不動産・住宅サイト SUUMOトップ >> マンションの基礎知識 > 予算のかけどころ 締めどころ 先輩たちのメリハリ購入術

住宅ジャーナリスト 山下和之さん
住宅問題ジャーナリスト。住宅・不動産分野で取材・執筆をするほか、講演活動なども積極的に行う
大きな買い物であるマンション購入だからこそ、希望の条件は全部かなえたい、と思う人は多いはず。しかし「限りある予算で、すべての条件を満たすのはまず難しい」と山下さん。「10の条件があるなら、『ないと後悔する』と『あったらうれしい』という基準で精査し、絶対にこだわる条件を3つ程度に絞るのがコツ。それを元に幅広く物件を見ることで、いい家と出合いやすくなりますよ」 (山下さん)
住み慣れた駅で徒歩10分以内を条件に探しましたが、人気エリアで価格が高く手が出ませんでした。そこで同市内の違う沿線に目を向けてみると、駅近くで気に入った物件を発見。通勤時間は大差ない上、ショッピングセンターが隣接し便利。沿線は譲りましたが、生活しやすく満足しています。
1. 徒歩10分以内の駅からの距離
2. 日当たりのいい南向き
3. 騒音が気にならない幹線道路沿いでない立地
1. 住み慣れた沿線
2. どの部屋も明るい角部屋
ターミナル駅へ同じ所要時間でも、沿線により価格が1000万円以上違うケースもある。また、「首都圏なら、沿線によって列車の運行本数や駅前商業施設の充実度が大幅に異なることはあまりありません。エリアを広げると物価が安く暮らしやすい街が見つかるなどの発見もあるはず」(山下さん、以下同)
※物件価格は、各駅圏で販売された物件の1m²平均単価を70m²に換算した金額。2010年2月~2011年1月に2物件以上販売された駅を調査。現在の価格とは異なる場合がある/東京カンテイ調べ ※東京・大手町からの所要時間は平日18時台出発、乗り換え時間を含まない/編集部調べ
駅近物件は便利で魅力的でしたが、私たちにとっては騒々しいなと感じて。静かで日当たりがよい環境を重視し、駅からの距離は譲りました。購入した物件は駅から徒歩25分ですが、専用のシャトルバスが出ていて、駅まで7分と便利。雨の日は濡れず、夏の暑い日も車内は涼しいし、通勤も快適です。
1. 落ち着いて暮らせる静かな住環境
2. 日中通して明るい日当たりのよさ
3. 多彩に活用できる和室のある間取り
1. 徒歩圏内の駅からの距離
2. 神奈川エリア
共働きなどで買い物や交通利便性を望むなら駅近がおすすめだが、駅によってはにぎやかな環境も多い。「生活スタイルを考慮し選択を。例えば子どもやペットのいる家庭は、駅から離れた穏やかな環境のほうがのびのび暮らせるでしょう」。また、駅から徒歩5分と10分では、右図のように物件価格に1割程度の差が出てくる。
※東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県で2000年以降竣工、最寄駅から徒歩15分以内の新築マンションの坪単価データ(東京カンテイ)をもとに、70m²換算価格を算出。現在の価格とは異なる場合がある/編集部調べ
布団で寝る習慣があるため和室は必須と考えていました。でも立地や角部屋などが気に入ったこの物件は、和室なし。悩みましたが、わが家の場合、押入れは布団をしまう以外に有効活用する術がないと気付き、和室の条件は譲りました。今の住まいは風通しと採光に優れ、気持ちよく暮らせています。
1. 風通しのいい角部屋
2. 徒歩10分以内の駅からの駅からの距離
1. 寝室に使える和室のある間取り
2. 神奈川エリア
使わない空間にも住宅ローンがかかることを考え、収納や居室の使い方を明確にしておくことが大切。「4人家族だから4LDKと固執せず、2人の子どもが幼いうちは広めの洋室を区切れば、3LDKも4LDKと同じ用途で部屋を使えます。さらに現状にとらわれずに、5年後、10年後の家族の変化を見据えることも大切です」
※2010年、東京23区で供給された新築マンション2万9165戸で採用されていた間取りから算出/東京カンテイ調べ
充実の共用施設が気に入ったタワーマンションは、海側の南向き住戸は予算オーバー。陸側の西向き住戸は南向きより1割安く、購入できる範囲内でした。西日が強くないかと心配でしたが、平日は仕事で留守なので気にならないだろうと思い購入を決意。26階のわが家は、富士山も望めて気持ちがいいです。
1. 共用施設が充実した大規模物件
2. 徒歩10分以内の駅からの距離
1. 日当たりのいい南向き住戸
「絶対に南向き住戸がいい!という人も多いですが、生活スタイルに合っていれば南向きでなくても十分快適に過ごせます。また、東、西、北向きは、南向きに比べて安くなる傾向にあるので、予算も抑えられますよ」。例えば夜に自宅で過ごす時間が多いなら、夜景がきれいな方角を検討してみるのもいいだろう。
通勤便利な中央区で見つけたタワーマンション。高層階がほしいと思いましたが、価格が高い。以前の住まいも21階と高層階だったのですが、振り返ると毎日眺望を見ていたわけではなかった。私たちに眺望のよさは必要ないと思い、9階の住戸を購入。眺望は高層階の共用施設を利用したときに楽しんでいます。
1. 都心の通勤便利なエリア
2. 75m²以上の南向き
1. 眺望のきれいな高層階
2. 日当たりのいい南西向き住戸
一般的に眺望のよい高層階の価格は高く、階が下がるのに比例し価格も低下。「タワーマンションの場合はパーティールームなど共用施設を高層階につくるケースも多く、低層階に住んでも必要に応じ眺望を楽しめます」。また、周辺に高層建築があるかないかで眺望は変わるので、将来の開発計画も確認しておくといい。
高級感あふれる設備・仕様に憧れていましたが、安全な周辺環境が気に入った物件は、設備・仕様がスタンダードなグレード。そこで設備はディスポーザーとIHクッキングヒーターがあれば十分だと考え直し、自力では変えられない周辺環境を優先することに。結果、家事の不便もなく、満足しています。
1. 安心して暮らせる安全な周辺環境
2. 明るい暮らしを求めて角部屋・南向き住戸
1. 高級感のある充実の設備仕様
「設備や仕様は、あとから付け加えられないものと、付け加えられるもので分けて考えましょう。例えば食器洗い乾燥機は場所が確保できれば設置可能ですが、ディスポーザーの設置は難しい。付け加えた場合のトータルな予算で考えましょう」。生活イメージを描き、本当にその設備が必要か確認することも重要だ。
※データ提供:LIXIL ※価格はLIXILの商品カタログより抜粋。すべて本体価格(税込)で、搬入・取り付け・設置費などは含まない。価格はメーカーによって異なる
構成・取材・文/BREEZE イラスト/いぢちひろゆき
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