
資産価値の高い街の共通点とは? そもそも、なぜ物件選びに資産価値は重要なのか?
「資産価値が高い」といわれる街の魅力とは?
長い間、多くの人が「住んでみたい」「住み続けたい」と愛着を持つ理由とは何か?
―――――これから住まい選びを考える人にとって、今一番気になる問題を探ってみました。

まずは「資産価値=お金に換算できる価値」として、資産価値を決定づける要因について考えてみた。特に重要なのが「立地」。資産価値が落ちない街選びのポイントを押さえておこう。

中古になっても値下がりしにくく、高値で取引されている恵比寿ガーデンテラス壱番館(1994年築)。ほかにない希少性も人気の秘密
そもそもマンション選びに「資産価値」という基準がなぜ必要なのか? それは人生に何が起きるか分からないからだ。例えば結婚や子どもの誕生といった人生のイベントはもちろん、転職、独立などビジネスの転機、親の介護など、暮らし方を変えざるを得ないときに、所有した不動産は「貸す」か「売る」という選択になる。そんなとき、自分が持つ不動産が二束三文でしか売れないか、購入時より高く売れるかでは大きく違ってくる。また、確実な家賃収入が得られる物件なら定年後の安定収入にもなる。
不動産は電化製品や洋服などのような消費材ではない。不慮の出来事に備えてお金に換算できるものなのだ。「特にこの不透明な時代、リスクに備えるためにも、マンション選びには“資産価値”という視点ははずせません」と不動産コンサルタントの山崎隆さん。
もちろん投資用でない限り、100%資産価値の基準だけで選ぶのも難しい。自分のライフスタイルや嗜好性、地縁など個別の事情によって選んでいるのが実情だ。住まいは自分のためでもある。お金に換算できる「資産価値」という観点と同時に、「利用価値」という観点も併せて必要だといえる。

不動産コンサルタント 山崎隆さん
大手住宅メーカー、不動産コンサルティング会社を経て、96年、財営コンサルティングを設立。著書に『不動産でハッピー・リッチになる方法』(ダイヤモンド社)や『東京のどこに住むのが幸せか』(講談社)がある
では、資産価値を決定づける一番の要因は何だろう。それはなんといっても「立地」である。「マンションを買うとなると“○○マンションの○○号室を買うこと”とどうしても思いがちですが、暮らしというものはマンション内だけで完結するわけでないですから。そのマンションに住めば、近くのスーパーで買い物をし、その地域の行政サービスを受け、子どもは学校に行く。つまり環境そのものを買うことになるんです。したがって、不動産購入の前に“街買い”というプロセスが必要です」(山崎さん)
直接的な言い方をすれば、資産価値の高い低いは、その不動産にどれだけ高い「お金」を払ってもらえるか、ということ。つまり、だれもが「この街に住みたい」という街が、買って間違いなしの資産価値の高い街だということだ。「しかも、より高いお金に換算できるかということを考えると、いわゆる富裕層が住みたいと思うかどうかということが、より重要です」。それらの条件をまとめたのが下の要素。
「大前提として、やはり都心であることは大きい。高額所得者にとって職住近接、つまり“時間が買える街”というのは最重要ですから。もちろんただ都心であるだけではなく、その街だからこそ享受できる生活、文化が魅力的であることや、教育環境や医療環境が充実していることなどが条件として挙げられるでしょう。具体的にいうと、誰もが思い浮かべるのは、広尾や麻布界隈でしょうか。青山、恵比寿、赤坂、六本木、白金、高輪、代々木上原もこれらの条件を満たしているでしょう。とはいうものの、これらの街は誰もが買えるエリアではありません。港区・渋谷区・千代田区といった都心以外なら、東急沿線や中央線の吉祥寺あたりがこれらの要素を備えつつある街ではないでしょうか。また大前提として、水害や地震などの被害が起こりにくいことも条件です」(山崎さん)。

とはいうものの、一度住んでみなければ街のポテンシャルを探るのは、なかなか難しい。そこで山崎さんに、一番簡単な見極め方法をレクチャーしてもらった。「それは3LDK以上などファミリー向け物件の家賃相場が高値安定していること。単身者は通勤に便利など利便性だけを重視しがちですが、ファミリーは、利便性だけではなく、商業施設の充実、医療や教育環境も重視し、家族みんながハッピーになれる環境が大切。つまりそれらの街の環境の良さにお金を払うということ。住環境の良い街はおのずと家賃相場が高くなる傾向にありますから。ファミリータイプの家賃相場がひとつの目安になるのではと思います」
資産価値を決める、立地以外の物件の条件についても考えてみたい。
下の表は、東京カンテイが昨年10月に発表した、築10年以上の中古マンションのうち、高値で取引された(坪300万円以上!)物件の顔ぶれだ。(※東京カンテイによる定義:「ヴィンテージ・マンション」:主に住宅系の用途地域に所在し、平均専有面積は100㎡前後。「首都圏のプレミアムマンション」:それ以外の用途地域である商業地域・準工業地域も含み、平均専有面積は80㎡以上)。つまり「資産価値の落ちない」マンションの代表というわけだ。
汐留再開発エリア。ランドマークの汐留ツインパークスがこれから10年後、20年後、どんな評価を受けるか楽しみだ
すると、港区・渋谷区で小規模な10階未満の広々とした邸宅型のマンションや、中央区・新宿区の20階以上のタワーマンションが目立つ。
東京カンテイ市場調査部の井出武さんは、「いわゆるその地域地域で有名なマンションが並んでいると思います。ヴィンテージ・マンションの代表格である広尾ガーデンヒルズのほか、青山、麻布、赤坂と、いわゆる“3A”エリアに多いですね。立地と物件のグレードが評価されているのでしょう。プレミアムマンションは、いわゆる再開発・タワーマンションが登場し始めて10年以上経過したので、中古ではどういう評価を受けるか調べたもの。例えばリバーシティ21などは決して分譲時には完売していた物件ではなかったのですが、その街のランドマーク的な存在でありつつ、物件自体の良さも評価されて、今でも人気のあるマンションです。こうしてみると、同じ地域の中でも駅近であることや、ほかにはない希少性、施工や仕様によって、同じタワーマンションでもその後の評価に違いがあるように思えます」と解説する。
これから買う人にとっては参考になるのでは?


























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