のキャンセルは、例え契約日の翌日であっても契約解除となるため、施主は損害を賠償して契約を解除することが原則。ただし、契約書にはそれぞれのタイミングで解除にかかる違約金を定めることが多い。着手前の違約金の目安は建築費の10%程度だが、会社によって金額が異なるので契約書に記載されている金額を確認しよう。

■違約金の目安

  • 建築費の10%程度

工事開始直前のキャンセル

工事請負契約後、施主の事情で契約をキャンセルする場合、建築会社に損害賠償(違約金)を支払う必要がある。金額の決め方は会社によって異なるので、本契約時にしっかり確認しておこう。

また、建築材料の発注をしているなどの契約履行の着手がされている場合は、その分の費用は施主負担となり、建築会社と協議の上清算する。キャンセルを申し出るタイミングにより、金額も異なるため、万が一キャンセルをする場合は、担当者に現状の進捗状況を確認してから慎重に進めてほしい。

工事中のキャンセル

施主が大きな事故や病気に見舞われるなど、工事が始まってからやむを得ず注文住宅の建築を断念しなければならない事態に陥ることもあるだろう。そんなときも、契約内容や約款に従って損害を賠償することで契約を解除することができる。

キャンセル時に支払う金額は、工事が終わっている分についての建築費を全額負担しなければならないだけでなく、別途損害賠償を請求されるケースも多い。キャンセルできるとはいえ、施主側の負担は膨大なものになることは肝に銘じておこう。

その他契約解除についての注意点

クーリング・オフは適用される?

建築工事請負契約においても条件を満たしていればクーリング・オフが適用される。クーリング・オフとは、一旦契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度のこと。

例えば、たまたま通りがかりにモデルハウスを見学した際、営業担当者に勧められてその場の雰囲気に流されて申込書にサインし、申込金を振り込んでしまった後、申込みの撤回を希望した場合などは適用になる。

しかし、ハウスメーカーや工務店の営業所で契約などを行う場合には、業務の適正な運営がなされている場所として位置づけられているため、正常で安定した状況下で意思決定することができると見なされ、クーリング・オフは適用されないので注意が必要だ。

また、営業所以外でも自ら自宅や勤務先に建築会社の担当を呼び出して行った場合は、契約の意思があると見なされるので適用外になる。

クーリング・オフをする場合は、申込書面や契約書面を受け取ってから8日以内に必要事項を記入した契約解除通知書を送付する必要がある。

注文住宅の建築工事請負契約については間取りプランや見積もりの提出など契約までのプロセスがいくつもあるため、きちんと判断して契約していると見なされることや、契約場所が営業所以外であることなど適用条件が非常に限られているので注意が必要だ。クーリング・オフを検討する場合は、早めに最寄りの消費者センターに相談しよう。

■クーリング・オフの適用条件

  • 営業所以外での契約であること
  • 契約書の交付を受けた日から8日以内であること
  • 自ら自宅や勤務先などに呼び出していないこと

ローンの特約解除について

注文住宅を建築する場合、金融機関でローンを組んで資金を用意することがほとんどだが、ローン審査の結果ローンの借入申請が全額または一部承認されない場合がある。そんなときの救済措置として、ローン特約が設定されていることが多い。

これは、もしもローンの借入申請が全額または一部承認されなければ、契約解除することができ、着手金からそれまでにかかった費用を除いた金額が施主に返却されるというもの。建物や土地の購入・新築時に結ぶ「売買契約」や「工事請負契約」で、売主と買主の合意によって定める条項のひとつだ。

建築会社の提携金融機関のローンを利用する場合、ローン特約は盛り込まれているが、そうでない場合は契約書にローン特約を盛り込んでもらう必要がある。その際は、契約書にローンを借り入れる金融機関名、融資額、ローン特約の期限などを明記してもらおう。

依頼先を決めて工事請負契約締結した後に、打ち合わせを重ねるにつれて建築会社への不信感が募り、長い付き合いになることを考えるとどうしてもこのまま進められないという状況になったり、思わぬ事故や病気でやむを得ず途中で注文住宅建築を断念せざるを得ないということも起こり得る。

契約後はどんな理由があってもどのタイミングであっても違約金が発生するので、依頼先選びは納得のいくところを慎重に選ぶことが大前提。事前に途中でキャンセルする場合どのような手続きや違約金が発生するかを把握しておくことは、トラブルを防ぐためにも大切だ。契約時にしっかり確認しよう。

●取材協力
吉川 愛さん

弁護士(赤坂見附総合法律会計事務所)。著書に『こんなところでつまずかない! 弁護士21のルール』(共著、第一法規、2015年)、『相続のチェックポイント 実務の技法シリーズ』(共著、弘文堂、2019年)などがある

取材・文/金井さとこ

最終更新日:2020年1月30日