3回目の今回は、将来予測。「物件価格は安くなるのか」「新規の物件は供給されるのか」--気になる今後の新築マンションマーケットを専門家に直撃。今後の購入行動の参考にしよう。
■ アドバイスしてくれた人
プロフィル
「住宅情報スタイル」「都心に住む」元編集長。オールアバウト「高級マンション」ガイド、WEBマガジン「家の時間」編集長を務める。94年から始まった首都圏の新築マンションブーム以降、見学したモデルルームの数は、優に1000件を超える。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)。ブログ「良いマンションに住みたい」も必見
プロフィル
長年のマンション販売の経験を生かし、「e住まい探しドットコム」を設立。住宅購入検討者に対してネット上でカウンセリングを行うほか、セミナー講師や住宅サポートサイトでのコラム執筆でも活躍。オールアバウト「マンション生活・管理」のガイドも務める。著書に『プロが教える住宅ローン得する借り方返し方』(週刊住宅新聞社)
価格が急激に安くなることは期待できないのが現状
マンション原価は土地代と建築費が多くを占める。つまり、土地代や建築費のコスト変動で、マンション価格は決まるというわけだ
ユーザーとして気になるのは「もっと待てば、価格はまだ下がるのか?」ということ。
「土地の価格は下がりましたが、今抱えている物件は、まだ土地が高かった時代に取得したものなので、そんなに安い分譲価格が今すぐ出てくるわけではないと思いますよ」(坂根さん)。「上がりはしないでしょう。ただ、どんどん安くなるとも思えないですね。まず、各ゼネコンの立場に立てば、建築コストが大きく下がることは考えにくい。また、用地取得に慎重になっているデベロッパーはどこも“いい条件の立地で建てたい”と思うので、条件のいい土地には入札が集中。結果、マンション価格が大きく下がるということにはならないのでは」(平賀さん)と予測する。

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供給数はダウンで選択肢が狭まるなか、注目はタワー物件
供給数はどうなのだろうか。ちなみに首都圏の新築マンションの供給数は、2005年は約8万戸、2008年は約4万戸。3年で半減したことになる。「品薄感はありますね。ビルや賃貸も行っている大手なら、分譲事業を縮小しているケースもあります。半面、マンション分譲を主軸とする中堅クラスは、既存の物件を売り切ることに全力投入で、まだまだ新規分譲には消極的になっているはずです」(平賀さん)。「昨年のリーマンショックのときは、どの会社もあまり土地を仕入れられなかったんじゃないでしょうか。だから新規物件は少ないでしょう」(坂根さん)
そんななか、期待されているのは「タワーマンション」。「やはりその時のランドマークになるような物件は強い。東京タワーやレインボーブリッジの夜景が楽しめるタワーマンションなど、高くても売れている物件はあります」(坂根さん)。--付加価値の高いタワーマンションに注目が集まる時期はまだまだ続きそうだ。

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買い手市場であることは確かだが、「自分の買いどき」も大事
運命の物件を見つけるのは、まるで婚活?市場の買い時だけでなく、自分の購入適齢期も考えたい
つい、市況の動きに気をとられがしたが、それだけに買いどきを判断するのも考えもの。「本来は、自分のライフスタイルを見極めて買うべきですね。こんなに安くなったから、という理由で買うと後悔することにもなりかねませんから」(坂根さん)。賃貸の更新、結婚、出産など、それぞれに自分の買いどきはあるはず。市況の動きも重要だが、自分なりの「買いたいタイミング」も大切にしたい。
また不動産会社も短期集中で集客するというよりも、長期戦で1戸1戸購入者を探す販売戦略に変わっている。「住宅」は、通常の商品と違い、同じものをたくさんの人が手にする必要はない。1対1で契約が成り立てばいいので、「どんどん価格が安くなる」というものではないのだ。
つまり、供給が少なくなり、価格が大きく下がる見込みはないのが現在のマーケット市場。「希望のエリアに条件に合う物件があって、“でももっと安くなるかも”と思って見送っても、次に新しく供給される保証はないかもしれません。自分が買いたい、買うべきタイミングにいて、条件に合う物件に出会えたら、特に待つ理由はないと思いますよ」(坂根さん)。「買い手市場で、ユーザーはワガママがいえる状況。いい買い物ができるチャンスもありますよ」(平賀さん)。そのためにも、きちんと情報収集し、広く比較検討し、本命物件はとことん調べ、粘り強く探す。それが欲しい物件に出会える一番の近道かもしれない。

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