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ロンドン・NY・東京 都心に暮らす価値

都市の力がひとの流れを変える
昔からある町、新しく創られる町。

「都心に住む」2011年3月号掲載

都心に住む 毎月26日発行
都市の力がひとの流れを変える
昔からある町、新しく創られる町

London

Hampstead ハムステッド

日本で言えば「田園調布」などにも近い、落ち着いた高級住宅地。すぐそばにある広大な公園「ハムステッド・ヒース」はロンドン市民の憩いの場

Hampstead ハムステッド
Islington イズリントン

おしゃれなファミリーの多い住宅街。リベラルな中間富裕層が中心のコミュニティで、センスのよい店が並ぶ。アーセナルFCの本拠地からも遠くない

Islington イズリントン
Map London
Canary Wharf カナリー・ワーフ Canary Wharf カナリー・ワーフ

テムズ川に面し、かつて造船所や倉庫などの港湾施設があったロンドン東部の再開発地域「ドックランズ」の一部であり、ロンドンの「金融副都心」

Shoreditch ショーディッチ Shoreditch ショーディッチ

倉庫街からスタイリッシュな若者が集まるエリアへと変貌を遂げた街。近隣のホクストンに有名ギャラリーやダンスクラブが進出して人気を決定づけた

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New York

South of Harlem サウス・オブ・ハーレム
South of Harlem サウス・オブ・ハーレム

コロンビア大学に近いモーニング・サイド・ハイツの高台エリアは、Soha(South of Harlem)と呼ばれる。お洒落なレストランやカフェが急増中だ

SOHO ソーホー SOHO ソーホー

かつては広いロフトと安い家賃を求めるアーティストたちの街だったが、現在は高級ブティックなど高感度なショップが立ち並ぶエリアに

Battery Park City バッテリー・パーク・シティ

25エーカーの公園を擁し、サイクリングや野外コンサートなどのレジャーも楽しめるエリア。人気の高い学校区も多く、アッパー層のファミリーが多く住む

map NewYork
DUMBO ダンボ

Down Under the Manhattan Bridge Overpassの略。橋の間に広がるエンパイア・フルトン・フェリー・ステート・パークからの眺めは最高

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TOKYO

Map Tokyo
晴海 晴海

明治~昭和にかけてつくられた埋立地で、2000年の地下鉄大江戸線開通、また06年の晴海大橋の開通により、交通状況が飛躍的に向上、開発が進んだ

麻布十番 麻布十番

16世紀からの歴史をもつ同地は明治時代には領事館、大使館が並び、大正時代には花街や演芸場、映画館などがつくられて大いに栄えたといわれる

白金高輪 白金高輪

邸宅街として知られるが、商店街や町工場もある落ち着きある街。地下鉄南北線「白金高輪」駅の開通に伴い、大規模な再開発が行われてきた

豊洲 豊洲

工業地帯として発展し、流通の拠点となったが、再開発と区画整理が進み、マンションの建設ラッシュ、またオフィスや商業施設もオープンして変貌を遂げた

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イメージ一新のハーレムとアーティストたちが開く街

ロンドン、ニューヨーク、東京・・・世界の大都市では常に、激しい市場の変化、経済や物資の高い流動性に合わせて、そこで暮らす人々もどんどん新たなマーケットへと移動する。ライフスタイルの変化に合わせて、住まいもまたその姿を変えることが求められ、そこには常に都市の再開発の需要が潜んでいる。生物の細胞のようなその新陳代謝のダイナミズムは、都市を活性化させ、そこでの暮らしを楽しく、エキサイティングなものにしてくれる。一方で、古くから続く伝統的な街の風景は歴史の重みを感じさせ、その土地に対する誇りや帰属意識を自然に醸成してくれる。どんな都市も、常にそういった両面のバランスをとりながら変化を続けていると言える。

ここ10年ほど湾岸エリアの再開発が急速に進む東京と同様に、ロンドンでもニューヨークでも、より新しく価値が高い物件を供給するべく、ウォーターフロントでの大規模な開発が行われている。ロンドン東部の金融副都心カナリー・ワーフ、ニューヨークならブルックリンのイースト川沿いのダンボと呼ばれるレジデンシャル・エリア。こういった湾岸再開発は世界の大都市に共通する風景と言ってもよく、その意味では3都市の間に大きな違いが見られるわけではない。

急速に開発が進む湾岸といまだ憧れの超都心

しかし、街中での再開発となると話は少し違ってくる。ロンドンとニューヨーク、この二つの街に共通していたのは「再生」に対するスタンスだ。ロンドンのショーディッチ、ニューヨークのミートパッキング地区などの新興地域は、いずれも町工場、倉庫、廃線など、古くなり利用価値の少なくなった施設を再利用し、「最先端」のショップやアトリエ、観光施設へとリノベーションする技術が再興の大きなポイントとなっていた。もちろん、こういった作業にはクリエイティブな発想力が必要とされる。そこで登場するのが、アーティストやデザイナーといったクリエイターたちだ。彼らのアイデアやセンスで、街が付加価値を得て生まれ変わる。そして、彼らのようなトレンドリーダー、マーケットメーカーと呼べる人々が率先して移動することで、街に多くの人々が流れこんでくる。多くの人々が価値を感じていなかった古ぼけた街が、一躍「ヒップ」な人気エリアへ。「人の力」が結果的に行政や企業を動かすことにもつながっている。

クリエイティブな技術や感性を使って、都市のもつリソースを最大限に活かす。昔からある街を守ること、そして新しい街を一から開発することに加えて、昔からある街の良い部分を受け継ぎながら新たにリクリエイトしていくことも、これからの東京の課題になるだろう。「都市の力」とは、そこで暮らす「人の力」でもあるのだ。

取材・文/井出幸亮 map/尾黒健二
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