夏休みを前に、「秋以降、新築マンション市場はどうなるか?」は、最も気になるところ。価格、供給状況など、現在の不動産業界の状況をふたりの専門家にインタビュー。まずは2008年からどういう市況だったか、復習することから始めたい。
■ アドバイスしてくれた人
プロフィル
「住宅情報スタイル」「都心に住む」元編集長。オールアバウト「高級マンション」ガイド、WEBマガジン「家の時間」編集長を務める。94年から始まった首都圏の新築マンションブーム以降、見学したモデルルームの数は、優に1000件を超える。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)。ブログ「良いマンションに住みたい」も必見
プロフィル
長年のマンション販売の経験を生かし、「e住まい探しドットコム」を設立。住宅購入検討者に対してネット上でカウンセリングを行うほか、セミナー講師や住宅サポートサイトでのコラム執筆でも活躍。オールアバウト「マンション生活・管理」のガイドも務める。著書に『プロが教える住宅ローン得する借り方返し方』(週刊住宅新聞社)
「線路価の全国平均、4年ぶりに下落」で、ミニバブル崩壊
7月1日に発表された線路価では、全国平均が4年ぶりに下落に転じた。前年に17.4%に上昇した東京は一転し、7.4%ダウン。「都心の局地的なミニバブルが崩壊した」ということを証明した形になった。景気悪化に伴い土地の価格は下がっているというわけだ。
「不動産も株価と同じ。買いたい人よりも売りたい人が多いなら、需要と供給のバランスが崩れ、その不動産の価値、価格は下がる。つまり、今は需要不足で、買いたい人が減っているため、不動産価格は下がるということです」(平賀さん)
なぜ、こんなことが起きたのかを探るうえで、2008年下半期から不動産マーケットで起きていた出来事を復習する必要がある。
景気悪化で新築マンションの売れ行きが落ち込む
まず、昨年、新築マンションマーケットはどうなっていたのだろう。不動産経済研究所のデータによると、2007~2008年にかけて、新築マンションの価格は急激に上がり、供給数は減少した。さらには契約率が下がり、在庫戸数が増えている(下図参照)。「外資系投資マネーにより、都心の不動産が高騰しました。そこで都心で用地取得ができないデベロッパーが、郊外へ。結局土地を高く買っていますから、新築マンションの価格も高く設定せざるをえません。その結果、一般ユーザーは“買いたくても、高くて買えない”状況になってしまったんですね」(坂根さん)
しかも、ユーザーの動きが鈍化したところで、サブプライムローン問題、リーマンショックが起き、外国人投資家が日本の不動産を買わない状況に。「さらに金融機関の貸し付け基準が厳しくなり、資金繰りが悪くなった不動産会社が、利益を出しているにもかかわらず、倒産を余儀なくされました。いわゆる“黒字倒産”です」(平賀さん)
そこで、2008年末~2009年初頭にかけて、各不動産会社が行ったのが「価格の見直し」だ。今年3月末の決算期前のシーズンは特に、在庫物件の販売に力を注いでいた。その結果、オプションや諸費用のサービス、価格自体の見直しなど、不動産業界は、ユーザーにうれしい「買い手市場」になっていったのだ。
では次回からは、実際にどういう状況になっていたのかを探ることに。
■ 首都圏の新築マンション供給戸数と平均価格の推移
■ 新築マンション供給在庫戸数と契約率の推移

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