
都心に住む場合、その居住コストは郊外に比べると高額。
そんなとき「住まい」は「かけがえのない場所」として独自の価値観で選びたいもの。
今回は、ライフスタイル別に、都心住宅に住むためのノウハウをマネーのプロ、永田博宣さんに伺った。
本人(36歳)結婚は未定
年収/1100万円
現在、設定の年収であれば月25万円の住居費を払うのは難しくはないでしょう。しかし、定年後、現在と同じ賃料を払い続けるのは現実的ではありません。賃貸生活を続けるなら、定年後の住まいを確保するために、少なくとも2000万~3000万円の資金を蓄えたいもの。このほかに老後資金2000万~3000万円が必要になるので、例えば6000万円を60歳までに貯めるといった計画をもちたいものです。
未来の妻が購入済み住宅に不満をもつ場合も考えられます。資金に余裕があれば住宅を賃貸に出し、別に夫婦居住用の家を購入可能ですが、自己資金がない場合や住宅ローンの残債が多い場合は売却を余儀なくされます。したがって、今、買うなら、売却や貸し出しが比較的難しくない利便性の高い人気エリアの住宅を選ぶのがベター。1人で住むものでも個性的住宅は選ばず、結婚後に改めて考えて。
夫(42歳)、妻(40歳)
世帯年収/1900万円
(夫/1100万円、妻/800万円)
設定の2人の収入なら月額25万円の住居費に問題はありません。移動の自由を優先するなら賃貸が最適ですが、資産形成を考える場合は25万円の家賃は無駄に思えなくもありません。十分な貯蓄があれば購入も視野に。購入した家に住むのはもちろん、自らは自由に動きながら賃貸に出し、家賃収入を得ることも可能。低金利の住宅ローンを利用しつつ資金を別の投資に回すこともでき、自由な選択肢が増える場合も。
設定の世帯年収であれば、自分が住みたい家を住みたいエリアに選んでいいでしょう。個性的なデザイン住宅を選ぶのもアリ。このケースでは住宅ローンの借入額を抑えて早期返済するのがベスト。2人で各2000万~3000万円のローンを組めば無理がありません。現在と同じだけの住居費を返済に充てて早めに完済することでその住宅に自身が住む、あるいは貸すという選択の幅が広がり、自由も担保されます。
夫(37歳)、妻(30歳)、子(3年後くらいに1人予定)
世帯年収/1700万円
(夫/1200万円、妻/500万円)
教育費が加わり、住居費の負担が増します。教育費は幼稚園から大学まで私立(文系)で約2000万円かかり、習い事や塾の費用も必要です。住居費、教育費、夫婦2人の老後の生活費(約3000万円)を含めて資金計画を明確にし、毎月の住居費を抑える組み替えを。住宅購入を考えるなら自己資金と教育費が用意できるか判断。賃貸を続けるなら、家賃を18万円程度に下げて教育費ねん出の努力を。
子のいない間は住居費以外の生活費を妻の収入だけで賄い、多くを貯蓄に回したいところ。出産を機に妻が仕事を辞めれば、設定の500万円の収入がなくなるので、助走期間として計画的な支出を目指すべき。子を2人計画する場合は、教育費が2倍に。住宅は子の性別が異なれば部屋数も多く必要です。子が小学校高学年になったとき80~90m²の住宅に移ることを考えながら、自己資金を蓄えたいものです。
夫(42歳)、妻(40歳)、子(小学校入学前)
世帯年収/1600万円
(夫/1600万円、妻/0円)
住宅を購入する場合と賃貸を続ける場合の大きな違いは、団体信用生命保険のメリットを活用できるか、できないかです。住宅を購入し、その後、債務者が亡くなったときは残債がなくなり、残された家族が以後の住居費を払う必要はなくなります。一方、賃貸生活を続けていれば、夫が亡くなった場合も住居費の支払いは続く。いつかマイホームをと考えているくらいなら、早めの購入をお勧めします。
42歳という夫の年齢と、これから子が学校に通うこのケースでは、定年前のローン返済終了をするために、はじめから短期の返済期間を設定すべきか否かは、借入額により異なります。借入額が多い場合は、あえて返済期間を長めにすることで毎月返済額を現状以上に増やすことなく、教育費や貯蓄へ回すこともできます。そして、定年時に退職金でローン完済という方法も検討できるでしょう。
フリーダムリンク 代表取締役 ファイナンシャルプランナー 永田博宣さん
仲介会社の営業管理職などを経て同社設立。税理士ほか専門家と協働して、不動産を活用した相続対策、遺産分割、有効活用、売却、権利調整などの実行支援を行う


※記事は月1回更新されます。