出戻り京都、あっという間に自分の街になってくれた「西院」

著: ふくもりみほ 

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突然ですが、最初に西院のめっちゃいいところ言ってもいいですか?

駅前に鳥貴族が2軒あるんですよ!しかも道路を挟んで向かい同士で。いや~いいでしょう。トリキが2軒ある駅前!写真をよーく見ると看板が写っています。京都なので黄色じゃなくて白色なんですよね。

ということで、私が住んでいるのは京都の中心部から西にそれた「西院」という場所です。読み方は「さいいん」、大阪と京都を結ぶ阪急電鉄の「西院駅」が最寄りで、京都の繁華街である河原町や木屋町、祇園あたりも電車なら10分ほどで到着します。

さて、しょっぱなから熱く語りましたが……実はまだ半年も住んでいないのです。

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京都に住むのは5年ぶり、2度目。その前は大学進学に伴う初めての一人暮らしで、18歳から24歳まで京都市内で何度か引越しながら暮らしました。

それからお笑いの道に足を突っ込み大阪へ、そのまま上京したもののわずか半年でコンビは解散。見事なまでの「上京失敗」となりました。上京に失敗した人間はどこへ帰るのでしょうか。地元でやりたいこともない、大阪への執着もない。思い返すのは青春時代を過ごした街、モラトリアムを極めた街、「京都」でした。
新宿駅の地下構内にJR東海のキャンペーンである「そうだ 京都、行こう。」のポスターがずらりと並んでいて、桜に彩れたさまざまな京都の街を見て、それぞれの場所にまつわるあれこれを思い浮かべました。じわじわとこみあげてくる涙をこらえながら、「あぁ、いつか京都にかえろう」と思い歩いたのでした。

まぁ、そんな切なげに語ってみましたが、東京に行ってからも月2くらいのペースで関西に来ていたんですけどね。その後結局2年ほど東京をぶらぶらして、いよいよ京都に引越しました。

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「京都に引越す」とは言っても、京都のどこに住むかを考えなければいけません。普通の引越しなら、通学先や職場などを基準に場所を決めるのはそう難しくはないでしょう。しかし私の場合は本当に何もない、自由!考えるべきことがない!

そんな自分がなぜ西院を選んだかというと、「好きなラーメン屋とカレー屋とパン屋があったから」。実は西院は元彼が住んでいた街で、勝手知ったる場所だったのです。

もちろん、最初は悩みました。元彼以外にも西院在住の知り合いが多く、顔見知りが近所にいて助かることもあれば都合が悪いこともある。いや、実際元彼の家の近所に住むのマジで嫌じゃないですか。それでもそんなモヤモヤと好きなお店を天秤にかけたとき、好きなお店のほうが勝ってしまったのです。

だって、好きなラーメン屋とカレー屋とパン屋がある。それってもう最高の街なんじゃない?住む場所を決めるのに十分な理由になるんじゃない?

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そんなこんなで、物件探しを西院に絞ってみると、これまた家賃が安いんです。大きな電気屋も100均も業務用スーパーだってある。こんな便利な場所で、家賃はこれまで住んできた部屋の中でずば抜けて安い。完全に勢いで決めてしまいました。

好きなお店が近くにあるって最高

先ほど書いた通り、この街の事はもともと知っていたので住む前からお気に入りだったお店が3つあります。

まずはラーメン屋さん「神来(じんらい)

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京都で好きなラーメン屋さんベスト3に入ります。どんなコンディションで食べても美味しい!いわゆる背脂チャッチャ系京都ラーメンで、途中で辛子にんにくを入れて最後はお酢を入れるという、公式で推奨されている食べ方が一番好きです。

最高なポイントは朝11時半から深夜3時までの通し営業であること!夕方まで寝てしまった日でも、夜中まで飲んでいた日でも、どんなぐずぐずの生活をしたときでも迎え入れてくれる場所なのです。


続いてこちら「太陽カレー

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見てください、この麗しい姿。上品な見た目ながら甘さのあとにガツンとした辛さがくる本格派。その日の気分によって健康的なトッピングでも、男らしいガッツリしたトッピングにもできる万能カレー屋さんです。これは「野菜とやわらかチキン」で700円なんですけど、メニューはプレーンの500円からあるのもポイント。


そしてパン屋さん「ベーカリーハウス クリーク

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駅前に天下の「進々堂」もあるのですが、マイフェイバリットパン屋さんとしてあえて名前を挙げたいのはこのお店。ガパオロールや米粉お好み焼きパンなど、とにかくパンチのある惣菜系パンが強いです。

飲むところ食べるところに困らない街

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駅裏は居酒屋をメインに飲食店が軒を連ねています。

雰囲気十分の折鶴会館は、入るの勇気がいるし、何よりいつでも人でぎゅうぎゅう。それでも潜り込めたら、そこには自由な酒席が待っています。

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ホルモンから刺身、おでんに中華とメニューの幅が広すぎる「こうちゃん」に、店内が広く比較的入りやすい焼鳥の「」、渋い名前だけど美味しい燻製やアヒージョをそろえている「樫尾酒店」などなど……その日の気分でお店にフラッと入れるようになったら一人前なんじゃないかなーなんて思っています。

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チェーン店や立ち飲み屋ばかりではなく、小洒落た美味しいお店もありますよ。

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すてきな創作中華のお店「マンボ飯店」!梅風味の春巻きや、でっかいゴーヤやズッキーニの入った酢豚など、メニューを見るだけでワァッとテンションが上がるお料理ばかり。こんなお店もあるんだよ!西院!と言いたくなるところです。

その他にも西院に住んでいると言うと、「あそこに新しいお店ができた」「あの飲み屋は朝の10時までやってる」なんていろんな人に教えてもらったりします。駅を離れたところにも気になるお店がたくさんで、まだまだお気に入りのお店は増えそうです。

音楽が傍にある街

酒!ご飯!と言っておりますが、西院を語るにおいて忘れてはいけないのは「音楽」です。まず、西院はライブハウスが多いのです。

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ライブハウス「GATTACA」の前を通るとき、いや、前を通らなくてもあえて前まで行って「今日は誰が出てたんだろうなぁ~」と眺めてみたりします。「バンアパが出てる!」「今日ハワイアン出てたんや!」「あ、大学の先輩や」なんてぶつぶつ言いながら見ていると、ライブハウス通いはしていないけど、そんな一員になったような気がしたりするのです。

ライブハウスといえば、「ネガポジ」はプレーンサワーが350円で飲める最高の場所です。ライブハウスのドリンクといえば、だいたい500円とか600円なんですけど、350円ですよ!もうね、いつも3杯くらい飲んじゃう。


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引越して間もないころに、音楽をやっている後輩から「ネガポジで弾き語りするんで飲みに来てください」と連絡があり、「飲みに来てくださいってどういうことだろ?」とハテナが浮かんだのですが、行ってみたらまさにその言葉のとおりで、ウィークデイの半分はチャージフリー。チケット代無しで、のんびり演奏を聴きながらライブハウスとは思えない豊富なメニューからつまみを選んで、350円のプレーンサワーをがぶがぶ飲ませていただきました。

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そんな街の良さを活かしたイベントが「西院ミュージックフェス」。ライブハウスやライブバーをまわるサーキットフェスで、毎年夏にやっていて、今年からは春と秋にも開催されるようになりました。

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ライブハウスだけじゃなくて、先に挙げた折鶴会館のスペースや、神社の境内、幼稚園、銭湯まで舞台になるというまさに街全体が会場になるイベントなのです。

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幼稚園の中で大人たちが大騒ぎしてる図なんてめちゃくちゃ面白い。今年の春にはもうこちらに住んでいたので、途中家に帰って休憩したり。サーキットイベントで家で休憩できるなんてすごくぜいたくですよ。

西院の好きなところは「人が生活している」と実感させられるところ

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駅前の小さなにぎにぎしさ。真夜中に終電を逃した学生たちが、誰が誰の部屋にお世話になるか割り振りを話し合っていたり、やっぱりカラオケに流れようかと盛り上がっていたり。

24時をまわってもガールズバーのお姉さんたちが短いスカートやショートパンツで店前に並んでいて、そんな花道を抜けると深夜2時までやっているTSUTAYAとヴィレッジヴァンガード。夜中に何となく部屋から飛び出したくなったときに、こうこうと電気がついている場所に行けるのはうれしい。

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夜にひとりじゃない、と思えるのはとてもありがたいなぁと思います。実際に出歩くことはあまりなくても、少し駅前に行けば人がいる、と頭の片隅にあるだけで夜の寂しさは随分軽減されるのです。

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そんなにぎやかな「人がいる」部分もあれば、穏やかな「人の暮らし」もすぐそばにあるのがこの街の面白いところ。

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大通りから少し路地に入ればどこも住宅街で、公園には夕方になったら待ち合わせしていたかのように子どもたちが集まってくるし、早朝はおじいちゃんおばあちゃんのあいさつがそこらじゅうで交わされています。

夕方には近所の親子がバドミントンの練習をしていて、通りかかると容赦なく羽が飛んできたり、外からプァップァッと音が聞こえてきて、何かと思ったらリヤカーを引いた豆腐屋さんだったりするのです。

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そうそう。嵐山に通じる嵐電の「西院駅」(こちらの「西院」の読み方は「さい」)もあり、路面電車も日常の風景に溶け込んでいます。

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人の暮らしといえば、この街には駅から徒歩10分圏内に銭湯が4つもあります。早いところは昼13時から、そして終わりが深夜1時のところまで。驚くことに、どの時間帯も十分お客さんが入っているのです。

徹夜明けの昼すぎに行ってみても、飲みに行く前にひとっ風呂浴びても、閉まる直前深夜24時半に行ってみても、「もしかしたらこの時間だったら貸切かも」という淡い期待をだいたい打ち砕かれます。

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私にとって西院は狭すぎる街です。予想どおり不意に知り合いに会って慌てることもありますが、考え事をしていて誰かに相談したいなぁなんて思いながら歩いていたら、友人に遭遇して、松屋でカレー食べながらあれこれしゃべって救われることもあります。

これまでいろんな場所に住んできましたが、西院はあっという間に自分の街になってくれました。
おそらく何年も住んでいるであろうおじいちゃんおばあちゃんもいて、大学の4年間だけを過ごすような若者もいて、いろんなジャンルの人が住んでいる街。たった半年住んだだけで、古い住宅街も、にぎやかな通りも自分の街だと堂々と胸を張って歩ける感じがします。

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どこに住むかなんて自由に決められます。住みたいと思った街に住める、なんてすてきなことなんだ!何か心引かれる風景があったり、今いる場所に違和感を感じたら、多少不都合があっても好きな街に身を置いてもいいんじゃないですかね。

私の場合は、せっかく上京したのに……なんて気持ちがひっかかって時間がかかりましたが、何かにとらわれて、今はまだ駄目だ、とかここで頑張らないとなんて意固地にならなくていいんですよね、本当は。自分の心が元気でいられる場所に住むのがいいのではないかな。闘うのも大事だけど、また嫌になったら、また新しいこと思いついたら、新しい場所に引越せばいいんです。

自分の好きな街を選んで住むのってとても楽しいですよ。

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著者:ふくもりみほ (id:fukumoco)

ふくもりみほ

趣味はネットサーフィン、特技はネットストーキング、肩書きは恋愛マスター。通称みほたん。婚活パーティーやナンパスポットなど男女の出会いの現場を突撃取材したレポートや、持論の恋愛コラムを各種ウェブメディアで連載中。「OTAFUKUガールズ」という難ありアイドルもやっています。

ブログ:こんなとこで抱かれてる場合じゃない / Twitter:@fukumoco/ サイト:みほたんまとめ