日常生活の中で出るさまざまな音がトラブルにつながることもあります。子どもの走り回る足音やジャンプしてドンっと着地する音、冷蔵庫や洗濯機などの家電のモーター音など、マンションやアパートで暮らしていると、隣や階下に響いていないかハラハラします。ここでは、生活音について解説します。防音対策に役立ててください。
足音や話し声、テレビの音、家電のモーター音など生活音にはさまざまなものがあります。では、どのくらいの大きさの音を、人は「騒音」と感じるのでしょうか。1998年に環境庁(現・環境省)が定めた基準値は昼間55dB以下、夜間45dB以下。この数値よりも大きな音に人はストレスを感じます。例えば、小さな子どもが床を走り回る足音は約55dB~66dB。ある程度の遮音性能がある床なら、あまり気になりませんが、床の上で飛び跳ねたり、テーブルや椅子からジャンプして着地したときのドンっという音などは階下に響きます。
マンションやアパートで特に配慮が必要なのが床から階下へ響く音。子どもが駆け回る足音やスプーンなどの軽いものを落としたときの「軽量床衝撃音」は、カーペットや防音マットで軽減することができます。注意したいのは子どもが飛び跳ねる音や重たいものを落としたときの音などの「重量床衝撃音」。これらには十分な防音対策をしておくと安心です。
テレビやステレオなど、オーディオから出る重低音や、冷蔵庫や洗濯機などのモーターが起こす振動が、床や壁を伝わって隣接する部屋や階下に音となって響きます。また、大きな話し声や子どもたちの騒ぐ声、カラオケ、日曜大工(DIY)の音などは窓や換気口などの開口部から漏れます。生活音にはさまざまな種類がありますから、わが家が出しがちな音に対して、まずは対策を取るといいでしょう。
一般的にマンションやアパートよりも一戸建てのほうが、音に関して気兼ねせずに暮らせます。また、マンションでも、壁の厚さや床・天井の構造に遮音性能を上げる配慮がしてある物件も安心。とはいえ、大きな音を出す暮らし方はトラブルにつながります。自分が出している生活音を振り返り、それに合った対策をするのがオススメです。