階段のバリアフリー工事のポイント

階段のバリアフリー工事のポイント(カイダンノバリアフリーコウジノポイント)の意味・解説

高齢化に伴って身体機能が低下すると、階段からの転落などの事故が発生しやすくなる。そのため、誰もが安全に昇り降りできるように、計画段階から階段の設計・仕様等を検討する必要がある。
階段のバリアフリー工事を行う際の主なポイントとしては、以下の項目があげられる。
(1)階段の位置/寝室およびトイレが2階以上にある場合、両者間の動線の途中に階段の降り口があると、誤って転落する危険性があるので、間取り決定時に配慮する。
(2)階段の形状/中間地点に「踊り場」を有する階段が望ましい。平坦な踊り場でひと休みでき、万一の転落時にも、一気に下まで落下せずに踊り場で止まるため、大けがの危険性を低減できる。「回り階段」の場合、180度の回りこみ部分の内側の踏面が狭くなるため、踏み外しなどの危険性が高い。また、「直線階段」は、方向転換が不要なため昇降しやすいが、転落時に一気に下まで落下するため、大けがの危険性が高い。
(3)寸法/住宅品確法の高齢者等配慮対策等級5および4に準ずる。具体的には、(踏面:T、蹴上げ:Rとしたとき)550mm≦T+2R≦650mm、かつ勾配がR/T=6/7とする。また、蹴込みは30mm以下として、蹴込み板を設けること。階段幅は750mmとする。
(4)手すり/上下の移動を補助する手すりや転落防止のための手すりを、踏面の先端から700mm~900mmの高さに設置すること。また勾配45度以下の場合は少なくとも片側に、勾配が45度超の場合は両側に手すりを設置すること。推奨では、勾配角度に関係なく両側設置を勧めている。
(5)仕上げ/踏面や段鼻(踏み板の先端)は、つまずかないように十分に配慮すること。踏面にノンスリップを設ける場合は、踏面と同一面にすること。
(6)照明・色彩/足下が暗がりにならないように、照明は十分な照度を確保すること(50ルクス以上は確保したい)。また、蹴上げと踏面の色やコントラストをつけて、段差の見分けがつくように配慮する。

ページトップへ戻る