「住宅ローンは利息が大変。だからあまり多く借りたくない」とは誰もが思うことでしょう。そこで悩ましいのが、「今買いたい。でも心配だから頭金を増やしてから買うべきだろうか?」ということ。ご相談にみえたEさんのケースを参考に考えてみましょう。
気に入った家が見つかったというEさん。返済に関しては心配ないレベルなのですが、諸費用程度しか準備できていないため、今買うべきかどうか悩んでいます。(1)と(2)のケースについて見てみましょう。
(1) いますぐに買う場合 ローン借入額3,000万円、借入期間30年
(2) 今後5年間で頭金300万円を貯めた場合 ローン借入額2,700万円、借入期間25年
それぞれのケースについて、金利3.0%で試算をすると、(1)のケースの総返済額は4,560万円、それに対して(2)のケースでは総返済額が3,850万円です。これだけを見ると明らかに5年後に買ったほうがおトク。しかし金利上昇を見込むとどうなるでしょう? 5年後に金利が0.5%上昇すると仮定した場合、(2)の総返済額は4,060万円になります。
ここで他の条件に目を向けてみましょう。購入を5年後にする場合、見逃せないのがその間の賃料負担です。Eさん一家の現在の賃料は9万6,000 円。更新料なども含め、今後5年間の負担はざっと600万円になりそうです。一方で、(1)のケースでは、賃貸であればかからない当初5年間のコスト(固定資産税や維持管理コストなど)200万円(Eさんの場合)を考えておきます。
(1) 4,560万円(ローン返済総額)+200万円(維持管理コスト)=4,760万円
(2) 3,850万円(ローン返済総額)+300万円(頭金)+600万円(賃料)=4,750万円……金利が上昇しないと仮定した場合
4,060万円+300万円+600万円=4,960万円……金利が0.5%上昇すると仮定した場合
いかがでしょうか。もちろん個々のケースによって差はあるでしょう。しかし、ここで見る限り、現時点でどちらかが圧倒的に有利ということは言えません。自分や家族にとって今が買いどきなのかどうかを含め、何年でどのくらいの頭金を貯められるかなど、あらためて家計と向き合って考えることが大切です。
その際の注意点を最後に少し。頭金を貯めてから買うことを選択した場合、途中で挫折しないためにも、余裕をもった貯蓄計画を立てるようにしましょう。賃料を負担しながらまとまったお金を貯めるのは案外大変なものです。また、今すぐ買うことを選択した場合、何かの事情で家を手放したくなっても、それが難しくなる可能性があることを知っておきましょう。家を売ったお金でローンを返せなければ、家を手放すこともままなりません |