
【ご相談内容】疲れをとる寝室のつくり方はありますか?
来春には子供が生まれる予定です。子供がのびのびと育つ環境をつくることを第一に家づくり計画を進めています。寝る子は育つとよく聞くので、寝室の位置や方角は特に気をつけて考えたいと思っていますが、テレビや雑誌に色んなことが書かれていて何を信用していいのか分からなくなってしまいました。
友人はある家相に詳しい方に相談し、吉といわれた方角に寝室をつくったものの騒音等であまり熟睡できていないようです…。寝室を置くべき位置について詳しく教えて下さい! |
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よく眠り、疲れをとるためには、寝室の環境づくりと朝の目覚めが大切なり
寝室にはどの方位が吉か。枕はどちらに向けたら良いかなど、テレビや雑誌などで、寝室のつくり方が話題になることもよくありますね。これらは大抵が、開運をうたい文句とした占い的なものですが、寝室のつくり方で何より大切なのは、よく眠ることができ、疲れがとれる環境づくりです。毎日を健康的に過ごすためには、よく眠ることが大事ですからね。今回は、そんな寝室づくりのポイントについて、お話をいたしましょう。
実は、寝室に関しては、私は現在さまざまな研究をしています。眠るための住まいこそ、大吉の住まいであるとの持論から、今年は本も出版しました。私の兄は睡眠医療の専門医であり、睡眠障害の検査ベッド数は日本最大規模の病院の院長をしております。眠れない方たちを、どう気持ちよく眠れるようにするか、日夜携わっている「睡眠」の専門家です。ですから、今回は医学的な側面からもお話をしたいと思います。
では、どんな寝室がよい寝室なのでしょうか。兄いわく、暗く静かで、一定の温度と湿度が保たれている寝室だそうです。逆に考えてみれば、明るくて騒がしい、また、寒暖や乾湿の差が激しい部屋では、よく眠れそうもありませんよね。しかし、鑑定で間取りを拝見していると、意外にも「眠れない寝室」を設計されているケースが多いのです。
例えば音。2世帯のお年寄りの寝室が、上り下りが頻繁な階段と隣接していたり、子世帯が深夜まで使うリビングの真下にあったりすることはよくあります。環境面では、交通量の多い道路や、夜間も稼働している工場などと隣接する寝室もあります。
光の問題では、電柱に近い部屋で街灯の影響を受けたり、駐車場に隣接する寝室では、車のヘッドライトの影響を受けてしまうことがあります。シャッターや雨戸を閉めれば改善される場合もありますが、朝になっても真っ暗で、つい寝過してしまうということも多いですね。
温度や湿度に関しても、エアコンに頼り過ぎてしまって、体調を崩すことも少なくありませんね。日中の風通しを確保して、熱気や湿気がこもらないようにしておくことがいちばんなのです。
以上をまとめますと、疲れが取れる寝室にするには、ぐっすり眠れる寝室にすること。それは、静かで暗く、一定(過ごしやすい)の環境であることと考えてください。ただ、寝室と一口にいっても、夫婦の部屋も、子供室も、お年寄りの部屋もみな寝室ですね。家族が眠る部屋であれば、それぞれよく眠れるような環境を整えることが大切です。
そして、今、私と兄が提唱しているもうひとつの寝室づくりのポイントを、ここで少しご紹介します。それは、住まい全体も眠るためにつくるということです。よく眠るためには、一日の生活行動すべてが大切なのです。
まず、決まった時間に起きる。そして、寝室のカーテンを開けて、自然光をしっかり浴びてほしいのです。天気がよければ、窓も開けて風を通し、部屋の中の腐敗した空気を排出しましょう。夜眠るための快適な環境を、朝つくり出すのです。
朝食をきちんととることも重要です。朝日の差す明るい場所にダイニングを設け、明るい環境で朝食をとりましょう。朝食を食べることで脳や腸も働き、体が活動を始め、一日を気持ち良くスタートできます。
これらを、「概日リズム、サーカディアン」といい、体内時計を安定させる一つのリズムが大切であることが、ここ最近、科学的に証明されてきたのです。朝起きて早い段階で光をしっかり浴びることで、「セロトニン」という脳内ホルモンが分泌され、体がしっかり覚醒します。そして、しっかり目が覚めることで、その14時間から15時間後に、眠くなるホルモンの「メラトニン」が分泌されるのです。
どんなに素晴らしい環境の寝室を設計しても、朝の光を浴びず、体内時計を安定させない場合はよく眠れないのです。夜になっても、強く明るい光を浴びてしまうことが多い現代人は、眠れない環境の中で生きているともいえるでしょう。
寝室の環境はもちろん大切ですが、一日の過ごし方で体内時計を安定させてこそ、質の良い眠りが得られ、疲れも癒されるのだとお考えください。そして、そのための住まいこそ、大吉の住まいだと私は提唱しています。 |
家相お悩み相談室|
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監修・文/小池康壽 イラスト/すぎうらゆう
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