2009年10月28日更新

シングル・DINKS
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今度は逆に「長期固定金利」を選んだ人にも聞いてみたところ、「変動でもよかったかも」との声が。確かに金利の低さは魅力。しかし実際には変動金利を選んではダメな人ほど選ぶ傾向にある。ではその分かれ目はどこにあるのか、専門家に聞いてみた。

■ アドバイスしてくれた人

住宅ジャーナリスト大森 広司さん

プロフィル
『SUUMO新築マンション』『スーモマガジン』『Goodリフォーム』(すべてリクルート)などで、住宅問題全般 にわたって取材・執筆活動を続けている。主な著書に『はじめてのマイホーム 買うときマニュアル』『マンション購入 完全チェックリスト』(共に日本実業出版社)『新築マンション買うなら今だ!』(すばる舎)などがある。オールアバウト『マンション入門』 のガイドでもある。住宅に関するブログ『ジュウタクトリセツ』も開設中


「今考えれば変動にすればよかったかも・・・」35年の固定金利を選んだYさんの場合

 前回のNさんとは逆に、約5年前「35年の固定金利」を選んだのはYさん(37歳)。2900万円のローンを35年で組んだ。「当時金利は約2.7%で、とにかく安い!と思った記憶があります。そのときは少しずつ景気も上向きで“金利が上がるかも”と言われていたんですよね。確かに他に1%のローンもあったけど、“金利上がったらどうしよう”なんてドキドキしたくなかったんです」。ところがずっと共働きを続け、5年間でどんどん繰り上げ返済をし、このままだと10年あまりでローンを返し終えそうだ。「結局共働きを続けたし、収入もお互い上がったので思っていた以上に繰り上げができたんです」と余裕の様子だ。そこで考えてしまうのが選んだ金利。「こんなに早く返せるなら、別に変動でもよかったんじゃないかなぁと思うんですよね。1%だったら、毎月の返済額も2万円以上安かったし、金利が上がっても繰り上げ返済でどんどん返しているから、そんなに痛手でもなかったはず。意外と金利は上がりませんでしたしね」


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余裕があるなら、変動金利を利用するのもアリ

金利が上がっても返せる余裕のある人なら安い金利を選んでもいい。「ただ実際は、収入が高い人ほど金利が高くても返していけるので、
リスクを考え、長期固定期間のローンを選ぶ傾向にあります」(大森さん)

 「このYさんのように余裕のある人なら、実はどんな借り方をしてもいいんですよね(笑)」と大森さん。例えば、バリバリ働く共働き夫婦で、「子どもはいらない」もしくは「たとえ子どもが生まれても仕事を続ける意志と環境がある」人なら、もともと返済期間を短く組めたり、金利が上昇しても払っていける余裕があるはず。それなら「あえて変動で短く組む」という選択もある。また「将来結婚するつもりもない」、「返済期間は20年未満」、「頭金が十分あるので借りている額も少ない」という三拍子揃った(?)シングルも、変動金利を選んでいい人。「金利1%で毎月返済額を抑えた分、老後資金のための貯蓄にまわすこともできます」。返済期間が短くてすでに半分以上経過していたり、借りている額が少ないなら、たとえ金利があがっても負担額はさほどアップしないからだ。
 ほかにも、安さと安心の良さを持った「10年固定」を選ぶのも手。「金利は2%前後と、長期固定より安い。変動金利より安心です。さらに短く組める方なら、10年後はローンの元金もかなり減っているでしょうから、金利が上がっていてもさほど負担増にはならないはずです」。


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「買える!」と思いたいから「金利の安さ」を選択しがち

ローンのシミュレーションは設定次第で変わるもの。「買えるかどうか」の判断は、厳しい条件で考えてみるべき

 「問題は、変動金利で組んでギリギリな人でしょう。ところが、ギリギリな人ほど低い金利のものを選んでいると思います」と大森さん。前々回の「予算オーバーしたらあきらめる?なんとかする?」でも述べたとおり、いい物件に出会ったら多少予算オーバーと思っても「なんとか買える」と思いたいがために、変動金利1%のローンを選んでシミュレーションをしがちだからだ。しかしシミュレーション次第で毎月返済額は大きく変わる。「不動産会社も買えると思ってもらいたいので、特に要望がなければ低い金利で計算されていることが多いのでは。変動金利でも“ここ10年以上は金利が上がっていませんから”“不景気ですから当分金利は上がらないでしょう”と説明されると思います」。しかし、これからの10年がどうなるかは分からない。
 実際に5年前に購入したシングル女性のAさん(36歳)は「モデルルームでは、当初の主流だった2~3年固定の金利でシミュレーションをされ、“ほら買えますよ”と言われました。でも、“長期固定金利で計算して買える価格じゃないと決められない”と話しましたがなかなか分かってもらえなかった」という体験をしたとか。例えば金利が3%であれば4%で計算して、毎月の返済額がそれでも払えていける額と判断できるなら、実際は変動金利を選び、その分余裕ができるので、そのお金を繰り上げ返済にまわして金利上昇に備えるという考え方あります」。つまり、実際は変動金利を選ぶとしても、安い金利でのシミュレーションは「買える」「買えない」の判断にはしないほうがよいということだ。


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次回、11月4日更新の記事は「今後金利は上がる?それとも低いまま?」について掲載します。

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