最終回の今回は、思い立ってから契約までの期間、契約から入居までの期間など、家探しのプロセスの話。家を買おうとなると時間がかかるというイメージがあるかもしれないが、データから読み取れるのは「探し始めたら一気に決める」購入者の姿だ。
「2カ月以内で契約」「見学数は3件以内」というシングルは半数以上
家探しを思い立ってから契約までの期間の平均は、シングルが8.2カ月、夫婦のみ世帯が7.8カ月だが、詳細をみていくと、シングルも夫婦のみ世帯も約半数が「4カ月以内」で契約に至っている。しかも、シングルに限ると4人に1人が「2カ月以内で契約」という超スピード契約をしていることが分かる(グラフ1)。一方、「15カ月以上」と答えている人が1割以上いるので、その人たちが平均を押し上げているのだろう。
また、平均見学数(新築マンションに限らず中古や一戸建ても含む見学数)は、シングル5.3件、夫婦のみ世帯6.3件だが、構成比で見ると、シングルは「3件以内」、夫婦のみ世帯は「5件以内」が半数以上を占めている(グラフ2)。しかもシングルは「0?1件」という人がなんと2割以上もいることにも驚かされる。
ちなみに子どもあり世帯は、シングルや夫婦のみ世帯に比べると、検討期間も長めで、見学数も多い。子どもがいるとどうしても今住んでいるエリアを離れにくく、希望エリアが狭いと対象となる物件も限定されるので、検討期間が長期化する傾向にあるのかもしれない。また、シングルの検討期間が短く、見学数も少ないのは、意見をすり合わせなければいけない同居家族がいないため、自分が「これだ!」と思えば即決できるからだろう。しかし一生に一度の買い物なので、「1件で衝動買い」よりも、比較検討して見る目を養うため複数の物件を見ることも大切だ(ただし、あまりにも長期化すると、迷って決められなくなるというケースもある)。
■グラフ1 購入を思い立ってから契約までの期間
■グラフ2 見学件数

シングル&DINKSにぴったりのマンションを探そう
シングルは中古マンション、夫婦のみ世帯は新築一戸建ても並行検討
■グラフ3 並行検討の住宅種別
また今回のデータはすべて新築マンションを契約した人のデータだが、もちろん最初から新築マンションだけを検討していたわけではない。
例えば、シングルの4割超は中古マンションを検討している。シングルの場合、立地重視で予算も限られているため、中古マンションも選択肢に入れざるを得ないからだろう。また、「マイホーム=一戸建て」というイメージがあるからか、夫婦のみ世帯は4組に1組(子どもあり世帯は3組の1組)は新築一戸建ても検討している。
しかし、今回この調査に協力してくれた購入者はすべて、中古マンションや新築一戸建てを検討しつつも、「予算と駅からの近さを考えると一戸建てよりもマンション」「設備や内装の新しさを考えると新築で」などさまざまな理由からか、結果的には新築マンションを選んでいるともいえる。

シングル&DINKSにぴったりのマンションを探そう
即入居や完成間近な物件の増加で入居までが短縮化
■グラフ5 契約から入居までの期間
(前年対比)
2008年で最も顕著だった傾向は、「契約から入居するまでの期間が短くなった」ということだ。契約から入居までの期間は、「2カ月以内」「3?4カ月以内」が2007年に比べると、それぞれ10%近く増加している。(グラフ 3 ※ライフステージ別の違いが少ないため、契約者全体のデータで表記)。ちなみに2006年は「?4カ月以内」は24.6%、2008年は57.2%なので、2年前に比べると倍近く増えていることになる。通常、大規模マンションやタワーマンションなどは工事期間が長いため、「契約したけれど入居するまで1年かかる」という物件も少なくなかったが、最近は完成間近な物件を契約している人が増えたというわけだ。
その背景は、景気悪化に伴う2008年の不動産事情が大きくかかわっている。不動産の売れ行きが鈍くなったため、各デベロッパーが土地の段階や工事が着工したばかり段階で販売される、いわゆる「青田売り」物件よりも「すでに完成している」「もうすぐ完成する」物件の販売に力を入れざるをえなく、その結果、契約後さほど待たずに入居できる物件を買う人が増えているのだろう。
ということは、「結婚と同時に」「賃貸の更新前に、「子どもが生まれる前に」など、家探しにリミットのある人は、ある意味チャンス。即入居可物件や完成間近な物件を選べば、まだまだ間に合う、というわけだ。

シングル&DINKSにぴったりのマンションを探そう