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横浜に住もう、遊びに来るだけじゃない、住んでこそ楽しい横浜へ!

横浜駅 PICKUP 関東 神奈川県
著: 在華坊 

横浜。いわゆる「住みたい街ランキング」で、毎回上位に顔を出す街。SUUMOが発表した「住みたい街ランキング2015」でも、吉祥寺、恵比寿に続いて関東地方の3位に堂々とランクインしている。

だけどほんとに皆さん、横浜に住みたいと思っているのだろうか?

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みなとみらいにある「帆船日本丸」

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大さん橋からのみなとみらいの眺め。デートスポットとして人気が高い

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山下公園。奥に見える船は氷川丸

こういう画像だけ見て、なんとなく、横浜いいわぁー、って思ってないですか? いや実際、こういうイメージ的にもいいところなんだけどさ……。でも「横浜に住む」ことをよくよく検討した人は、こういう印象を抱いているはず。


・華やかなイメージがあるエリアは家賃が高いし……

・東京への通勤は電車が混むしよく止まるし……

・都内に比べると、公共施設や文化施設が少ないし……

・最近、待機児童0が云々言ってるけど、実際は……

分かる、分かります。それもまた真実。今日はそういう人に、横浜中心部(桜木町)に住んで8年のわたしが。結婚するまでの一時的な住まいのつもりが、あまりの居心地の良さに8年間暮らしてどっぷり動けなくなってしまったわたしが。横浜の魅力をお伝えしたいと思います。

最寄駅は桜木町、戸部、日ノ出町で!

とりあえず横浜方面に住もうと横浜駅周辺やみなとみらい、あるいは関内駅周辺の物件を検索し「やっぱり高い」と思ったあなた。そうです、そのあたりは高いのです。だからと言って諦めて、いきなり郊外の物件を探し出してはいけません。

最寄駅は桜木町、戸部、日ノ出町で、少し坂の上を探すのです。華やかなイメージがある場所ではないけれど、ちょっと歩けば海の近くまで行ける。このあたりだとグッと家賃が安くなり、物件が豊富になる。わたしが住んでいる部屋は、最寄り駅から徒歩7分。ひとりで住むにはやや広めの32平方メートルで家賃は7万円台です。築約40年と築年数は古めですが、鉄筋コンクリート構造でリフォームが行き届いています。もう少しコンパクトで、駅から歩いてもよければ、安い物件はたくさんあります。

 通勤や都心に出るのがとても便利

あなたが都心で働いていたとして、通勤で毎朝満員電車に揺られるのか……と心配する必要はまったくありません。実はJR京浜東北線には、通勤時間帯に桜木町始発の電車がかなりあるのです。平日の朝なら、約1時間のうちに6本が運行する時間帯も。

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2014年に出来た桜木町駅の北改札(西口)

混雑かつダイヤが乱れ気味な京浜東北線でも、少し早起きして座席を確保してしまえばこちらのもの。品川駅までなら約35分。寝るもよし、勉強するもよし、朝の時間が有意義に活用できます。また平日の桜木町駅は朝4時19分発、深夜1時13分着と日本でも屈指の、始発が早く終電が遅い駅。遅い時間まで東京で過ごすことができ、とても便利です。

さらに、徒歩圏内には京浜東北線のほか京浜急行電鉄本線(日ノ出町駅)、横浜市営地下鉄ブルーライン(桜木町駅)、横浜高速鉄道みなとみらい線(みなとみらい駅や馬車道駅)があり、どれかが止まっていても移動に困ることがない。また、京急本線のエアポート急行なら、日ノ出町駅~羽田空港国際線ターミナル駅が乗り換えなしで約30分。東急東横線と直通しているみなとみらい線なら、みなとみらい駅~渋谷駅は約30分、みなとみらい駅~新宿三丁目駅(渋谷から東京メトロ副都心線と直通)は約37分と、とても便利なのです。

安くて便利なお買い物

「桜木町あたりじゃ日用品の買い物には困らないのか? 」「高いスーパーとコンビニくらいしかないんじゃない? 」という心配は不要。例えば桜木町駅前の「ぴおシティ」には、地下に激安の八百屋さん「浜っ子」がある。あるいは野毛にある「ちぇるる野毛」のスーパーや、平日は23時まで営業している日ノ出町駅前の「京急ストア」を使えば、仕事帰りの買い物にも困りません。21時ちょっと前には、桜木町駅構内の「重慶飯店 GIFT & DELI」で、半額お総菜の争奪戦が繰り広げられます。

時間があるときや休みの日には、少し歩いて「横浜橋通商店街」まで行ってほしい。八百屋さんも魚屋さんも肉屋さんも「えっ、いいの? 」とちょっと不安になるくらいの激安ぶり。韓国食材や中国食材が豊富で、路地に入れば台湾料理やタイ料理の隠れた名店もある。道行く人まで多様で面白い。

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多くの人が行き交う横浜橋通商店街の様子

そうだな、例えば、ひどく暑い日曜日の夕方。横浜橋通商店街から三吉橋通商店街を通り過ぎ、中村川に掛かる橋を通り、八幡町通り商栄会の路地を入った仲乃湯に行く。立派な構えで高い天井の銭湯。その露天風呂で、たっぷりかいた汗を流す。風呂から上がると、日も暮れかかるころ。銭湯の近所にある、見事な店構えの酒屋さんのカウンターに居場所を決めます。いくらか涼しくなった風に吹かれながら、コップで飲むよく冷えた瓶ビールのうまさといったら……! そして横浜橋通商店街でお総菜を買い、家に帰って飲み直すのです。ああ、幸せ……。

また横浜市中央卸売市場は、毎月第1・第3土曜日に一般開放が行われ、魚を安く手に入れることができます。マグロなどを保存している超低温冷蔵庫に入れる「市場探検隊」も楽しいですよ。

自転車で広がる魅力

ここに住んだら自転車を持ちましょう。そんなに高いのじゃなくていい、安めのクロスバイクにお買い物用のカゴをつけた日常用のでいい。途端に行動範囲が広がり、街の魅力は何倍にもなる。坂が多い横浜ですが、桜木町から海沿い周辺ならほとんど平坦です。自転車があれば買い物はあっという間だし、山下公園など横浜らしいスポットにもすぐに行けます。また、坂を登ってもよければ、港の見える丘公園や本牧の三渓園、かつてあった根岸競馬場の一等馬見所がシンボルの根岸森林公園など、魅力的な場所も巡れます。

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根岸森林公園にたたずむ一等馬見所跡

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根岸森林公園は春になると、花見客でにぎわう

少し(?)遠出ができるなら、八景島まで1時間ほど。北鎌倉まででも、1時間とちょっと走ればたどり着きます。渋滞する道路や混雑する江ノ電とバスを尻目に、北鎌倉から鎌倉のお寺を巡り、稲村ヶ崎から江の島の心地よい海沿いの道を走る魅力といったらない。

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稲村ヶ崎の海岸から江の島を眺める。天気がよければ富士山も見える

さらにもう少し頑張れば、葉山、横須賀、観音崎、三浦半島の海はすべてあなたのもの。

夜の横浜はサイコーである

夜も自転車に乗って、山下公園のほうに出掛けてみましょう。山下公園から見えるすてきな横浜の夜景が、自宅からすぐの場所にある。夜景を見ながらの散策もよいし、24時間開放されている大さん橋のデッキでゆったりと時間を過ごすのもよい。象の鼻パークや横浜赤レンガ倉庫の夜景を巡りながら自転車で走るのも爽快です。

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夜の象の鼻パーク

山下公園や大さん橋からもすぐ近いBankARTのCafe&Pubは23時まで営業していて、みなとみらいの夜景を独り占めしながら、とてもお安くコーヒーなどが楽しめる。

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テラスにあるカウンター席

夏なら、少し早めに仕事をあがって、元町・中華街駅からすぐの「元町公園プール」へ。横浜都心にありながら50mの屋外プールがあるここは、昼は多種多様な人種客層が集まるアジール的空間なのだけれど、18時~21時はナイター営業をしており、1時間300円で利用できる。森に囲まれたプールは空いていて、静かで、ゆったり泳げて、風が吹き抜けて、周辺の外国人も多く(近所の高級アパートメントからガウンを着てやってきて、またガウンで帰っていく親子を見た)、まるで南国のリゾートに来たかのように、心のフリーダムさを感じられる場所なのですよ……。実は花火見物の穴場でもある。

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そして、もしあなたが東京に通勤している人なら、最高の楽しみを教えましょう。金曜日の夜、よく働いた日に。そのまま電車に乗って横浜に帰るのではなく、東京・港区の竹芝客船ターミナルに行くのです。22時発の大島方面行の夜行便が、金曜日と土曜日だけ横浜の大さん橋にも寄り道してくれるときがあるのです(運行日は時刻表でどうぞ)。甲板でビールを飲みつつ、東京湾の夜景を見つつのショートクルーズを楽しみ、大さん橋着が23時20分。大さん橋から徒歩でも帰れる場所に住んでいればこその楽しみです。

そして飲食店の豊富さよ

これはもう、言うまでもない。横浜といえば約600軒の飲み屋があるといわれている野毛が有名ですが、特に近年は入れ替わりが激しく、これまであった渋い焼き鳥やバーなどに加えて、若い人向けの店が多数できています。国産クラフトビールのおいしさを教えてくれたのも、野毛の「エル ヌビチノ」という店でした。お酒が飲めなくても、深夜までやっている飲食店が豊富にあるので晩御飯にも困りません。

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多くの飲食店が立ち並ぶ野毛。なかでもディープな「都橋商店街」も、近年は若い人が入りやすい店が増えた

中華料理といえば横浜中華街というイメージが強いだろうし、それでもちろんいいのだけれど、穴場的な面白い店は、実は野毛から伊勢佐木町界隈に点在している。ドラマ「孤独のグルメ」にも登場した豚ホルモンの「第一亭」、むちゃくちゃ辛くて店内では中国語しか聞こえない「華隆餐館」、羊料理を食べたくなったら「京味居」、街の中華料理店にしか見えない店構えなのに某有名ホテル出身のシェフが端正な上海料理を出してくれる「岳」などなど、魅力的な店ばかり。

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左上:“裏メニュー”なのにいちばん有名な第一亭の「パタン」、右上:どこが“水煮”?な真っ赤さ……華隆餐館の「水煮牛肉」、左下:羊のメニューが豊富な京味居、右下:岳の滋味深い鮑と豆苗の一品

野毛から伊勢佐木町や馬車道に向かう途中の吉田町は、以前からバーの街として有名でしたが、近年は多種多様な店が増えています。ビアガーデンやカクテルガーデンなどのイベントも開催されることも。

横浜の飲食店情報に関しては、こちらの本がオススメです。2009年発売とちょっと古い本なんだけど、中身はいまだに色あせていないので、横浜に引越したらこの本を買いましょう。

豊富な文化施設や公園

野毛には約166万冊(2015年時点)の蔵書を誇る横浜市立図書館 中央図書館がある。火曜~金曜は20時30分までやっているし、休館日が少ないので利用しやすい。さらに戸部、桜木町、日ノ出町の間には神奈川県立図書館もあります。すぐ近くの横浜能楽堂では安いお値段で能を見ることも。野毛には「横浜にぎわい座」という大衆芸能の専門館があり、落語や漫才を鑑賞できる。

少し歩いた黄金町はかつては風俗街でしたが、今では高架下やリノベーションした元ストリップ劇場に、ギャラリーやアトリエなどができています。また年に一度、アートイベント「黄金町バザール」が開催されており、アートによる街づくりが進められています。黄金町にあるカフェ「視聴室 その2」では、ライブも多数開催されています。

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黄金町の高架下でアートと触れ合う

黄金町や野毛近辺で飲んでいると、このあたりを拠点にしているアーティストたちと知り合えて、面白い交流が生まれるかも……?

また野毛山には無料の動物園「野毛山動物園」がある。お花見に最適な野毛山公園や掃部山公園など公園も豊富。関内周辺には横浜美術館や神奈川県立歴史博物館といった魅力的なミュージアムが多数あります。日本郵船歴史博物館は特にオススメ。

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運動不足なら、会社帰りに横浜駅で降りて「横浜市西スポーツセンター」へ。プールが1時間、ジムが3時間300円で利用でき、月曜~土曜はプールが22時30分まで、ジムが23時00分までやっているので遅くても大丈夫。運動のあとのビールの誘惑に引っかからなければ、野毛まで歩いて20分ちょっと、さらによい運動になりますよ。 

暮らしを豊かにするコミュニティ

これが最も言いたいことかも知れない。横浜のコミュニティの居心地のよさについて。

自分はたまたま通りかかった飲み屋でいろんな人と知り合いになり、野毛のいろんな店を教えてもらったり、落語会の前座をやらせてもらって真打昇進襲名披露宴に呼んでもらったり、伊勢佐木町で出版社をやっている人と知り合いになって本に文章を書かせてもらったり、横浜の地域メディアを運営している人と親交させてもらったり。

あ、Twitterのこのアカウント、横浜のお役立ち情報が満載なので、横浜に住む場合はぜひフォローしてください。横浜は毎週、楽しいイベントが盛りだくさんなんです。

横浜ならではの水辺を身近に楽しむ機会やコミュニティも豊富にあります。日本丸メモリアルパークで行われているシーカヤック教室に行ってみたり、横浜ヨット協会が開催するクルーザーヨット体験乗船教室に通ってみたり。そうそう、SUP(スタンドアップパドルボード)ってご存じですか? サーフボードのようなボードの上に立ち、パドルで漕いで楽しむマリンスポーツなんですが、水上から横浜の街を見るの、楽しいですよ。

水辺荘〜横浜でSUPと水辺のまちづくり〜

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アート全般を学べる講座「BankART School」は、アートが身近な横浜ならではのイベントで、新しい知見を広げてくれます。

 昼間は働いている人たちが集まって行うこのような活動が、単体で完結するのではなく、それぞれがゆるく繋がりあって、横浜のコミュニティをつくり上げている。東京ほど大きくて途方もなくはない、かといって、地方のように濃密過ぎて息苦しくなったりもしない、ちょうど良い距離感。それが横浜の魅力だと思います。

横浜に引越してきたおかげで、さまざまな出会いと生活の変化がありました。地域べったりでうっとうしいコミュニケーションではなく、趣味や興味関心でゆるくつながりあうようなコミュニティが横浜にはある。そして、そのコミュニティ同士がさらにゆるく大きなコミュニティを形成しているのです。



正直に言うと、桜木町~日ノ出町~黄金町のエリアは、ピンクなお店があったり、体感として治安がいいとは言えない場所もある。特に黄金町近辺の昔のイメージが残っている人に聞いたら、住むのは反対されると思う。そういう点が気になる方にはオススメできません。

けれど、実際の治安は横浜市も改善に力を入れていることもあって相当良化しているし、利便性の高さ、飲食店の豊富さ、文化・公共施設の充実さ、コミュニティの心地よさなど、デメリット以上の魅力がたくさんあると、わたしは思います。

 さて、住みたくなってきませんか、横浜。あなたも、住みませんか、そして一緒に飲みませんか、横浜で。

著者:在華坊 (id:zaikabou)

在華坊

1978年生まれ。横浜、野毛在住。出張ついでに飲み歩くことが楽しみな会社員。横浜の話題や出張の旅先での酒場めぐり、美術館めぐりの話が多いブログ「日毎に敵と懶惰に戦う」を2004年から11年間更新中。12月15日発売『横濱市民酒場グルリと』(星羊社)にも書いてます。昼飯から散歩、晩酌まで横濱を満喫できる本です。