家とお金の常識30

09年08月20日
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トレンド編 新築マンションのトレンドについて西澤さんに聞いてみました。

01今、マンションの価格はどうなっている?

全体的に価格は下落傾向にある

今年1月の首都圏新築マンション平均価格は4172万円。これは2007年9月以来の安値で全体としては下落傾向。「ただし価格改定と銘打って値下げに踏み切る物件も出ているため、相場は物件ごとに個別化しています」。価格が変動している今、路線やエリアの相場イメージにとらわれずに探すことで、意外なおトク物件を発見できるかもしれない。

02 今、住宅ローン金利は低いの?

今は長期的に見て超低金利といえる

「過去20年の長期的スパンで振り返っても、今は異常なほど住宅ローン金利が低い時期。長期固定金利で3%台、優遇金利が適用されればさらに低金利になる、という状況です」。とはいえ、この低金利が今後も続くかどうかは分からない。下がるにも限度があるし、上昇する可能性も。今のうちに低金利のメリットを享受したい。

03 今年注目の新しい制度はある?

売主の倒産に備えた制度開始

売主に対し保険への加入などが義務化される「住宅瑕疵(かし)担保履行法」に注目。欠陥が見つかった場合、10年以内なら売主が倒産しても保険金でカバーされる制度。10月以降の引き渡しから。

物件編 まず知っておきたいマンションの基礎知識を古澤さんに聞きました。

04 なぜ価格未定の物件がある?

価格確定前に広告を始めるから

新築マンションは価格が確定する前に広告を始めるのが一般的。「モデルルームオープンのころには価格帯などは出ています。モデルルームに行けば大まかな価格を教えてもらえることも」

05 徒歩分数はどう測るの?

80mを1分として計算

駅の出口から物件の敷地までの距離を80m=1分として算出。「表示よりも、実際に歩いてみて、道のアップダウンや信号待ちなどを含めた、実際にかかる時間を確認しましょう」

06 南向きが一番住みやすい?

東向き、西向きが合う人も

南向きは最も日照時間が長く人気が高い。その分、価格も高めになるだけに「朝はゆっくり寝ていたい人なら午後から日が入る西向き、早起きで昼間は留守がちなら東向きという選択も」

07 用途地域って何?

建てられる建物を定めたもの

建てられる建物の種類や高さを行政が決めた区分で、今後の開発も含めた周辺環境を知る目安になる。「まれですが用途地域が変更されることもあります」

08 共用施設充実物件は割高?

1戸当たりの負担は標準的

共用施設が充実しているのは多くが大規模な物件。たくさんの住戸数で割ることで管理費の負担も抑えられる。「標準的な負担でさまざまな施設が使える分、おトクともいえます」

09 間取りは広告に出ているだけ?

広告の間取りはほんの一部

広告に出る間取りは「広さなど条件のいい間取り」「戸数の多いプラン」などからピックアップされやすい。「そのほかは、モデルルームでもらえる間取集で確認することができます」

10 間取りを変更できるのはいつまで?

無償での間取り変更は各階ごとに期限がある

カラーセレクトや間取り変更などは工事の予定に合わせて下層階から順に期限が設定されることが多い。「和室を洋室に変更、キッチンの吊り戸棚を外す、キッチンの高さを選ぶなど、さまざまな変更オプションが用意されている物件もあります。大きな変更や完成後の変更は有料になることが多いです」

11 大地震が起きたらどうなる?

倒壊の心配はほとんどない

「改正建築基準法に合致している今のマンションは耐震等級1以上。震度6.7程度の揺れでは倒壊しません」。物件によっては防災倉庫に食料や避難器具を備蓄しているところもある。

12 免震・耐震・制振構造はどう違う?

地震の揺れに耐える仕組みの違い

耐震構造はがっしりした建物のつくりで揺れに耐える構造。制振構造は建物内に揺れを吸収する装置を設置して、揺れをコントロールする。免震構造は建物の下に免震装置が装備されて、揺れを建物に伝えにくくする。「耐震等級(右記参照)が高かったり、免震構造だと地震保険の保険料が安くなったりするメリットもあります」

探し方編 マンションの上手な探し方について古澤さんに聞きました。

13 物件情報はどう集める?

自分に合った情報源を活用

情報誌やインターネットなら、通勤アクセス、予算など自分の条件に合わせて多くの情報を比較検討しやすい。「情報収集の方法として、まず資料請求という手段もあります」

14 モデルルームは何件見る?

平均で6件くらい

購入者の平均は6.3件。「初めて見たモデルルームは100点満点に感じることが多いようです」。何件か見ることで、その物件のレベル感や価格の相場観が分かり、比較検討しやすくなる。

15 モデルルームでは何が分かる?

物件の全体像や資金計画も分かる

モデル住戸では、内装の雰囲気や設備を知ることができる。物件によっては何パターンか用意されている場合も。パネル展示では構造など、模型では敷地内の植栽計画や、建物が敷地のどこに建つのか、道路との位置関係なども確認できる。「そのほか、資金計画や、管理、修繕計画についてなど、疑問があればどんどん尋ねてみるといいでしょう」

16 モデル住戸通りが買える?

オプション仕様が多い

モデルルームはオプションの設備が付いているなど、仕様が豪華になっていることが多い。「オプションマークを参考に、どこまでが標準なのかを質問しておくといいですね」

お金編 知らずに買えない資金計画の常識を西澤さんに聞きました。 

17 購入予算はどう考える?

毎月ローン返済に充てられる額から考える

毎月の返済可能額と用意できる頭金をもとに、購入予算を検討するといい。「家賃+住宅用の月々の貯蓄を毎月返済額の上限に。それでも欲しい物件に予算が届かないのであれば生命保険料を払いすぎていないか、外食を減らせないかなど、家計を見直してみては?『節約すればいい』ではなく、捻出できる金額の根拠を明確にしておきましょう」

18 頭金はいくら必要?

物件価格の2割以上が理想

頭金が少ないとローンの借り入れが多くなり、利息が増える分、総支払額も増える。頭金ゼロで購入も可能だが、「物件価格の2割以上が理想。最低でも1割は用意したいですね」

19 価格以外にいくら必要?

諸費用が物件価格の3~5%必要

「ローンを借りるときにかかる手数料、税金、登記関係の費用など、物件価格以外にもいろいろなお金が必要です」。これら諸費用はローンを組むこともできるが、現金での支払いが原則。

20 貯蓄を全部使ってもいい?

生活費の3カ月分は残そう

「仕事を辞めたり、病気になった時のことを考えると、最低3カ月分、できれば半年分の生活費を残したほうが安心」。また、引っ越しや新生活のための費用を残しておくことも忘れずに。

21 家賃並みの返済なら安心?

毎月の返済と維持費で考えて

マンションを買うと管理費や修繕積立金などが毎月かかる。「月々の支払いはローンの返済だけでなく、これらのランニングコストも含めて考えましょう」

22 金利は低いほどいい?

金利の低さだけで判断できない

ローンの金利タイプには右の図のように3種類ある。固定期間が長いものは、金利は高めだが毎月返済額が変わらず安心。変動金利型は現在は低金利だが、今後、金利が上昇する可能性がある。それぞれの特徴を知って自分に合うものを選ぼう。「返済期間の途中で金利が上がり、返済額が増えても対応できるかを考えて検討しましょう」

23 金利はいつ決まるの?

物件の引渡時が一般的

ほとんどの住宅ローンは、引渡時(融資実行時)に適用金利が決まる。「金利優遇キャンペーンを利用するつもりなら、引き渡しが適用期間内かどうかを確認しておきましょう」

24 フラット35って何?

金利が固定されるタイプのローン

完済まで金利が変わらず、保証料や繰り上げ返済手数料無料のメリットがある。「借りるには購入物件が技術水準をクリアしている必要があり、良質な物件という安心感も得られます」

25 ローンはどこで借りられる?

どこの金融機関でも借りられる

「住宅ローンの貸し出しをしているどこの金融機関でも借りられます。最近では、物件ごとにおトクな金利が適用される提携ローンも多く用意されていて、手続きも簡単です」

26 ローンは誰でも借りられる?

転職したばかりなら注意

過去にローンの延滞がある人、転職が頻繁な人、異業種に転職したばかりの人などは借りにくい。「銀行によって審査基準は異なるので、不安な人は複数の銀行で確認してみましょう」

27 返済期間は長めのほうがラク?

返済期間が長いと総支払額はアップ

ローンは返済期間が長いと、毎月の負担は抑えられるが総支払額は増えてしまう。「退職金で完済する、という人もいますが、退職金は老後資金にとっておいてほしいですね」

28 夫婦で返済。注意点は?

共有名義にするのを忘れずに

夫婦それぞれにローンを組んで返済するなら、出資額に応じて共有名義にしないと贈与税の対象になることも。「夫だけの名義では妻の出資分が贈与税の対象になるので注意が必要です」

29 親の援助いくらまで無税?

特例を使えば3500万円まで

相続時精算課税制度の特例を使えば住宅取得資金3500万円まで贈与税は非課税。「適用になるにはさまざまな条件があります。また、税務署に申告が必要なので注意してください」

30 住宅ローン控除って何?

ローン残高に応じて税金が控除される

住宅ローンを利用して購入した場合、年末のローン残高に応じて受けられる税控除のこと。「2009年度からは控除の対象になるローン残高の上限も2000万円から5000万円にアップ、減税額の上限も500万円に大幅拡充されます。さらに、長期優良住宅に認定された物件は上限100万円の控除額が上乗せされ、多くの人にメリットが出そうです」

取材・文/田方みき 撮影/田中 昌 イラスト/ナカザワマコト

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