リフォームを行う際、なにかと不安はつきものです。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の調査(※)によると、リフォームの際の不安や心配事として、「見積もりの相場や適正価格がわからない」という点が1位となっています。
●リフォームの際の不安や心配事(複数回答)
1位:見積もりの相場や適正価格がわからない 42.9%
2位:施工が適正に行われるか 39.1%
3位:会社選び、手続きが面倒そう 26.6%
リフォームの見積書は、なにかと専門的な内容が多く、わたしたち素人にはわかりにくい部分もあるもの。そこで、見積書の内容をチェックしてくれるうれしいサービスを紹介します。国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口である「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」の原田さんにお話を伺いました。
これは助かる! 無料の「リフォーム見積チェックサービス」
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが行っている「リフォーム見積チェックサービス」。 これは、リフォーム工事を契約する前の段階で、見積書の内容をチェックしてもらえるサービスだそうです。「リフォーム会社から見積書をもらったものの、これが妥当かどうかわからない……」といった相談を無料ですることができます。
「リフォーム見積チェックサービス」の流れ
- 「住まいるダイヤル」に電話をかける
住まいるダイヤル:0570-016-100(10:00〜17:00/土日祝、年末年始を除く)
※PHSや一部のIP電話からは03-3556-5147
希望する場合は、見積書や図面を郵送またはFAXで送る - 相談員が図面と見積書を照合して見積価格や工事内容などを細かくチェック
消費者自らが見積書を適切に判断できるよう、一級建築士の資格をもつ相談員がリフォーム会社に確認するポイント、リフォームを進める上での注意点などのアドバイスを電話で回答
このサービスを活用すれば、リフォーム会社との契約前に見積書の内容をチェックしてもらうことができ、さらに見積書の内容の確認ポイントを教えてもらえるので助かりますね。
具体的にどんなアドバイスがもらえるの?
「リフォーム見積チェックサービス」で、経験豊富な建築士から具体的にどのようなアドバイスをもらうことができるのか伺いました。
見積書について
・工事範囲、工事箇所などが明記されているか
・数量は適正にカウントされているか
・材料や施工などの仕様は明記されているか
その他
・技術的観点からのチェック
・材料などの市場価格に関する情報提供
このサービスでは、書類の見積書が適正か、希望通りの工事内容になっているか、過剰請求されていないかなどをアドバイスしてもらえるそうです。
また、実際のアドバイスの事例として、見積書と図面をチェックしたところ、計算ミスや不備が多かったため見積書を再作成してもらった例や、見積書に“ご注文サイン欄”があり署名を求められたケースについて、どういう目的であるか説明を受けて確認することを勧めた例などもあるそうです。
消費者には、読み解きにくい部分もある見積書。少しでも疑問を抱いたらうやむやにせず、まずは相談してみましょう。
【画像】電話で相談(写真:fotolia)
もっと詳しく相談したい人は「専門家相談」(面談)も検討してみては
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、全国52の弁護士会と連携して、弁護士・建築士による「専門家相談」も行っているとのこと。
「リフォーム見積チェックサービス」よりもう一歩踏み込んだ相談をしたい場合、こちらを検討してみてはいかがでしょうか。
「専門家相談」とは
リフォーム工事の発注者または発注予定者が利用できる専門家による面談相談です。初回は無料、2回目以降は有料(1万300円/回)で利用でき、全国の弁護士会などで、住宅本体のリフォームに関する相談(不具合、契約トラブルなど)ができるようです。
「専門家相談」の申し込み方法
住まいるダイヤル(0570-016-100)へ電話にて申し込み
「専門家相談」は予約制のため、まずは住まいるダイヤルへ。大切な家のリフォームなので、疑問や不安は契約前にしっかり解消しておきましょう。
まとめ
今回ご紹介した、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが行う「リフォーム見積チェックサービス」。どんなささいな疑問や不安でも、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。契約前にこのサービスを使って、見積書をきちんと自分で見極められるようにアドバイスをもらってみてはいかがですか?
●取材協力:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 原田さん
※一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「インターネットによる住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する第9回調査報告書」より