はじめてさん向け 見積もりガイド

公開日 2009年08月09日
はじめてさん向け 見積もりガイド

見積もりはプランとセットで提案される

リフォーム会社を検討するときは、一般に見積もりを提案してもらいます。間取り変更を伴うケースでは、見積もりだけではなく、さらにプランの提案も必要です。見積もりは「見積書」、プランは平面図や仕上げ表の形で提案されます。それらの書類が、会社を決める判断材料になるわけで、いくつかの会社に提案してもらい比較検討するのが普通です。
つまり一口に「見積もり」といっても、下に挙げたように、「見積書」「平面図」「仕上げ表」、さらに会社によってはイメージパースがこれに加えられ1 セットとして提案されます。これらの書類の書式は、会社によって少しずつ異なることに注意が必要です。ここに挙げたものは、比較的オーソドックスな提案書類ですが、使われている用語や図面の描き方などは会社によって少しずつ異なるので、それぞれ十分に説明を受けることが大切です。
またこれらの書類は、修正を加えて何回か提案してもらうことができます。依頼先を決めてからも使う材料や設備などをより詳細に詰めていく過程で、見積もり内容も変わり、図面にも手が加えられていきます。
では、下の書類を開いて中身を見ながら、一緒に見方を学んでいきましょう。

見積もりの基本はこの4点

1. 見積書

見積書

工事にかかる費用の合計と明細を記したもの
工事にかかる費用を1冊の書類にまとめたもの。ただ金額が記載されているだけではなく、使う材料や設備機器、その数量が具体的に明記されています。そうした明細がない場合は、工事の中身がわからないので、よい見積もりとはいえません。

※この見積書は1例です。各社で書式が異なります。

2. 平面図

平面図

リフォームプランを記した間取り図
リフォームのプランを間取り図上に記したもの。間取り変更部分や新設する柱や筋交い、サッシ、ドアなどが明確に記されていることが大切。ただし初期提案段階では、詳細な部分が書き込まれない場合もあります。これに既存の図面も付けて違いを明瞭にします。

3. 仕上げ表

仕上げ表

各部屋、各部位の仕上げ材料の一覧
各部屋の床、壁、天井、窓枠、造作などの仕上げ材料を部屋ごとに分けて一覧表にしたもの。仕上げ材料とは、フローリングや壁紙のように、一番オモテに出る材料のこと。商品名や型番まで掲載されており、仕上げ材料をチェックしやすい。

4. イメージパース

イメージパース

仕上がりのイメージを図で提案
仕上がりのイメージをコンピュータグラフィックや手描きで作成したもの。平面図ではわからない立体感がつかめます。ただし、あくまでイメージなので、実際の仕上がりとは異なる面もあり、これだけに頼ってプランをチェックするのは注意が必要です。

「見積書」の表紙はこうなっている

見積書は表紙から重要な事項が記載されています。まずそれを見逃さないように確認しましょう。

見積書の表紙
見積書の表紙

合計金額や作成日をしっかり確認

見積書の表紙の書式は、会社によって異なる面もありますが、概ね上記のような内容が記載されています。この中で最も重要なのは、合計金額。消費税込みの金額なのか、予算内におさまっているかなどを確認しましょう。また、作成日が記されていないと、後でいつの時点のものかわからなくなるので要注意。上記にないものとしては、支払い時期・回数を確認しましょう。通常、契約書に記載されるものですが、あらかじめ聞いておきましょう。

今回のモデルケース

一戸建て木造住宅(築30年)
延床面積/131m2(約39. 6坪)
1階69m2 2階62m2

リフォームの内容
耐震補強・断熱工事も含めた全面リフォームで、二世帯住宅に変更。浴室、洗面は共通で、キッチン、リビングは世帯ごとに設けます。

単位の説明
[式] 工事一式のこと。明細を出さないときや出にくいときに用いる
[台] サッシやエアコンの数。サッシはセットで数えるケースも
[坪] 使用する面積を示す(約3. 3m2
[m2] 使用する面積を示す
[セット] ドア本体と枠など、複数の部材でできている場合
[枚] パネルやボードなど規格サイズのものの数
[本] 規格サイズが決まっている手すりなど長いものの数
[個] ドアや引き戸などの数
[ケース] ケース単位で単価が決められている場合
[帖] 畳と同じ。畳数に換算した面積
[間] けんと読む。1間は約182cm
[尺] しゃくと読む。約30. 3cm。寸はその10分の1、約3. 03cm

※単位は材料や工事の量を示すために用いられ、材料の種類によって単位も異なります。また、見積書によって同じものでも別の単位が用いられる場合も

表紙をめくると「見積もり内訳書」

最初のページには、工事項目ごとの合計を記載。どのような工事が行われるのか概要を把握しましょう。

見積もり内訳書
見積もり内訳書

行われる工事ごとに金額を記載

上の見積もり内訳書には、行われる工事項目がずらりと並んでいます。どのような工事がいくらで行われる工事ごとに金額を記載行われるのかを大まかにつかめるのが、内訳書です。一方で、基礎工事や外壁、屋根工事は行われないこともわかります。それぞれの工事がどのようなものなのか、内容を知っておきましょう。

今回の見積もりに含まれていないその他の主な工事

●基礎工事
耐震上、基礎補強が必要な場合に行う。既存基礎の外側から鉄筋入りの基礎を加える方法や床下にベタ基礎を加える方法があります

●外壁工事
塗り替えやサイディングの張り替え、あるいは既存の外壁に重ねて張る方法があります

●屋根工事
塗り替えや葺き替え、重ね張りの方法があります。老朽化度合いなどによって選択します

工事の説明
1. 仮設工事
工事しないところを養生シートで保護したり、外回りに足場や仮囲いを設けて、工事する環境を整えること

2. 解体工事
既存部分を壊す工事。その際の廃材処分費も含むことが多い

3. 木工事
大工さんが行う工事。柱、梁、土台など構造材から石膏ボード、化粧ボード、合板、フローリングさらに断熱材の施工までを含む

4. 防水工事
バルコニーや外壁などの防水工事で、この見積もりではバルコニーのみ

5. 左官工事
土間工事などを指すが、この見積もりでは外壁のサッシまわりの補修工事

6. タイル工事
壁、床などすべてのタイル工事を指すが、この見積もりでは玄関の床張り

7. 木製建具工事
室内の出入り口や収納の扉、引き戸などの建具を指す

8. 9. 鋼製建具工事(1. 2)
玄関ドア、サッシ工事。この見積もりでは1が玄関ドア、2がサッシと分けて記載

10. ガラスブロック工事
間仕切りや開口部に使う素材。この見積もりでは窓の一部に使用

11. 12. ガラス工事(1. 2)
サッシに入れるガラスを指すことが多い。この見積もりでは1が建具のポリカーボネート、2がガラス、鏡

13. 塗装工事
塗装一般を指すが、この見積もりではドア枠や幅木、サッシ枠など木部の塗装工事

14. 15. 内装工事(1. 2)
一般に壁と天井の仕上げを指す。この見積もりでは1が壁・天井、2が和室の畳と分けて記載。フローリング張りは別に記載することが多い

16. 家具工事
オリジナルで造る家具のことで、ここでは主に収納家具

17. 給排水工事
キッチンや洗面室、トイレ、浴室への給湯・給水と排水の配管工事。水まわりの位置移動に伴って必要になる工事

18. 電気工事
スイッチやコンセントの位置変更に伴う配線工事

19. 空調設備工事
エアコンの取り付け

20. 床暖房工事(電気式)
床暖房を施工する工事で、電気配線も含む

21. 建材工事
主に建材の材料費を指すことが多い。この見積もりではフローリング、石膏ボード、合板、断熱材、階段、収納内部の棚、既製品の建具など

22. 住設工事
システムキッチン、システムバス、洗面化粧台、便器などの設備機器代と搬入取り付け費を含む

23. 給湯工事
給湯機の取り替え工事で、この見積もりではエコキュートの機器代と工事費を含む

24. 電気設備器具工事
照明器具、換気扇、テレビドアホン、分電盤など電気設備全般の器具代。施工費は電気工事に

25. 雑工事
上記に含まれない工事。この見積もりではカーテンレール、清掃など

26. 諸経費
現場経費や利益、設計費などを含む。工事総額の5~10%ぐらい。この見積もりでは約7. 1%

「見積もり明細書」を平面図と照らし合わせて見ていこう

工事ごとに詳細を記載したものが「見積もり明細書」。平面図で、部材の位置も確認しましょう。

平面図で材料の位置や用いる理由を確認

「見積もり明細書」は、「内訳書」にあった工事ごとにその詳細が記載されたものです。そこでは細かく材料や設備機器ごとに、その単価、量、合計金額を明記。
ただその金額や量を見ていくだけでは判断材料不足。その材料がどこに用いられるのか、何のために用いられるのかを平面図で確認しましょう。例えば、柱は何本、筋交いはどこに入るか(既存の取り替えもしくは追加のケース。ここでは図面は簡略化して掲載していますが、元の図面は柱や新規に入る筋交いの位置も記載されています)。また建具はどこにどのように用いられるのかなどを見ていきます。自分ではわからないことも多いと思いますので、担当者によく説明してもらいましょう。

見積もり明細書.1:木工事の明細から抜粋
木工事は構造から仕上げまで幅広い。ここでは、壁や天井、床の下地が記載されています。後で隠れてしまう部分の材料ですが、しかし床や壁を支えるものなので、よく説明を受けましょう。

見積もり明細書.1
※丸囲み数字は編集部が平面図、仕上げ表との合番として加えたものです。本来の見積書にはありません。

見積もり明細書.2:室内の木製建具から抜粋
すべての部屋の建具が記載されています。引き戸なのか開き戸(ドア)なのかをチェック、「内容」欄で、素材や仕上げを確認しましょう。ここではLDのドアのグレードがほかより上です。

見積もり明細書.2

平面図:平面図で位置や大きさなどを確認
柱や建具、設備など、どの材料をどこにどのように用いるのか、平面図で確認します。また、実際の平面図では寸法表示がもっと細かくなされているので、建具などのサイズの確認ができます。

平面図 1階
平面図 2階

イメージパース:立体イメージを確認
平面図ではわからない立体感をパースでつかみます。これは上記の2階のパース。和室が一段上がったつくりになることもわかります。

イメージパース

「仕上げ表」とも照らし合わせて見ていこう

内装については「仕上げ表」も一緒に見よう。商品カタログも併せて見るともっとわかりやすい。

商品を確認することで高い安いが判断できる

内装については、仕上げ表に一覧が載っているので、明細と照らし合わせて見ていきましょう。例えば明細にフローリングが出てきたら、仕上げ表を見て、どこにどのようなフローリングが使われるのかを見ます。さらにその商品名を元に、メーカーのカタログを開いて、内容を確認します。そのためにリフォーム会社には、カタログも預けてもらうとよいでしょう。インターネットのサイトで確認できる場合もあります。
仕上げ材や設備はカタログで内容を確認したり、実物やサンプルを見ておくことで、自分が満足するものかどうかがわかります。ただ安いといって喜んでいたら、内容がよくない場合もあるので要注意なのです。

見積もり明細書.3:窓など鋼製建具から抜粋
鋼製建具は玄関ドア、窓のサッシなどのこと。部位ごとにメーカーおよび商品名が記載されて、何を使うかが特定されていることが大切。窓は縦滑りなどスタイルまで決められていることも必要です。

見積もり明細書3

見積もり明細書.4:建材、住設工事から抜粋
建材はここではフローリングや幅木などの造作材、住設は住宅設備のこと。すべての機器が記載されます。見積もりの中でも大きな金額を占める部分で、機器の内容をカタログなどで確認しましょう。

見積もり明細書4

仕上げ表:各部の仕上げ材を明示
仕上げに何を用いるかによって、部屋の雰囲気が異なってきます。商品名や仕様は明細書や図面には記載しきれないので、こちらに記載されています。カタログやサンプルと照らし合わせて確認を。

仕上げ表
平面図
平面図
注:見積書、平面図、仕上げ表は、一部編集部で加工して掲載しています。
 

2019年10月1日より、消費税率は10%に改定されました。消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応についてはこちら

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