
シングル女性が家を買うときの注意点
▼損をする可能性が高いかも?
個人的には、シングル女性が家を買うというのはあまりおすすめしません。
というのも、家を購入することによって金銭的に損をする可能性が高いと思われるためです。
シングル女性が快適なマイホーム生活を目指して購入を検討するのは、1LDKの新築マンションあたりが最も多いのではないかと思います。そして、シングル女性ほど、今後のライフプランの変化(結婚、出産、離職、転職など)の可能性が高く、購入したマンションに一生涯住み続ける可能性は比較的低いのではないでしょうか。
一生涯住み続けないとすると、将来の時点で売却したり、賃貸に出したりすることになるのがほとんどです。その際、いくらで売却できるのか、どの程度の家賃収入が得られるのかによって、損益が発生することになります。
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例えば、2000万円(諸経費150万円程度を含む)の新築マンションを、自己資金200万円、住宅ローン1800万円で購入して、5年後に売却した場合を考えてみましょう。
金利2.5%(固定)、30年返済で組むと、毎月返済額は7万1121円(ボーナス返済なし)。
5年間トータルの返済額は約427万円、5年後のローン残高は約1585万円です。
5年後の売却価格から売却時の諸経費を差し引いて、ちょうどローン残高の1600万円弱と相殺できたとすると、5年間の総支払額は、自己資金200万円とローンの返済額約427万円、5年間の維持費(修繕積立金・管理費、固定資産税等を年間30万円程度と仮定)150万円、引越し代(2回分)約20万円となります。合計で、約797万円です。
つまり、5年間の住居費が800万円程度であった計算になります。毎月に換算すると、13万円強です。毎月の家賃が13万円以内なら、賃貸に住んだほうが金銭的には有利だったことが分かります。
ただし、この試算結果は、あくまでも諸経費込みで2000万円(諸経費を除くと1850万円程度)の新築マンションを、5年後に1600万円程度で売却できた場合です。新築マンションの価格に含まれる業者の利益や販売経費等、そして、築年数による価値の減少などを考えると、5年後の売却価格はもっと下がっていてもおかしくはありません。
仮に、売却価格が1400万円程度だったとすると、ローン残高に満たない部分は、追加の自己資金を入れないと売却自体が困難になりますので、単純計算で200万円程度の自己資金がさらに必要になります。つまり、5年間の住居費が800万円程度から1000万円程度に跳ね上がるわけです。毎月に換算すると17万円弱にもなります。
もちろん、「高いお金を支払った分、快適なマイホーム生活を送れた」と考えることができるのであれば、一概に損をしたとはいえないでしょう。どちらかといえば、満足感のほうが大きいかもしれません。したがって、シングル女性ほど、このような比較的短期間でのマイホームの売却を検討せざるを得ない状況になりやすいので、総支払額が賃貸よりも多くなる可能性があることを十分に認識したうえで、お金には替えられないマイホームを購入することによる満足感が大きいかどうかを冷静に自問すべきでしょう。
▼価値が下がりにくく、すぐに売れる物件を
将来、売却や賃貸に出す可能性がある人ほど、物件選びの際には、自分の好みだけで探すのではなく、客観的な視点を持つことが重要です。自分の好みだけで決めてしまうと、将来、売却や賃貸に出す際に、他人には気に入ってもらえず、なかなか売れないとか、なかなか借り手が見つからないなどという状況になりかねないためです。当然ながら、このことは、売却価格や家賃収入に直結してくる問題です。
簡単にいえば、価値が下がりにくく、すぐに売れるような物件を探すことが重要になります。立地条件や間取りは、多くの人が欲しがるような利便性の高い、標準的なタイプが無難でしょう。また、売却時の価値の下落を少しでも抑えたいなら、新築だけでなく、中古も含めて探すことが重要です。築5年~10年程度までの中古物件なら、新築時よりもある程度物件価格は下がってきているはずです。多少なりとも購入後の価格の下落は、新築物件よりは小さいと思われます。
重要なポイントは、自分が欲しい物件を探すのではなく、他人が欲しがる物件を探すということです。そう考えると、シングル女性のマイホーム購入は、不動産投資に近いスタンスで冷静に物件を吟味することが大切だといえるでしょう。
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文/菱田雅生 イラスト/杉崎アチャ
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