
20代のうちに買ってしまうメリット・デメリット
以前、「最近、20代のうちに住宅を買ってしまおうと考える人たちが増えてきた」という話を耳にしたことがありますが、実際のところは依然として住宅購入者の年齢分布を見ると、30代が大半を占めています。
住宅金融支援機構の調査「平成20年度民間住宅ローン利用者の実態調査(第3回)」では、平成20年11月から平成21年2月までの民間住宅ローンの利用者は、20代が約16%、30代が約60%、40代が約19%となっています。また、「平成20年度フラット35利用者調査報告」によると、平成20年度のフラット35の利用者は、20代が約13%、30代が約49%、40代が約23%となっています。
とはいえ、20代のうちに住宅取得を考えることがいけないわけではありません。頭金がなくても住宅ローンが組めるようになってきている現在では、20代のうちに住宅取得をしてしまうことも容易になってきています。安易に頭金ナシで住宅取得をすることはおすすめできませんが、以下に挙げたような20代のうちに住宅を買ってしまうメリットとデメリットを十分に理解したうえで決断するのであれば大きな問題はないと思います。 |

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<20代のうちに買ってしまう場合の主なメリット>
・60歳までに完済するとした場合の返済期間を比較的長く組める
・賃貸に住む期間を短くできるので住宅購入までの家賃負担が比較的少なくなる
・収入が少ないうちに買えば、その後の収入の増加で返済が楽になる
・収入が少ないうちなら借入可能額が少ないので、借入金額も少なくてすむ
・無理なく返済期間を短く組める可能性も高く、老後資金の準備が楽になる可能性あり
<20代のうちに買ってしまう場合の主なデメリット>
・ライフプランの不確定要素(結婚、出産、離婚、転勤、転職など)が相対的に多い
・返済期間を長くする分だけトータルの利息負担が重くなる
・収入が少ない分だけ借入可能額が低くなる
・頭金が少なく借入可能額も少ないと、購入可能な物件価格も低くなってしまう
これら以外にもメリット・デメリットはあると思いますが、やはり、20代のうちに買ってしまう場合の最も大きなメリットは、返済期間を長く組めることでしょう。
20代であれば、30年返済を利用したとしても、50代のうちに返済が終わるので、その後は老後資金の準備に専念できるようになります。また、年収が少ないうちに借りることで、大きな金額を借りることは困難になり、借入金額も抑えられます。当然、少ない借入金額を長期の返済期間で返すわけですから、利息負担は重くなりますが、毎月の返済負担を軽くできます。収入がそれなりに増加していくのであれば、教育費の準備も楽になる可能性がありますし、きちんと貯蓄ができれば、繰り上げ返済をすることで完済時期をさらに早めることも可能でしょう。
一方、デメリットとしては、独身期や結婚生活の初期に住宅を買ってしまうことによって、その後の家族構成の変化や収入状況の変化、勤務先の変化などのライフプランの不確定要素が多く、その変化に対応する際、住宅を購入したことが足かせになってしまう可能性があることが挙げられます。
また、貯蓄や収入が少ないことなどが原因で頭金が少なく、借入可能額も少なくなり、購入できる物件価格が低くなってしまうこともデメリットといえるでしょう。安い物件を買わざるを得なくなると、立地条件の悪い物件や狭い物件などで妥協を迫られます。当然、そのような物件では、将来、賃貸に出したり、売却したりする際に不利になります。
さらに、しっかりと貯蓄するクセのついていない若いうちから安易にローンに頼ってしまうと、何を購入するにしてもローンを利用する「借りグセ」がついてしまう危険性もあります。この点には十分に気をつける必要があるでしょう。
このように、もともといずれは住宅取得をしようと思っている人にとっては、20代のうちに買ってしまうメリットはそれなりに大きいと思われますが、やはり、無理のない資金計画で今後のライフプランなども考慮したうえで、適当な物件を見つけることが重要だといえるでしょう。
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文/菱田雅生
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