環境にも家計にも優しい次世代ゼロ・エネルギー住宅を見学

09年11月25日
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環境にも家計にも優しい次世代ゼロ・エネルギー住宅を見学

ミサワホームが今年の3月に三重県亀山市に完成させた、次世代ゼロ・エネルギー住宅の技術試行棟に行ってきた。この試行棟では、居住時だけでなく建設時から解体時まで、ライフサイクル(材料の調達から加工製造、居住、そして廃棄まで)を通じて消費するエネルギーを、太陽光発電による創エネだけで賄うための詳細データの収集が行われており、さらに、蒸暑地で快適に過ごすための技術の検証なども行われている。

同社が太陽エネルギーを利用した住宅の開発に着手してから30年以上がたつ。1974年に環境負荷低減を目指した「エコ・エネルギー住宅」の開発に始まり、1998年には、世界初のゼロ・エネルギー住宅「HYBRIDZ」を発売。昨年2月には次世代ゼロ・エネルギー住宅(寒冷地仕様)の技術試行棟を北海道旭川市に建設した。

蒸暑地仕様の亀山試行棟は、ブラインドシャッターや高遮熱ガラスなどで、夏季の日射遮しゃへい蔽性を高め、屋根遮熱性などを従来仕様より向上させることで、空調機器の消費エネルギーを最小限に抑え、さらに空気熱や排熱のエネルギーを利用することで、総合エネルギー効率を高めている。

また、太陽光発電システムを搭載し、年間7950kWhを発電。この試行棟の年間消費エネルギーは約6000kWh(既存の同社仕様の約49%)なので、毎年約2000kWhの余剰が生まれ、一定期間が過ぎるとライフサイクルエネルギー収支がゼロになる計算。

さらに、太陽熱集熱機能と搬送ファンにより、暖まった空気で蓄熱し、暖房などに利用するなどの工夫で、既存の同社仕様と比較すると、消費で7万円以上、発電で22万円、合計で約29万円(年間)のコストメリットがあり、家計にも優しいと言える。

今後は一般のカスタマーに入居してもらい、普段の生活を通してさらに詳細なデータ収集や技術の検証を行うことで、早期の商品化を目指している。

周囲に樹木を植えることで、日差しを遮ったり、樹木の蒸散作用で周囲の気温上昇を抑制。屋根には、屋根材と一体になった太陽光発電モジュールを搭載

雨水を利用した「涼風ミスト」。打ち水の効果があり、周囲の温度を下げ、照り返しも緩和

(左)開口部には日射熱を63% カットする高遮熱ガラスを採用。パネルルーバー冷暖房は冷温水を通すふく射式。エアコンによる冷暖房は不要。(右)快適な空間を実現するために、室内の温度や湿度などを測定

(左)サーモカメラで、開口部の熱損失を測定。試行棟内にはこのほかにもさまざまな機械を設置し、詳細なデータ収集がなされている。(右)旭川の試行棟。断熱性や気密性を高め、寒さの厳しい旭川でも快適に過ごせる
文/松尾俊一郎(編集部) 画像提供/ミサワホーム
※月刊ハウジング2009年11月号掲載
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