「ゴロンと寝転がれる畳スペース。ボクの希望はそれだけでした」という夫のリクエストに応えるために、担当デザイナーが提案したのが「黒い畳」。Tさん夫妻の反応を探りながら恐る恐る黒い畳を提案するデザイナーの様子が面白かったと妻も振り返る。
今は夫が漫画を読む究極のリラックス空間に。
下部は収納スペースに。どんな持ち物があり、
どこに何を収納したいのかも、デザイナーに
伝えて設計してもらった
妻の強いこだわりが結実したのがこのキッチン。
「映画『かもめ食堂』に出てくるキッチンが、
イメージを伝えるのにちょうどよかった」。
Tさん夫妻のリクエストが実に的確だったこともあり、
デザイナーの提案も次第に「Tさんの雰囲気だとこうじゃないですか?」
とあ・うんの呼吸になってきたそう。
照明はイメージに合うものをTさん夫妻が自分たちで探してきた。
ディテールにこだわり、機能をコンパクトに収めたキッチン。カウンター下の可動式チェストもデザイナーにオーダーして作ってもらった
Tさん夫妻がともに希望したのが「友だちをたくさん呼べる広い空間を作りたい」ということ。そこで、間仕切りを取り払い、もともと2DKだった住戸をワンルームにした。
来客が大勢になるときは、縦に長いテーブルを置いて、みんなで床に座るスタイルにすることで十分対応できるそうで、「去年の忘年会は20人集まりましたが、まだ余裕がありましたよ」とのこと。
正面左の間仕切りは収納も兼ねており、
リビング側は本など、浴室側はタオルなどを収納
手前が寝室スペース。リビングとの間仕切りも、完全には閉鎖せずに、あくまでもゆるやかに仕切っている。
将来、動かすことも可能だ
入浴時はキッチン側にある引き戸を引けばプライバシーも完璧。しかもガラスブロックからの光でバスルームの明るさは十分
洋室だったスペースの一部を玄関に。
「学校の昇降口のようなイメージ」というオーダーだったそう。手前右側は浴室とキッチンに抜ける通路