公立高校実質無料化の時代到来、教育資金はどう準備すればいい?

10年03月10日
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公立高校実質無料化の時代到来、教育資金はどう準備すればいい?

昨年、民主党がマニフェストに掲げたことで注目された公立高校の実質無償化。4月からの実施に向けて動き出しています。具体的な内容は以下のとおりです。


○ 対象となる学校種は、国公私立の高等学校、中等教育学校(後期課程)、特別支援学校(高等部)、高等専門学校(1~3年生)、専修学校・各種学校等(高等学校に類する課程として文部科学大臣が指定するもの)。

○ 公立の高等学校(中等教育学校(後期課程)、特別支援学校(高等部)を含む。)については授業料を不徴収とし、地方公共団体に対して授業料収入相当額を国費により負担。

○ 私立学校の生徒については、高等学校等就学支援金として授業料について一定額(118,800円)を助成(学校設置者が代理受領)することにより、教育費負担の軽減を図る。

○ 私立学校に通う低所得世帯の生徒については、所得に応じて、助成金額1.5~2倍した額を上限として助成する。
・年収250万円未満程度237,600円(2 倍)
・年収250~350万円未満程度178,200円(1.5倍)

出所:文部科学省の資料より

授業料を徴収しなくなるってスゴイですね。タダですよ、タダ。
私立高校については、公立高校の授業料と同程度の助成金が出ることで、実質的な負担の軽減措置がとられることになります。この制度と同時に、今年からは子ども手当も始まる予定なので、お子さんのいる家計にとっては嬉しい話でしょうね。

しかし、注意しなければならないのは、来年から扶養控除の金額が減らされる関係で、税金の負担が少なからず増えてしまう点です。18歳以下の子どもが2人いる世帯だと、少なくとも年間で数万円程度は税金の負担が重くなるはずです。さらに、公立高校実質無償化といっても、無償になるのは授業料の部分だけなので、教科書代や修学旅行の費用、部活の費用などはこれまでどおりかかります。大学進学に向けて塾や予備校に通ったり、家庭教師をつけたりすれば、かかる費用はあっという間に年間100万円を超えてしまう可能性があります。

したがって、子ども手当や授業料の無償化が実現することは、家計にとってプラスではありますが、それだけで教育資金の準備の必要性がなくなるのかというと、けっしてそんなことはありません。「準備すべき教育資金の額はそんなに変わらない」くらいに考えておくべきでしょう。

従来、教育資金というと、幼稚園から大学卒業まで子供1人あたり1,000万円から2,000万円程度は必要だといわれてきました。この金額は、学校教育費と学校外教育費の合計なので、公立と私立の違いだけでなく、家庭における学校外教育費をどの程度かけようと考えるかによってかなり金額は違ってきます。とにかく、1人あたり1,000万円を超える教育費がかかる可能性があることを念頭に置いて、早め早めに準備をしていくことが大切なのです。

特に、マイホーム取得のための資金計画を立てる際は、子供の教育費のことも考慮した計画を立てることが重要です。一般的に、教育費というのは、子育ての終盤で大きな金額が必要になる傾向にあります。学校外でかかる費用や食費、洋服代なども含めると、高校や大学に通う時期が最も負担が重く、1人あたり年間100万円を超えることも珍しくありません。複数の子供がいる世帯では、さらにその負担は重くなります。これらのことを十分に考慮した資金計画にしないと、将来の時点でそのシワ寄せが来る可能性が高くなるわけです。

子供が小さい家庭ほど、将来の教育費がどのくらいかかるのかは正確に予測することが困難なので、具体的な金額がわからない分、どうやって準備すればいいのか、どのくらい準備すればいいのか、なかなかわからないと思います。そのような場合は、最低でも1,000万円程度はかかる可能性があるわけなので、22年間で単純に割り算すれば、年間45万円程度、毎月になおせば4万円弱。つまり、子供の誕生から大学卒業まで、少なくとも毎月4万円近い教育費の負担が必要なんだということを認識して準備していくべきでしょう。

準備の方法としては、財形貯蓄や積立定期預金などを利用して、とにかく着実に貯金をしていくのが無難です。学資保険やこども保険などもありますが、昨今の低金利の影響を受けて、昔ほど利回り面での優位性はなくなりました。比較的利回りの高い商品でも、18年間や22年間の利回りは年率換算で1%あるかどうかです。日本の20年満期の国債の利回りが2.1%程度であることと比較しても、保障面以外のメリットはあまりないと考えるべきでしょう。したがって、着実に貯金をしながら、少し貯まってきたところで国債(普通の国債は額面5万円単位、個人向け国債は1万円単位)などの債券を利用したり、投資信託などを利用したりすることを検討するのがベターかと思います。

もちろん、教育資金でリスクの取りすぎは禁物なので、投資信託などの値動きのある商品を利用する場合は、ある程度目減りしても教育費の支払いに支障を来さない範囲で、少しだけリスクを取って運用してみる程度のスタンスが無難でしょう。なお、教育資金の準備状況にもよりますが、多少なりとも余裕がある場合は、住宅ローンの繰り上げ返済も選択肢に入れながら、運用方法を検討していくことが大切です。

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文/菱田雅生 イラスト/杉崎アチャ
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