では、実際に今後金利はどうなるのか?どの金利のローンがおすすめなのかを専門家に聞いてみた。実は、どのローンを選ぶかは金利上昇よりも家計に影響を受けることもあるようだ。
■ アドバイスしてくれた人
プロフィル
『SUUMO新築マンション』『スーモマガジン』『Goodリフォーム』(すべてリクルート)などで、住宅問題全般 にわたって取材・執筆活動を続けている。主な著書に『はじめてのマイホーム 買うときマニュアル』『マンション購入 完全チェックリスト』(共に日本実業出版社)『新築マンション買うなら今だ!』(すばる舎)などがある。オールアバウト『マンション入門』 のガイドでもある。住宅に関するブログ『ジュウタクトリセツ』も開設中
10年以上低金利が続き、「2~3年は大きく上がらない」
下の図は都市銀行の変動金利の標準的な金利。バブル時には、8%以上と現在の消費者金融並みに高騰したことを考えると、1996年以来ずっと10年以上低金利が続いていることが分かる。また、住宅ローン市場の競争もあり、金利優遇で1%台の新規のローンを組める状態が続いている。「確かにここしばらくは景気が良くなる兆候もないですから。でも言えるのはここ2~3年はさほど金利は上がらないでしょうということくらいなのでは」と大森さん。「以前は日本だけ景気が悪かったので低金利でも良かったけれど、今は世界全体の景気が悪く、国際協調の名の下、“日本だけゼロ金利でいいのか”と言われたら、景気は良くならなくても金利は上げざるとえない状況だってありえます」(大森さん)。
ただ、5年前は「2~3年固定」が各銀行の住宅ローンの主力商品だったが、今は「10年固定」の金利をかなり低く設定している。つまり各銀行も「10年は金利がさほど上がらないから低く設定してもいい」と考えている証ともいえる。「しかし、少しでも金利上昇局面になれば、変動金利より10年固定の金利はずっと高く設定するでしょう。つまり10年固定が安いのは今のうち、という考え方もできます」。
■ 都市銀行の標準的な変動金利の推移

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ローンの借り換え2回で実感「金利予想は難しい」~Hさんの場合
確かに金利を読み取るのは難しい。15年前にマイホームを購入したHさんはそれを実感している。Hさんが最初に選んだのは3.3%の変動金利だが、2年後に「金利がさらに上がるかも」と、10年固定(4%)に借り換えをした。ところが金利は下がり続け、さらに2年後に2.5%の10年固定に借り換えた。「こう考えると、最初の変動金利のままでいたらよかったと思ってます。金利がそのまま下がり続けたんですから」。今年で10年の固定期間は終了するが、残債も少なくなってきたので、借り換えせず、そのまま変動金利にスイッチするとか。「私の場合はかなり珍しいケースだと思いますが、購入当初はこんなに低金利が続くとは思いませんでした」。
また通常「金利が上がる」のは好景気の証。楽観的にいえば、「景気が良くなり給与も上がれば、金利が多少上がっても問題ないのでは」と思えるのだが・・・。「ところが景気が持ち直しても、個人の収入に直接結びつかないこともありえます」というのも、頭の痛い話だ。

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金利上昇とライフステージの変化による負担増に注意
シングルでもDINKSでも、3年後、5年後どうなるか断言できる人は少ないはず。金利上昇とライスフステージの変化に備えて、余裕のあるときこそ頑張りたい
ここまで安い金利を選んだ場合の金利上昇のリスクについて述べてきたが、それ以上に気をつけたいのはライフステージの変化だ。「例えば金利上昇と、子どもの教育費が上昇するときのピークが重なると大変ですし、共働き時代に組んだ安い金利の固定期間終了と、出産や妻退職が重なれば一気に負担増です」。もし安いローンを選ぶなら、負担が軽いうちに貯蓄し、金利上昇に備えて繰り上げ返済で毎月返済額を抑えるなど対処を考えておきたい。人生に何が起きるかは分からないし、ローンも30年以上払い続ける長期戦だ。
「ローンの年間返済額は年収の25%以内」が目安といわれますが、変動金利で計算して25%ギリギリなら、金利が上昇したときには返すのが大変になります。いざというときの人生の転機に対応できない。できれば4%程度の金利でも計算して考えましょう」。

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