住宅ローン100%借入で家を買っても大丈夫?

09年05月20日
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住宅ローン100%借入で家を買っても大丈夫?

一昔前までは、住宅ローンといえば、住宅金融公庫(以下、公庫)の融資が主流でした。長期間、比較的低利の固定金利で借りられる公庫融資は、当時、最も安全かつ有利なローンだったといえるでしょう。
住宅購入を決めた人は、まず公庫からいくら借りられるかを調べます。物件の構造や地域、年収などによって借りられる金額が細かく決められていたからです。

そして、当時は、借りたい金額のすべて(物件価格の8割など)を公庫融資だけで済んでしまう人はあまり多くなく、足りない部分を年金住宅融資や財形住宅融資などを使い、それでも足りないときには民間の銀行などの融資を申し込むのが一般的でした。

つまり、住宅ローンについては、公庫─年金─財形─民間 などといった順番で申し込みを検討するのが一般的だったので、それぞれの融資の条件などを調べる必要はありましたが、幅広い金融機関の住宅ローンを自分で探して比較検討する作業はあまり必要なかったのです。住宅ローンについて事前にまったく勉強しなかった人でも、それなりのローンの組み方ができた時代だったといえるのです。

ところが現在は、公庫融資や年金融資がなくなり、民間の銀行などの融資を自分で比較検討しながら申し込む時代になっています。金融機関にとっても、住宅ローンというのは中小企業などに事業資金を貸し出す場合に比べて貸し倒れになるリスクが低いので、長期的かつ安定的な収益源として積極的に推進するところが多く、近年は、金融機関同士の住宅ローン獲得競争が激しくなってきています。

金融機関同士の競争が激しくなるのは、サービスの充実化などにつながるため、私たち利用者にとっては歓迎できることですが、一方では見た目の金利を低くする代わりに手数料を一定額ではなく、融資額に対する一定率で徴収したり、保証料を無料にする代わりに手数料が割高だったりと、金融機関ごとにサービスを充実化させるポイントが異なっている点に注意する必要がでてきました。

したがって、住宅ローンの返済方法の違いや金利タイプの違いなどといった基本的なローンのしくみについてだけでなく、各金融機関の手数料や保証料等の徴収方法などについても細かく比較検討することが欠かせない時代になってきたのです。

さらに、公庫融資に代わって登場した、全国の金融機関等で取り扱っている「フラット35」という住宅ローン商品も、今回の経済危機対策で融資限度額が購入価格の100%まで引き上げられる予定で、ローンのしくみ自体が以前とは変わりつつあります。民間の銀行などの融資では、すでに100%融資を可能にしているところが多いですが、このような点も、私たちがローンを借りやすくなったという点では評価できるものの、実は、返済能力以上に借りすぎてしまう危険性をはらんだ非常に大きな注意点であるともいえるのです。

「頭金がなくても家が買える」というのは魅力的ではありますが、これまで貯蓄のできなかった人が家を買った後にローンを返しながら、固定資産税などの住宅の維持費を支払い、教育資金や老後資金を貯められるかというと、かなり厳しいのではないかと思います。

これからの時代、私たちは私たち自身で住宅ローンのしくみや商品の種類を勉強し、どのくらいなら安心して返していけるのかを冷静に見積もったうえでローンの申し込みをする必要があるのです。

ファイナンシャル・プランナーや住宅ローンアドバイザーなどの専門家の意見に耳を傾けるのもひとつですが、いくらそのような資格を持っていても、その人が住宅販売の担当者や金融機関の担当者である場合は、彼らが本当の意味で利用者の老後にいたるまでの安全性を親身になって考えてくれるのかというと、必ず限界があるはずです。結局のところ、自分の人生は自分で守るしかないのです。

さあ、住宅購入を考えているあなた。ちゃんと住宅ローンを勉強しましょうね!

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