親からの資金援助の3つの方法(贈与、借り入れ、共有)

10年01月27日
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親からの資金援助の3つの方法(贈与、借り入れ、共有)

マイホーム取得の資金計画に関して、親からの資金援助が期待できる場合、具体的な方法としては、「贈与」「借り入れ」「共有」の3つの方法があります。それぞれにメリットや注意点がありますので、これから親の資金援助を受けようと思っている人は、ポイントをしっかりと理解して、どの方法を選択するかを検討することが大切です。

まずは、「贈与」。これは、親からお金をもらってしまうことです。もらったお金は、頭金の足しにできますので、それだけ借入金を少なくしたり、購入可能な物件価格を引き上げたりすることができます。親からの援助の分だけ物件価格を引き上げて、住宅ローンを目いっぱい組むような資金計画はあまりおすすめできませんが、親からの援助の分だけ借入金を少なくするのはトータルの返済額を少なくする意味でも非常にメリットが大きいといえるでしょう。

ただし、贈与された場合は、贈与税がかかってくる可能性があります。贈与税は、基本的に年間110万円の基礎控除を上回る贈与に対して税金がかかるものです。仮に1000万円を贈与してもらうと、231万円の贈与税の支払いが必要になります。

とはいえ、以前、住宅取得資金贈与の特例復活?という記事でも書きましたが、住宅取得用の資金の贈与については、昨年できた500万円の非課税枠があるため、基礎控除と合わせて610万円(=110万円+500万円)や、相続時精算課税制度の住宅資金の特例と合わせて4000万円(=3500万円+500万円)の非課税枠がありました。

平成22年については、まだ1月現在では国会を通っていないので確定はしていませんが、平成22年度の税制改正によって、500万円の非課税枠が1500万円まで引き上げられる予定です(実際の非課税枠は、基礎控除と合わせると1610万円、相続時精算課税制度と合わせると4000万円)。一定の要件を満たす人は、利用を検討してもよいでしょう。

それから、「借り入れ」について。親からお金を借りるメリットとしては、親子間の借り入れなら土地や建物を担保として提供する必要がない点と、借り入れの条件(借入金利や返済期間など)を比較的自由に決められる点が挙げられます。

ただし、親から借りる場合は、必ず「借用書」を作るようにしましょう。「あるとき払いの催促なし」では、贈与とみなされてしまう可能性があるからです。きちんと借用書を作って、「いくらを、いつまでに、どのようにして返すか」を明らかにしておくのです。そして、銀行振込などを利用して、返済している証拠を残しておくことが大切です。

さらに、借入金利も必ず設定しなければなりません。金利水準は、一般の金融機関等の住宅ローン商品を参考にしながら、そのうちの最低水準あたりで決めても問題ないと思いますが、金利をゼロにしてしまうと、贈与とみなされる可能性が出てきます。実際に借用書を作る際には、最寄の税務署などに行って、問題のない借入条件になっているかどうかを相談してみるとよいでしょう。

そして最後が「共有」です。これは、親と自分とで共同で住宅を購入するという方法。親が支払ったお金に応じた住宅(土地や建物)の持ち分割合をきちんと登記して、住宅を親子で共有する形になります。もちろん、住宅を共有するだけなので、必ずしも親と同居する必要はありません。

共有の大きなメリットは、きちんと資金負担に応じた持ち分割合を登記すれば、贈与の問題が発生しないことだといえます。親の負担額がどんなに多くても、贈与税はかかりません。

ただし、注意点としては、親も住宅の一部を取得することになるので、親に対して不動産取得税がかかってきたり、毎年、持ち分に応じた固定資産税や都市計画税などの負担が必要になったりする点が挙げられます。また、将来、親が亡くなって相続が発生した際には、親の持ち分を相続するかたちになり、相続税が発生します。複数の兄弟がいる場合は、その持ち分を巡ってもめてしまう可能性がないとはいえませんので、共有を検討する場合は、きちんと家族で話し合ったうえで決める必要があるでしょう。

このように、それぞれの方法にメリットとデメリットがありますので、十分な検討が必要です。親からの資金援助がまったく期待できない人に比べれば、圧倒的に有利だといえますが、受ける方法を安易に決めるのではなく、慎重かつ冷静に検討すべきだと思います。

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文/菱田雅生 イラスト/杉崎アチャ
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