
住まい選びで多くの人が一度は悩む「マンション」か「一戸建て」かという選択。
ただ、その「悩む理由」は、好みから経済的理由まで、実にさまざまだ。
今回は、そのなかから特に重要な「住空間」「資産性」「コスト」をピックアップ。
それぞれの分野のプロに独自の視点から採点してもらった。
建築家として一戸建てから大規模マンションまで幅広く手がけた実績からハード、住み心地を評価。日本大学大学院理工学研究科、文化学園大学造形学部の講師も務めている
不動産専門のデータバンク・東京カンテイにおいて不動産市況全般の調査・分析を担当。市況レポート『Kantei eye』編集長も務める。豊富な経験から、資産性を鋭く評価
大手証券会社、独立系FP会社勤務を経て2005年に独立。セミナー講師やテレビ・ラジオ出演もこなす敏腕FPの視点からコストパフォーマンスを評価する
土地を手に入れ、ゼロから家を建てるのではなく、あらかじめ土地付き建物として販売される一戸建て。新築分譲マンションの一戸建て版ともいえよう。まとまって販売される場合、ひとつの街ができることもある。
土地の高さがネックも便利さはある
もし、新築分譲マンションと同じ立地、同じ価格だとしたら、マンションと比べると設備などはややグレードが下がるケースがあるのも否めません。都心の場合、やはり価格に対する地価の反映はネック。ただし、あらかじめ最低限、快適に暮らせる用意ができていて、大多数の人々が住みやすくつくられている点は長所です。
市場は小さいが希少性は高い
物件の供給がマンションほど多くないので、マーケットが比較的小さく、それだけ市場性も限定されます。希少性が高いともいえますが、価格が新築マンションと同等かそれ以上なので、流通市場における資産価値は新築時より下がらざるを得ません。ただ、自分の意志で譲渡できる土地をもつ満足度は、一戸建てならではの魅力です。
ランニングコストは割安
戸あたりの壁や屋根の面積が大きく、それだけ建物を維持修繕するためのメンテナンスコストが高くなるでしょう。セキュリティ面でも、警備会社と戸別に契約するなど割高にならざるを得ません。ただ、管理費・修繕積立金がかからず、駐車場代も不要なケースが多いので、ランニングコストは割安です。
マンションの住戸を専有部分として一室まるまる購入する、いわゆる「区分所有」する家。仕様は一般的なものからハイグレードなものまでさまざま。都心における最も一般的な住宅といえる。
最新テクノロジーが搭載された家
都心のしっかりとした新築分譲マンションであれば、ほぼ最新のテクノロジーが搭載されていると思っていいです。仕様も素材の違いがあるくらいで、セキュリティのレベルも基本的には高い。サービスもしっかりしているし、新築であればその時代のライフスタイルも考慮されているので暮らしやすいといえるでしょう。
物件をほしい人はたくさん
都心ではマンションの2次流通マーケットが大きいので市場性が高い。首都圏では2010年に約4.7万戸の新築マンションが供給されましたが2万戸弱が23区内の物件です。供給が多いということは物件をほしい人が多いということ。新築時価格に対する流通価格の比率を示すPBR(資産倍率)をみても、都心の分譲マンションはおおむね差損が小さく、差益すら期待できるケースも。
条件次第でランニングコストに差
管理費や修繕積立金を毎月負担することになるので、一戸建てに比べてランニングコストが割高になる面は否めません。ただし建物が頑丈な鉄筋コンクリート造だということもあり、専有部分のリフォームなどメンテナンスのコストはむしろ安くなるケースもあるでしょう。防犯性能が高めなので、戸別に警備会社とセキュリティ契約を結ぶ必要がなく、防犯にかかるコストも割安です。
名前のとおり、誰かが購入した後に売り出されたマンション。価格は一般に同エリアの新築に比べて、割安になるが、なかには価格が落ちにくい「ヴィンテージマンション」もある。最近はリノベーションを前提に購入する人も多い。
リノベーション前提なら、魅力は大きくなる
今の時代、中古マンションの魅力は、リノベーションが前提というケースが主流になりつつあるという点でしょう。耐震性など中古ゆえの問題と予算をクリアできれば、自分の好きにできる。このメリットは大きいことです。
マーケットが大きく、物件を選びやすい
流通量が多く、マーケットが大きいので物件を選びやすく、市場性は高いといえます。新築に比べて価格が割安な点もプラス評価ですが、設備仕様を最新のものにするためにリフォーム費用が必要になる点はややマイナスでしょう。
住宅ローンの返済額が、新築に比べ軽い
新築に比べて価格が割安で、住宅ローンの返済額が軽くなる点が最大の強みです。ただしセキュリティが新築ほど充実していないケースも多く、防犯カメラ設置などにコストがかかる場合も。修繕積立金が新築より高めなのもマイナス点です。
新築建売の一戸建ても、新築注文一戸建ても、一度誰かが購入、生活をすれば、その時点で中古一戸建てに。特筆すべきはその種類。小規模な物件から敷地面積が数千m²になるような豪邸まで実にさまざま。価格の幅も広い。
リノベーションしやすい物件かどうか
これも中古マンションと基本的には同じで、リノベーション前提ということであればメリットは大きいです。ただし、マンションもそうですが、配管などリノベーションしやすい物件かどうか、という見極めが大切でしょう。
個別性が高いので、売りにくいかも
個別性が高いので、流通市場で売りにくい点がネックです。築20年前後で建物の価値がほぼゼロになる点もマイナス評価でしょう。ただしこだわった設備などに工芸品的な価値が見いだされ、高く売れるケースもないわけではありません。
ランニングコストは割安だが、注意点も
価格が安いので、住宅ローン返済額を含めたランニングコストは割安です。ただし防犯のコストがかかることと、リフォームによるメンテナンスコストが高くなりがちな点がマイナスといえます。


※記事は月1回更新されます。