今回からはシングル・夫婦のみ世帯の両方のデータを見てみたい。誰もが予算がある以上、「何かを優先させて、何かを妥協している」のが事実。ではどんな選択をしているのか、購入者のデータから探ってみよう。
立地よりも「価格」と「広さ」を妥協する人が多い
重視項目のシングルのトップ5は、「1. 価格、2. 最寄駅からの時間、3. 通勤に便利なエリア、4. 間取りプラン、5. 広さ」で、夫婦のみ世帯の場合も、3と4が逆になっただけでさほど変わらない。「予算内で、便利な立地で、できるだけ広い物件を購入したい」--と誰もが思っているというわけだ(表1)。
とはいうものの、誰もが予算がある以上、何かをあきらめているのが実情。では契約した物件の「あきらめた項目」も見てみたい。上位に挙がるのは、やはり「価格」と「広さ」(表2)。「最寄り駅からの時間」や「通勤に便利なエリア」などの立地面よりも、その2点をあきらめたという人が多い。つまり立地の利便性を優先させた結果、「予算をオーバーするか」「広さを妥協するか」--のどちらかの選択をしているということだ。

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シングル中心に「南向き以外」を選択する人は多い
上記のあきらめ項目にあり、重視項目にないのが、「住戸の向き」(上記、表2参照)。特にシングル女性は広さよりもあきらめる人が多い結果に。「日当たりがいい南向きがベスト」と思いつつ、「予算を考えると、南向き以外を選択せざるをえなかった」という人が多いようだ。実際、どの向きを選択したのかが下の表(表3参照)。シングルは南向きが27%、東・西・北向きが全体の4割超を占める。夫婦のみ世帯は南向きが38%。東・西・北向きは約26%と逆転する(ちなみに子どものいる世帯は南向きを選択する人のほうが多い)。シングルの場合「仕事で平日の昼間は家にいないから、日当たりは我慢しよう」と考えているのだろう。
もちろん「日当たりがいい=南向き」というわけではない。東向きなら朝日が明るく、西向きは実は日照時間が長く、朝遅い生活をしている人には向いている。北向きは4方向に住戸のあるタワーマンションで設定されるケースが多いが、上層階なら視界が広がり開放感ある眺望を楽しめる場合もある。そう考えると、「住戸の向き」は立地や広さよりも妥協しやすい条件といえるかもしれない。

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データで分かるシングル女性の求める「セキュリティ」
シングル女性といえば「セキュリティ」を重視しているイメージが強い。実際に「決め手となった物件スペック」でも、3番目に回答する人が多い(表4参照。ちなみに契約者全体では5番目)。では、実際に「24時間管理員や警備員のいる常駐管理マンションに住んでいるか?」と聞かれたら、答えはNoだ。夫婦のみ世帯では常駐管理は約30.1%いるが、シングル女性は15.9%で、シングル男性すらと比較しても低い。さらに、管理員が週に数回巡回するだけの管理形態のマンションを選択した人は17.7%だ(グラフ 5)。夫婦のみ世帯の場合は5.3%しかいないことを考えると、実は管理形態に関しては、セキュリティが充実した物件を実は選択していないことが分かる。
その背景は、シングル女性の選んだ物件の規模が大きく関係している。シングル女性の購入した物件の4割超が50戸未満の小規模マンションで(グラフ6)、人件費がかかる24時間管理は選択されない物件がほとんどだろう。一方、Vol.4で述べたとおり、シングル女性は駅から徒歩5分以内の物件を選ぶ人が多い。つまり、シングル女性は、「24時間管理で安心のセキュリティ」よりも「駅から近くて夜道が怖くないセキュリティ」を選択している、というわけだ。
■グラフ5 購入物件の管理形態
■グラフ6 購入物件の総戸数

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