退去後、敷金が返還される。ただし「戻ってくるお金が少ない」「追加請求された」など、なにかとトラブルがおこるのがこのタイミング。敷金返還にまつわる退去時の注意点について教えます。
原状回復にかかる費用の見積もりは、大家さんや管理会社によって退去時に行われる。もし可能なら、入居者自身も立ち会い、どこが入居者負担になるか質問しながら、確認しよう。事前に国土交通省のガイドラインなどで原状回復について勉強しておくのもいい。仮の見積もりが出た後、その場で返事ができなければ、「後で確認します」でも問題ない。
もちろん実際に立ち会いが難しいケースも多いだろう。その場合は、退去時の室内の写真を撮影しておき、修繕内容の詳細と見積もりを出してもらうようお願いしよう。
立ち会いするにせよ、しないにせよ、退去時に役立つのは、入居時に確認したチェックシート。(詳しくは<敷金トラブルにならないための入居後のチェック>をチェックしよう)入居時の室内の写真やメモをもとに「これは自分の責任ではないキズです」など主張できる。
敷金は通常退去して1カ月程度で返還される。差し引かれる金額があれば、その内訳も聞いておこう。契約書に原状回復費用として「ハウスクリーニング代」「鍵交換代」が敷金から差し引かれることが明記されている場合も。もちろん入居者の故意・過失によるものは入居者負担になる。
もし敷金返還に伴い、「納得いかない」、「後で高額な請求がきた」などの場合は、まず電話やメールで問い合わせをしよう。不安なら、各都道府県にある不動産相談窓口や国民生活センターに、自分のケース、大家さんや不動産会社の言い分も合わせて相談したり、費用が相場よりかけ離れていないか、ネットで調べられる。
どうしてももめてしまったら「少額訴訟」という、代理人を立てずに訴訟ができる制度がある。ただし、こうした状況にならないためにも、重要事項説明や契約の段階で「入居者に大きな負担を強いる特約になっていないか」を必ず確認、不明点は質問し、納得いかないなら契約しないことで、事前にトラブルを防ぐのが一番賢い方法といえる。
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