自宅でダンスの練習をしたい人や、ダンスゲームが好きな人も多いでしょう。また、中学の保健体育でダンスが必修になったことで、子どもが家で練習するケースも。足音や音楽が近所に響かないか心配です。ここでは、ダンスをするときに出る音について解説します。防音対策や、ステップの振動の防振対策に役立ててください。
人が快適に暮らせる音の環境は、1998年に環境庁(現・環境省)が定めた基準値では、住宅地では昼間は55dB以下、夜間は45dB以下。dB(デシベル)値が大きいほど大きな音となり、子どもが駆け足をする音は約50~66dBです。家でダンスの練習をする際に、床の上で跳ねたり、ステップを踏み込んだりすると、もっと大きな音として階下に伝わるため注意が必要です。
音には空気中を伝わって聞こえる「空気音」と、床や壁などを伝わる「固体音」があります。ダンスの練習で出るのは主に「固体音」。床を伝わり階下に聞こえる固体音は、さらに2種類に分けられます。ひとつは人が飛び跳ねたり、重たいものを落としたときに起きる「重量床衝撃音」。そして、パタパタと走り回る音や、スプーンなどの軽い物を落としたときの「軽量床衝撃音」です。自宅でのダンス練習では、宙返りやバック転をするのでなければ、問題になるのは主に足音による「軽量床衝撃音」のほうです。これは床の仕上げ材の工夫など、階下に伝わる音を軽減する対策をとる必要があります。
ダンスの練習に欠かせない音楽。その音量によっては近所に迷惑をかけてしまいます。音楽は空気中を伝わり、窓や換気口などを通して響きます。また、スピーカーなどをフローリングの床に直接置いたり、壁際に寄せて設置したりしていると、床や壁を伝わって隣接する部屋に音が聞こえてしまいます。手拍子やかけ声にも注意。ダンスの騒音は、足音以外にもいろいろあるのです。
音漏れに配慮できるのであれば、マンションよりも一戸建てのほうが気兼ねなくダンスができます。マンションは、飛び跳ねるときの重量床衝撃音は床スラブ(コンクリートの床の構造部分)が厚いほど、階下に伝わりにくくなります。足音は遮音性能の高い床材かどうかがポイントです。