
誰にとっても家という大切な資産を持つときに知っておきたい経済知識を本誌では分かりやすく解説しています。
今回はその一部をご紹介いたします。
都心で住まいを買うときに、多くの人が利用する住宅ローン。
その際にやはり気になるのは金利の動き。
「超低金利で買い時」の時代を専門家が解く。
変動金利(数値は店頭表示金利)は短期プライムレートの数値に連動して動く。
フラット35の借入金利は最低金利の数値(2007年10月以後は返済期間が21年以上35年以下の場合のもの)。
日本では2000年代に入って低金利が続いていますが、これはずっと景気が悪かったため。インフレになれば日銀が短期金利を上げますが、バブル崩壊後はデフレ状態です。
一方、長期金利も低金利が続いています。日本では景気対策で国債が大量に発行されて政府債務残高がGDP比200%を超えていますが、一方で個人や企業を含めた民間の金融資産が積み上がり、カネ余りの状態です。デフレ下で企業が設備投資などにお金を使わないため、金融機関には運用しきれない預金が余っています。これを運用するには債券を買うしかないため、国債が大量に発行されても利率が上がらないのです。
金利には短期金利と長期金利があり、住宅ローンの金利にも影響します。このうち日銀が政策で動かすのが短期金利です。
景気が過熱してインフレが起きそうなときは短期金利を上げて金融機関がお金を貸しにくくし(金融引き締め)、不景気のときは金利を下げて貸しやすくします(金融緩和)。
長期金利には短期金利の動きと、長期国債の金利が影響します。金融機関が日銀の政策を予測し、損をしないように企業などにお金を貸すときの長期金利を設定します。また長期国債が大量に発行されると、多くの投資家に買ってもらうために金利が上がり、長期金利も上昇するという関係です。
短期金利はほぼゼロ金利、長期金利も低水準なので下がる余地は限られます。逆にインフレになれば金利が上がると考えられますが、日本経済が成熟して投資してもなかなか儲からない状況なので、インフレにもなりにくくなっています。ただ中国やインドなど新興国の原油需要などが増え、原材料費がアップしてインフレになる可能性はあるかもしれません。また高齢化が進み、国債を売って生活費に充てる人が増えるなど、国債が売りにくくなることで長期金利が上昇する可能性もあり、予断は許さないでしょう。
短期金利は景気や物価の動きに連動するほか、為替にも注目する必要があります。長期金利に影響する財政の状況も要チェックです。景気の先行きは内閣府が毎月発表する景気動向指数や、四半期GDP成長率などが参考になります。物価の指標では総務省の消費者物価指数が代表的ですが、為替の動向にも注意が必要です。対ドルだけでなく、人民元やウォンなどが円に対して高くなると輸入品が高くなり、物価上昇の要因になるからです。また景気が回復し株価が上昇すると、資金が債券から株に流れて長期金利上昇につながります。
住宅ローンには、変動金利と固定金利があり、それぞれ短期金利と長期金利に影響を受けます。短期金利の基準となっているのは日銀の政策金利です。政策金利が動くと、各金融機関の短期プライムレートが変更され、それを受けて変動金利も変わるしくみとなっています。長期金利の代表的な指標は、10年物国債の利回りです。利回りは日々変わるため、金利は、ほぼ毎月見直されています。
現在、変動金利は1%前後で借りられ、固定金利は2%台が中心。そのため、お得感のある変動金利は根強い人気です。しかし、変動金利は6カ月ごとに適用金利が変動する可能性があります。一般的な商品の場合、5年たった時点で、返済額が最大1.25倍までアップする可能性も。金利が上昇するリスクも視野に入れ、例えば、変動と固定をミックスするなど、借り方を検討することも大切です。
住宅ローンは金利以外にも、手数料や保証料、団信保険料などのコストがかかります。金利が低い代わりに、手数料が高めなケースもあります。フラット35は保証料がかかりませんが、団信に加入するときは保険料が別途必要です。保証料も保険料もかからない銀行もあるので、トータルで比較しましょう。借りてから繰り上げ返済を考えているなら、その手数料も確認を。


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