平成21年度の税制改正大綱が公表されました。大綱によると、平成20年末で終わりとされていた住宅ローン減税は、内容を拡充のうえ、5年間延長されることに。これから家を取得しようと考えている人にとっては嬉しいニュースでしょう。
今回の住宅ローン減税の特徴として、「長期優良住宅」の登場が挙げられます。長期優良住宅とは、平成20年11月に成立したばかりの「長期優良住宅普及促進法」に基づいて認定される耐久性や耐震性に優れた住宅のこと。この長期優良住宅を取得すると10年間で最大600万円、それ以外の一般住宅であれば10年間で最大500万円の税額控除が受けられる見通しです。
ところで600万円や500万円はどこから出てくる数字なのでしょうか?下記の表をご覧ください。
| 居住年 |
控除期間 |
住宅借入金等の 年末残高の限度額 |
控除率 |
| 平成21〜23年 |
10年間 |
5,000万円 |
1.2% |
| 平成24年 |
4,000万円 |
1.0% |
| 平成25年 |
3,000万円 |
■一般住宅の場合
| 居住年 |
控除期間 |
住宅借入金等の 年末残高の限度額 |
控除率 |
| 平成21、22年 |
10年間 |
5,000万円 |
1.0% |
| 平成23年 |
4,000万円 |
| 平成24年 |
3,000万円 |
| 平成25年 |
2,000万円 |
例えば、平成21年に入居して、控除期間である10年の間ずっと住宅ローンの年末残高が5,000万円以上の人がいるとします。この人が取得したのが長期優良住宅であれば、5,000万円の1,2%である60万円を、一般住宅であれば5,000万円の1.0%である50万円を、10年間にわたって所得税から控除できます。10年間のトータルが600万円であり、500万円なのです。しかし、5,000万円以上のローンを10年もの間抱え続けるのは並大抵のことではありません。控除をフルに使いきる人はどの程度いるでしょうか?
ところで、いくらローン残高があっても、それ以上の所得税を支払っていなければ税額控除を受けられません。そこで、今回の改正では、年収がさほど多くない人でもローン減税の恩恵を十分に享受できるように、所得税から控除しきれなかった残額については、9.75万円を限度に住民税から控除する仕組みも導入されることとなりました。まだ収入も多くない若い世代にとってはありがたいですね。
また、ここ数年は住宅ローン減税の規模も縮小していたため(平成20年入居のケースは10年間で最大160万円の税額控除)、減税の恩恵をできるだけ多く受けるために、敢えて夫婦それぞれが住宅ローンを組むケースも見られました。しかし、住宅ローン減税がここまで拡充されると、当面はそういった観点から夫婦それぞれがローンを組むといった手段をとる必要のある家庭は少なくなりそうです。
今、住宅価格は低迷し、金利も低下傾向にあります。そのうえ住宅ローン減税も拡充となれば、新しく家を取得する人にとっては追い風でしょう。ただし、最優先して考えるべきは、住宅ローン返済を続けていけるかどうかや本当に家が必要なのかといった自身の状況です。住宅ローン減税などのインフラが整ったからといって、それに踊らされて家を買い急ぐ行為は本末顛倒といえるでしょう。
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