災害時に備えて見直そう 避難グッズの収納場所と備蓄のキホン

災害時に備えて見直そう 避難グッズの収納場所と備蓄のキホン

 

地震大国といわれる日本、自然災害は決してひとごとではありません。避難するときに必要なグッズ類、在宅避難の場合に必要な備蓄の量、最適な収納場所など、これらの知識は日本に住む人の必須知識といえます。「防災をもっとオシャレでわかりやすく」をコンセプトに防災を広める団体「防災ガール」の筒木さんに、災害対応にまつわるお話を聞いてきました。

 

まずは避難! とっさのときに持ち出しすべき持ち物

大地震などの災害が起きた場合、必要なものを全て持って避難することは、即座にできるものではありません。そんなときに持ち出すべき物はどんなものでしょうか。

「あれこれと持ち出す時間がない可能性もありますし、安全が確認できたらそのまま在宅避難になるケースも想定されます。さまざまな災害ケースがあることを考えると、ひとまずとっさの避難時には、日ごろから使っているバッグに防災グッズを忍ばせておき、それを持ち出すことがオススメです」(筒木さん)

筒木さんオススメの携帯防災グッズはこちら。

 

いつも使っているバッグに入れておきたい防災グッズ

・スマートフォンや携帯電話の充電器(情報取得に当たりバッテリーは重要)

・常備薬(1週間分程度)

・ウェットティッシュ(身体をふいたり、歯を磨いたりする際に使用)

・メガネ or コンタクトレンズ(目の悪い方のみ)

・マスク(粉塵や煙などを避けられる)

 

「これらは、災害時に限らず、ふとしたときに役に立つものばかり。いつものバッグに防災グッズを入れることが、防災の第一歩です。毎日使うバッグは持ち出しやすい場所に置いていると思いますし、財布や保険証など重要なものも入っていることが多いはずです」

普段は携帯したりしなかったりのこれらのグッズ類ですが、外出時に中身を点検して、常備しておいたほうが良さそうです。

 

とっさの避難グッズ、置き場所はどこが最適?

とっさの避難グッズは、すぐに手に取れる場所になければ意味がありません。最適な置き場所はあるのでしょうか?

「一人暮らしなら玄関に置いている人が多く、家族が多い場合には寝室や玄関近くの部屋に置いている人が多いようですね」(筒木さん)

たしかに家族全員分となると、玄関ではスペースが足りず邪魔になりそうです。

「防災用品は家族の人数分必要なので、家族が多い場合はひとまとめにするのではなく、人数分のリュックを用意して、それぞれの部屋に置くのもよいと思います。かさばるものは旅行用のキャリーバッグや旅行バッグに入れておけば、スペースが節約されて一石二鳥で収納できます」

「ここに置いておくからね」と置き場所を家族全員で把握して、とっさの避難時には近い人が持ち出す、そんな共通意識も必要になってきますね。

 

ライフラインが止まったとき、必要な備蓄量は?

災害時にはガス・水道・電気が止まった家で暮らすことも想定されます。ライフラインが止まった家で暮らすことを想定し、生活用品・食料品などを備蓄しておきましょう。

「首都直下地震対策大綱」において、発災後3日間程度を応急対策活動期としていること、また、発災時の被救助者の生存率は4日目以降激減することから、発災後3日間は救助・救出活動を優先させる必要があります。(東京防災HPより)

 

東京防災によると、最低でも3日分の備蓄量が必要のようです。大人1人が必要とする備蓄量はどのくらいでしょうか。また、乳幼児が必要とする備蓄は、大人とは異なってくるので確認しておきましょう。

 

「生活用品、消耗品、食料など、必要なものは多岐にわたります。多めに簡易トイレ、非常食を用意するとともに、普段から少しだけ多めに保存がきく食品(缶詰、パスタ、レトルト、フリーズドライ食品など)を購入しておくことをオススメします。乳幼児向けの備蓄は、災害後にすぐに手に入らない場合もあるので、アレルギーや食べ慣れたメーカーの備蓄を用意することがとても重要になってきます」(筒木さん)

下記に、大人1日分・乳幼児など、必要な備蓄量をまとめました。

 

大人1人が1日に必要な備蓄量

・水3.5L
・食料(缶詰、レトルト食品、栄養補助食品など)
・簡易トイレ5回分
※備蓄はこの3倍(3日分)が必要になります

 

乳幼児に必要な備蓄

・粉ミルク
・離乳食
・おむつ
・おしりふき
※各3日分
※月齢や個人差で幅があります。普段から必要量を把握しておきましょう 

 

そのほか、最低限必要な生活用品・消耗品

・懐中電灯2個
・携帯ラジオ1個
・毛布(人数分。季節によって不要な場合も)
・単3乾電池4本
・ライター1個
・カセットコンロ1個
・ガスボンベ2本
・携帯電話の予備バッテリーや充電器(個数分)
・生理用品1サイクル分
・ティッシュ1箱
・ウェットティッシュ1袋
・トイレットペーパー2ロール
・歯ブラシ人数分
・ドライシャンプー
・常備薬
・救急セット
・マスク(人数分プラスα)
・ゴミ袋5枚
・紙とペン
・軍手(人数分プラスα)
・水タンク2個

 

3日分の備蓄、どこに保管する?

災害用の備蓄を用意していない理由に、「置く場所がない」ことを挙げる方も多いよう。3日分の大人の備蓄量は、どこに置けばいいのでしょうか?

「防災のために生活を変えるのではなく、災害があっても生き抜いていけるよう準備することが一番です。そのため、わざわざ災害用にまとめるのではなく、食料はキッチン、毛布は押入れと、使う場所に置いておくことをオススメします。また、1カ所に置いておくと、倒壊したときなどに取りにいけないリスクもありますので、分散しておいておくことをオススメします。『避難グッズは1カ所に、備蓄は普段の生活に合わせて分散収納』がポイントです」(筒木さん)

広いスペースがあれば1カ所にまとめられるのに……と思った方には意外な回答です。場所を分けて置くなら、普段の生活に支障をきたすことなく備蓄を保管できそうですね。

 

「オススメの場所は、玄関、耐震補強がされた床下収納、スペースがとりやすいリビングなどが良いと思います。逆にオススメできない場所は屋根裏。高温になりやすいため、備蓄品の保存には不向きです」

耐震補強がされていない床下収納は、震災時に歪んで取り出せなくなるリスクがあります。造り付けの棚や扉付きの物置などにも、同様の懸念があります。特に1981年以前の家は旧耐震基準で建てられているので、防災リフォームを考える際は、この点も考慮にいれて収納スペースの見直しをすると安心です。

 

備蓄品は普段使う場所に分散を

【画像1】備蓄品は普段使う場所に分散を(画像:Fotolia)

 

災害時のことを考えて、家の見直しを

災害時の心配ごとは、食料品や生活用品の不足だけではありません。

「阪神大震災や熊本地震の死因で多くを占めるのが圧死。日ごろから住宅の耐震化を行い、家具の固定はぬかりなく行っておきましょう」と筒木さん。

 

「地震が起きると、家具などが転倒し、逃げ道がふさがれてしまうことがあります。大型の家具・家電、収納のレイアウトを見直し、家具などが転倒したとしてもドアの開け閉めができるよう、余裕をもって配置することが大切です。
また、廊下は比較的スペースが狭いため、物が散らばると通りにくくなります。できるだけ家具を置かないようにしましょう」

 

家具の転倒や、割れ物や雑貨の雪崩はパニックを引き起こす原因にも。家具の固定や、避難時の動線、収納スペースなどを見直して改善プランを考えてみてください。狭いスペースには物を置かないようにする、壁面収納リフォームを検討するなど、家族の安全・安心のためにできることはたくさんありそうです。また、旧耐震基準の家を新しい耐震基準に合致させるリフォームは、補助金制度もあるので、調べておくとよいでしょう。

 

まとめ

家のなかでどこが危ないか、備蓄はどこに置くか、具体的なイメージをふくらませることが大切と再認識できたのではないでしょうか。災害時の備えはついつい後回しにしがち。ぜひ、家族みんなで、震災視点での家の見直しをしてみてください。

取材協力:一般社団法人 防災ガール 筒木さん