新政権の景気対策は、ひとことで言えば「家計先行」。公共事業や企業向け減税など、「企業先行」の景気対策に力を入れた前政権からは大きな転換となるが、違いが分かれば購入判断もしやすい。
前政権の対策では企業業績が拡大し、景気回復に即効性があった。戦後最長の景気拡大といわれたことも記憶に新しい。だが波及効果として見込まれた収入アップや消費の刺激にはなかなか結びつかず、「実感なき景気回復」ともいわれた。
一方、現政権の対策では、子どものいる世帯に子ども手当を支給するなど、まず収入アップにつながる施策が取られる見込みだ。この場合、「先行きの不安な状況下で手当などが貯蓄にまわり、消費に結びつくのが遅れ、企業業績の拡大や景気回復に時間がかかる懸念がある」(森永さん)という指摘もあるが、家を買う予定の人にとっては、家計が潤うメリットは大きい。「家計収入が上がり、住宅購入が現実的になれば、購入意欲が高まるはず。それを受けて景気も活性化するでしょう」(樋口さん)
そうは言っても、ボーナスカットなど収入不安を抱える人は多いはず。その点、新政権は支出面の平準化をめざしていることに注目したい。つまり子ども手当や公立高校の無料化、高齢者医療費の軽減など一連の政策だ。以前のような年功序列による収入拡大が望みにくい今の時代だが、政策がうまく進めば教育費や老後の生活への不安が少なくなるかも。
収入面では、子ども手当の恩恵が大。子育てファミリーでは、扶養控除廃止で税金が増えるが、子ども手当はそれを上回る額で実質収入がアップ。このほか奨学金の利用条件を緩和する案などもある。内閣府調査(2002年度)によると、子ども一人当たりの教育費は年間約173万円だという。子育て期の収入が増えれば住宅購入には安心材料だろう。
支出については、中学までの医療費や公立高校の授業料無料化に加え、高速道路無料化などが打ち出されている。可処分所得が増え、子育てや将来への備えが少なくてすめば、支出に対して前向きになれそうだ。また「最近のデフレ傾向や企業努力により、食費や衣料費、光熱費の削減など、生活費は圧縮へと進んでいる」(森永さん)ので、トータルで考えたい。

















